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どうしてもお墓参りに行けない。そんなとき便利なお墓参り代行サービスとは?

「お墓が遠方にある」「交通手段がない」「時間が取れない」など、お墓参りができず困っている方も多いようです。そこで今ニーズが高まっているのが「お墓参り代行サービス」です。今回はお墓参り代行サービスについてご紹介いたします。
1. お墓参り代行サービスとは
お墓参り代行サービスとは、その名の通り、お墓参りに行きたくてもいけない人のために、代わりにお墓参りをしてくれるサービスで、現在全国で増えています。
具体的には、依頼者に代わって墓石や周辺の清掃、お花や線香のお供えなどをし、合掌して供養してくれます。終わったら写真や動画を取って依頼者に実施内容を報告します。
専門の業者の他にも清掃会社がお墓の掃除を請け負ったり、石材店やお墓関連業者が行ったりしている場合が多いようです。他には自治体のふるさと納税の返礼品としてこのサービスを提供している場合があります。
2. アンケート調査
全国47都道府県の石材会社及び同関連会社のネットワークである全石協が2020年8月に実施したアンケート調査によると、55.2%の人がお墓参り代行サービスを利用したくないと回答しました。一方で、定期的に利用したい、自分がどうしてもできないときだけ利用したいと回答した人は31.1%でした。
男女別に見てみると、利用したいと答えた人は男性よりも女性の方が11.4%も多い結果となりました。また、年代別に見てみると、30代、40代は男女ともに利用したい人の割合が高く、50代になると女性は38.1%の人が利用したいと回答するなか、男性は24.2%と大きく差が出ました。高齢になればなるほど古いしきたりを大切にする傾向が見られました。
具体的な利用したいサービス別では、「お墓の清掃サービス」が62.6%、「お線香と供花サービス」が44.2%と高くなっています。
3. こんな人におすすめ お墓参り代行サービスはどのような人が利用されているのでしょうか?
お墓が遠方にあってお参りが困難な場合
引っ越しや結婚、転勤などの理由で遠方に住んでいる方にとって、お墓参りは時間と費用がかかってしまい行けないこともあります。仕事が忙しかったり、他の予定が重なってしまい行けない場合などに利用される方が多いようです。
身体が不自由でお墓参りに行けない場合
高齢になって足腰が悪くなってくると、お墓参りに行くことが難しくなってきます。その上、お墓の掃除などは重労働です。そうした方にとっても大変助かるサービスと言えるでしょう。
古いお墓で通常の清掃では汚れが取れない場合
先祖代々継承してきたお墓にはコケや雑草が生えていたり、普通の水洗いでは墓石がきれいにならない場合があります。かといって無理に落とそうとすると墓石を傷つけてしまうこともありますので、そんなときは専門の業者に頼めば、特殊な用具や洗剤を使用してピカピカに仕上げてくれます。きれいな墓石に生まれ変わったら、ご先祖様もきっと喜んでくれることでしょう。
4. デメリット 便利なお墓参り代行サービスですが、デメリットもあります。
親戚や家族などに中によく思わない人がいる
前述したアンケートでも、年齢の高めの人ほどお墓参り代行サービスへの抵抗が大きく、特に男性はその傾向が強いようです。そのため、他の人にお墓参りをさせることを反対されたり非難されたりする場合があります。後からトラブルにならないように、事前によく話し合っておくといいでしょう。
ご先祖様に顔を見せて自分で供養できない
お墓参りにはご先祖様に近況の報告をするという意味合いもあります。代行サービスではそれはできません。
自分自身の癒しになりにくい
お墓参りをしてご先祖様に手を合わせながらいろいろとお話をすることで、心の整理ができたり癒しになったりすることがあります。代行サービスではこうした心の癒しまではできません。
5. お墓参りの内容と流れ 一般的なお墓参り代行サービスで行われるサービスの内容と流れを紹介します。
ご先祖様への合掌礼拝
最初にご先祖様にご挨拶とご供養の気持ちで合掌を行います。
写真撮影
作業前の状態を撮影し、作業中、作業後の様子と合わせて依頼者に報告します。
お供え物やお線香、お花の交換
新しいお供え物やお花を交換し、お線香をあげてくれます。故人が好きだった花などを指定することもできます。霊園によってはその後の片づけをする場合があります。
お墓の清掃
お墓周辺の草取りや落ち葉などの掃き掃除、墓石の汚れ落とし、花立などの清掃などを行います。
作業完了報告
撮影した写真や動画を報告書と一緒に依頼者に送り、完了の報告をします。
6. 費用の相場
費用は業者やサービス内容、地域によって異なりますが、一般的な相場は1万円~2万円程度のようです。オプションなどで特殊な墓石のクリーニングや修理などもあるようです。
この場合は2万円~4万円程度かかります。
いずれも、ネットの口コミなどを見て、ちゃんとした業者かどうか確認するといいでしょう。
お盆やお彼岸など、ご先祖様のお墓にお墓参りをした経験が誰でも一度はあるのではないでしょうか。お墓参りは、亡くなった人の冥福を祈り、それによって故人が成仏でき、あの世で安心して暮らせるために行います。お墓参りでは、お墓をきれいにし、お花や浄水を供え、お墓に向かって合掌したり、場合によっては、ご先祖様に結婚や出産、家族の様子などの報告をしたりすることもあるでしょう。
ですから、「お墓参り代行サービス」と聞くと、そんなことしていいのかな、と心苦しく思われる方もいるかもしれません。しかしさまざまな理由からどうしてもお墓参りに行けない、ということもあります。
そんなときは一度検討してみてはいかがでしょうか?
きっとご先祖様は、供養したいというあなたの気持ちを理解してくれるはずです。
【最新お墓事情】お墓に一緒に入る人も選べる時代。墓友とは?


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【最新お墓事情】お墓に一緒に入る人も選べる時代。墓友とは?

近年終活を行う人が増えていますが、その中でも注目を集めているのが「墓友」です。社会の変化やお墓に対する価値観の変化などから、今やお墓に一緒に入る人も選べる時代となってきました。今回はこの墓友についてご紹介いたします。
1. 墓友とは
墓友とは「はかとも」と読み、家族や親族などの血縁関係はない人で、一緒に同じお墓に入ることを約束している友人のことです。そもそもお墓には、家族や親族でなくても一緒に入ることができます。合祀墓といって、不特定多数の人が一緒に合祀されるお墓はありますが、墓友の場合は、不特定多数の人ではなく、生前に一緒に入ることを約束し、一緒にお墓の契約をするのです。ですから、どちらかが先に亡くなった場合は残された人が供養してくれるのも墓友の特徴です。
2. 墓友が増えている理由
墓友が増えている理由はいくつかありますが、ひとつには「おひとり様」が増えていることです。未婚率の増加により一人のまま高齢になってしまった場合や、結婚はしたが子どもはできず、配偶者が先に亡くなって一人になっている場合、もしくは熟年離婚などで一人になった場合などさまざまです。
他には、子どもに負担をかけたくないからといった理由や、離婚はしなくても配偶者と一緒のお墓に入りたくないといった理由から、墓友と一緒にお墓に入ることを選ぶケースもあるようです。
3. 墓友の見つけ方
一緒のおに入るという事は、お墓を一緒に選んだり、契約や費用の支払いといったお金も絡む問題です。ですから簡単に誰でもいいと決めてしまえるものではありません。では一体どうやって墓友を見つければいいのでしょうか?
墓友サークル・終活サークル
最近では墓友を探すための墓友サークルや終活サークルを運営するNPO団体や地方自治体もあるようです。そうした墓友サークルであれば、同じような死生観を持っているためスムーズに話が進むかもしれません。
インターネットサイト
インターネットで検索すると、墓友を募集するサークルやSNSが出てきます。こうしたサイトで自分にあった人を見つけることが可能です。しかし、顔の見えないインターネットですので、詐欺などの合わないように注意をすることも必要です。
老人ホーム・介護施設
老人ホームや介護施設の中には、共同墓地を用意して一緒に入る墓友を募集しているケースもあるようです。もちろん、そうした共同墓地がなくても、普段の生活の中で考え方の合う人や仲のよい友達を見つけて一緒に入るお墓を探すこともできます。
他にも、昔からの友人や、趣味のサークルで気が合う友人を見つけたり、霊園や墓地管理者が主催する終活セミナーなどに参加してみるのもいいでしょう。
法要は亡くなった方の冥福を祈る大切な行事です。近年では法事を執り行わず、家族だけで済ませることも増えていますが、親族や故人の知人などを招き、故人の思い出を語り合う法事は、遺族にとってもの心の区切りや思い出を整理するいい機会にもなります。ぜひ難しく考えすぎず、和やかな気持ちで故人を供養されるといいですね。
4. 墓友のメリット・デメリット
墓友とは、亡くなった後の話だけをするわけではありません。お互いに様々な話をしながら親睦を深めたり、趣味の話をするなど、同じ目的を持つ友人と関わったりすることで日々の生活を楽しくしてくれます。また、孤独死や無縁仏になるといった先の不安もなくなるため、安心して残りの人生を過ごすことができるようになります。
こうしたメリットがある一方、気を付けなくてはならないこともあります。
お墓の購入にはお金が絡む問題です。そのため、事前に一緒に見学し、細かい条件や片方が先に亡くなった場合のことなどよく話し合っておくことが必要です。購入後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、しっかり調べておきましょう。
また、家族や親族がいる場合は、反対されることもあるので事前に説明して理解を得ておくことが大切です。
5. お墓を選ぶ際の注意点
墓友と一緒に入るお墓は、基本的には継承する必要のない永代供養墓を選ぶようにしましょう。必ずどちらかが先に亡くなりますので、残された人に負担がかからないように墓地の供養や管理を霊園や寺院が行ってくれる永代供養墓がおすすめです。永代供養墓には納骨堂や樹木葬などがありますが、お互いの希望に合ったお墓をいくつか見学し、それぞれがアクセスしやすいところを選ぶといいでしょう。また、お金についてはどちらがいくら、いつ払うのかははっきりと決めておくようにします。できれば生前にすべて支払いをすませておくとトラブルになりにくいです。その際管理費が毎年かかる場合もあるので注意が必要です。
墓友は、近年新しくできた価値観であるため、人によっては理解されないこともあるかもしれません。しかしながら、自分らしい生き方を選ぶように、お墓も自分らしく選ぶことで残りの人生を安心して過ごすことができるというメリットもあります。そのため、一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?
法事と法要の基礎知識


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法事と法要の基礎知識

葬儀の後に行われる法事や法要。皆さんもご親戚や知人など参列されたことはあると思いますが、正しく知っている人は少ないのかもしれません。そこで今回は法事と法要の違いや種類、マナーについての基礎知識をご紹介いたします。
1. 法事と法要の違い
よく混同されて使われることが多い「法事」と「法要」。皆さんはその違いをご存知でしょうか?
一般的に「法事」とは、僧侶を招いて読経をしてもらい、参列者に焼香やお墓参りをしてもらった後で会食を行うまでの一連の行事全体を指します。
一方「法要」とは、僧侶を招いて読経をしてもらう供養の儀式自体を指します。法要は、遺族が故人の冥福を祈るために行うものであり、法要を営むことによって故人は極楽浄土に往生できるとされています。
2. 法事と法要の種類とタイミング
仏教では、逝去してから四十九日の間を「中陰」と言い、七日おきに閻魔大王による裁きがあり、四十九日目に極楽浄土へ旅立てるか否かの判定が下されるとされています。亡くなった日から数えて7日ごとを「忌日」といい、この日に行われる法要を忌日法要といいます。
このうち特に重要なのは「初七日」と「四十九日」で、それ以外の忌日は、遺族のみで供養をすることが多いです。ただ最近では、「初七日」は葬儀当日に合わせて行い、葬儀後に行うはじめての法要は「四十九日法要」となる場合が増えています。
四十九日法要後に納骨をする場合が多いので、寺院や霊園の法要会場で法事を行うこともあります。
一般的には「四十九日」までが「忌中」です。
逝去してから100日後には、「百か日法要」が営まれます。それ以後、一周忌、三回忌と、三十三回忌まで法要が営まれます。三十三回忌は弔い上げと言い、それ以降は故人としての法事は行いません。
百か日までの法要を「忌日法要」と言い、一周忌以後の法要を「年忌法要」と呼びます。年忌法要は何年かおきの祥月命日にやるもので、一周忌から始まります。しかし、最近では多くの方が参列しやすい休日に行うのが一般的です。その場合は、必ず祥月命日よりも前に執り行います。
もし一年の間に二つ以上の法要が重なる場合は、ひとまとめに法要を執り行うことができます。
新盆(初盆)
四十九日法要が終わって初めて迎えるお盆を「新盆(初盆)」と呼び、多くの参列者が訪問し読経や会食を行います。四十九日前にお盆を迎えた場合は、翌年が新盆になります。
3. 法事のマナー
法事の際にはいくつかのマナーがあるので注意しましょう。
服装
亡くなって四十九日法要までは葬儀と同じ正装です。遺族は男性はブラックスーツ、女性は黒の長袖のワンピースやスーツです。参列者も略喪服のダークスーツ、地味な色合いのワンピースなどを着用します。靴やバッグは黒で金具がついていないものにします。一周忌、三回忌も同様です。
七回忌以降の服装は平服で大丈夫ですが、普段着ではなく、男性はダークスーツにシャツと地味な色合いのネクタイを着用します。女性は黒やグレー、紺などのスーツやアンサンブルがいいでしょう。靴やバッグは派手なものでなければ普通のものでも大丈夫です。
香典
香典は香典袋に入れて、表書きをします。表書きは、四十九日法要までは「御霊前」と書き、四十九日法要が終わったら「御仏前」とします。
ただし浄土真宗、浄土宗の場合はすべて「御仏前」となります。
包むお金の額は、故人と近い関係にある人ほど多く包みます。
相場としては、
両親 3~10万円程度
兄弟・姉妹 3~10万円程度
親戚・親族 1~3万円程度
友人、知人 3千円~1万円程度
会食がある場合は1人あたり5千円~1万円をプラスしたり、お供え物を渡すこともあります。
法要は亡くなった方の冥福を祈る大切な行事です。近年では法事を執り行わず、家族だけで済ませることも増えていますが、親族や故人の知人などを招き、故人の思い出を語り合う法事は、遺族にとってもの心の区切りや思い出を整理するいい機会にもなります。ぜひ難しく考えすぎず、和やかな気持ちで故人を供養されるといいですね。
永代供養墓のメリットとデメリット


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永代供養墓のメリットとデメリット

近年話題になっている“永代供養墓”は承継を前提としないお墓で、主に子供のいないご夫婦や単身者の方、もしくは「子供はいるけれどお墓の負担をかけたくない……」とお考えの方々から人気を集めています。管理料が不要で、檀家になる必要がない場合が多いという点も人気のポイントのひとつでしょう。“供養”と仏教用語の名が付いている通り、永代供養墓は元来寺院の施設でしたが、最近では民間の霊園でも永代供養墓またはそれに準ずる言葉を用いるようになり、そのお墓のかたちも多種多様です。
しかし、そんな魅力的に思える永代供養墓にも実はいくつかの注意点があります。知らずに申し込んだ結果後悔したり、親戚どうしでトラブルになったりするような事態は避けたいものです。そこで今回は、『永代供養墓のメリット(長所)とデメリット(短所)』についてご紹介いたします。
1. “永代供養墓”とは何か?
永代供養墓は、「お寺が続く限り供養してくださるお墓」という意味です。
(似た響きの“永代使用権”という言葉がありますが、こちらは「お墓の利用者が代々続く限りその土地を借りられる権利」という意味です。ややこしいですが、永代使用の“永代”は主体がお寺ではなく利用者であるという点で、永代供養の“永代”とは別物です。)
永代供養墓のかたちには様々な種類がありますが、以下のように区別できます。
・合葬墓
ご遺骨を骨壺から取り出し、血縁を越えてひとつのお墓に入るタイプです。“共同墓”や“合祀墓”とも呼ばれますが、最初から「みんな一緒」に埋葬されるのに抵抗があるのであれば、この形は避けたほうがよいでしょう。
・個人墓
個人もしくは夫婦単位で、専用の墓所に埋葬されるタイプです。十三回忌や三十三回忌など一定期間を経て、寺院や霊園などの管理者によって合葬墓に移され、引き続き供養されます。
・集合墓
個別に設けられた納骨スペースそれぞれに石碑や石塔が建てられ、それらを集合させてひとつの大きなお墓を作っているタイプです。お墓のマンションのような形態といえます。
2. 永代供養墓のメリット(長所)
永代供養墓のメリットをいくつかご紹介いたします。
・承継を前提としないお墓
「承継を前提としない」というと、先述のように子供がいない夫婦や単身者を想定されるケースが多いですが、子供が海外などに移住したり、違う宗教を信仰したりしているなどの理由で供養できない方々がご利用されることもあります。
・お寺が供養してくれる
「永代供養」とはお寺が続く限り供養してくれるという意味です。つまりお寺が合同法要などで定期的に供養してくれるので、自分が亡くなったあと無縁墓になる心配がなく安心です。
・檀家にならなくてもよい場合が多い
お寺にお墓を建てると檀家にならなければなりませんが、永代供養墓の場合は入壇しなくてもいいところが多くあります。檀家ではないので、お寺を護持するおつとめやお布施の必要は基本的にありません。
(※ただし、お寺によっては檀家でないとお葬式を執り行ってもらえないところもあるようですので、事前の確認が必要です!)
以上が永代供養墓の主なメリットです。総合すると、将来のお墓の心配をなくしたいもしくは子供にお墓の負担を残したくないとお考えで、お寺との関わりに積極的でない方なら、永代供養墓を選択肢のひとつとして考えてよいでしょう。
3. 永代供養墓のデメリット(短所)
このようにお墓にかかわる心配事が少なく、とても魅力的に思える永代供養墓ですが、親戚同士でトラブルになりかねない、以下のようなデメリットがあります。
・遺骨が返ってこない
合葬タイプの永代供養墓では、ご遺骨を骨壺から取り出してほかのご遺骨と一緒に埋葬するため、他の方のお骨と見分けがつかなくなります。つまり、身内が後になってからお寺に「遺骨を返してほしい」とお願いされても、お寺としては対応できず、トラブルになる場合があります。トラブルを避けるためには、事前に家族や親戚に相談しておくことが大切です。どのようなかたちで埋葬されるのかもしっかりと考え、伝えておくことが重要になります。
・生前購入が原則の施設がある
お寺によって対応は様々ですが、中には生前購入を原則とするところもあります。つまり事前に申し込んだ方しかお墓に入れない形式となり、そのようなところでは家族が遺骨を持っていても永代供養墓に埋葬できるとは限りませんので、注意が必要です。
・檀家でないとお葬式をあげてもらえない
これもお寺によって対応は異なりますが、お葬式の際にお経をあげてほしくても、檀家ではないのであげてもらえないことがあります。
以上が永代供養墓の主なデメリットです。総合すると、これらのトラブルを避けるためには“お墓について家族と事前に相談をしておくこと”、“購入を検討している永代供養墓について詳しく下調べしておくこと”の二点が重要になります。
人気の永代供養墓ですが、お墓に関わる不安を減らせるようなメリットもあれば、一歩間違えればトラブルの元となりかねないデメリットもあります。そのため、親族の方々とお墓について相談しておくことが大切になります。「どの範囲の親戚までお知らせすればいいの?」とお悩みの場合は、ご自身でわかる可能な限りの方々に声をかけたほうがよいでしょう。
樹木葬に使用される琉球ガラス製骨壺「ククルチア」とは


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樹木葬に使用される琉球ガラス製骨壺「ククルチア」とは

お墓に遺骨を埋葬する際使用される骨壺。しかし、樹木葬の場合、骨壺は必要なのでしょうか?もともと樹木葬は「自然に還る」ことを目的に広まったものであり、多くの樹木葬では遺骨は骨壺から出して専用の布袋に入れたり、そのまま埋葬されたりしています。しかしながら、最近ではさまざまなタイプの樹木葬があり、専用の骨壺に入れて埋葬し一定期間後に骨壺から遺骨を取り出して合祀する場合や、土に還りやすい骨壺を使用する場合もあるようです。
今回は、人気の樹木葬で使用されている琉球ガラス製の骨壺「ククルチア」についてご紹介いたします。
1. 琉球ガラスとは
琉球ガラスというのを聞いたことがあるでしょうか?
琉球ガラスは沖縄の伝統工芸品のひとつで、カラフルな色合いと気泡が入った独特の美しさが人気です。特に沖縄の海を思わせるブルーの琉球ガラスは、日本だけでなく海外の観光客も人気のお土産として購入されています。
琉球ガラスの歴史は明治時代に長崎や大阪からやってきた職人たちによって伝えられたと言われています。その後、在留アメリカ兵が使用していたジュースや酒の瓶の廃材を砕いて溶かし、原料にすることで、独自の風合いをもった琉球ガラスが誕生したのです。琉球ガラスの特徴であるカラフルな色は、アメリカ人が捨てたガラス瓶についたさまざまな色を効果的に使用することで生まれました。現在は、着色料としてコバルトやマンガンなどを使用し、より鮮やかで美しい色合いを作り出しています。
2. 琉球ガラス製骨壺「ククルチア」とは
人気の樹木葬がある小平メモリアルガーデンやフラワーメモリアル国立府中で使用されているのが、琉球ガラス製骨壺「ククルチア」です。
「ククルチア」の名前の由来は、琉球方言で心を表す「くくる」とラテン語で光を表す「ルチア」を合わせて「心が光り輝けるように」という想いを込めて「ククルチア」と名付けられたと言います。
直径9センチのスリムな筒形の骨壺で、琉球ガラスの鮮やかな色と美しいデザインが魅力で、職人が一つひとつ手作りで作っているため同じものは存在しません。この「ククルチア」の魅力に惹かれて樹木葬を選んだ、という人も少なくないようです。

3. コンパクトなサイズ
ククルチアはとてもスリムでコンパクトな骨壺です。一般的な骨壺は、直径が21センチであることに対し、ククルチアの直径は9センチと2分の1の大きさです。そのため、樹木葬だけでなく墓じまいや小型墓地にも利用することができます。
都内で最近主流となりつつある小型の墓地では骨壺が1つか2つしか入らないというものも多く、先祖代々のお骨をまとめて入れることが難しいです。実際に0.33㎡の小型墓地で実験をしました。従来の21センチの骨壺では2つしか入らなかったのに対し、ククルチアは15本も入れることができました。
0.33㎡のお墓で実験しました
21センチの骨壺 2個
ククルチア 15本!!
田舎の大きなお墓から都内の小型の墓地へ、今までは入りきらなかったお骨をやむなく布袋に移し替え積み上げる事も多くありました。しかし、布袋ではなくきちんとした骨壺で供養をしたい、大切なお骨をいつまでも残したいと思われる方は多くいらっしゃいます。同時にククルチアはガラス製だけど強度は大丈夫なの?と疑問に思われた方も多いはずです。しかし、ククルチアのガラスは美しい琉球ガラス、強度はお墓で使われる御影石とほぼ同じでお骨を粉骨して入れた後は蓋をしっかりと閉めますので異物が入る心配もありません。大切なご遺骨はきちんと骨壺に納めていつまでも供養を続けていきたいですよね。更に、小さなスペースでも収骨数を増やせるのがククルチアです。小型墓地でも先祖代々のお墓を建てることができます。
今やお墓も自由に選べる時代となってきました。同様に骨壺にもさまざまなタイプが生まれています。いつか入る自分のお墓を選ぶ際には、骨壺にもこだわってみるといいかもしれませんね。
都立霊園とは


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都立霊園とは

毎年1回公募される人気の都立霊園。特に人気の高い霊園では抽選倍率が何十倍になることもあるようです。今回はそんな人気の都立霊園の歴史と今について紹介していきます。
1. 都立霊園とは
都立霊園とは、東京都が設置した青山、雑司ケ谷、谷中、染井、多磨、八柱、小平、八王子の計8霊園の総称で、東京都の外郭団体である公益財団法人 東京都公園協会が管理・運営を行っています。総面積は約416万㎡で、このうち埋蔵施設の総面積は約180万㎡、使用者数約26万人、埋葬体数約121万体となっております。現在は雑司ケ谷については返還墓所等の再貸付は行っておらず、申込を行える霊園は、青山、染井、谷中、多磨、八柱、小平、八王子の7霊園となります。
2. 都立霊園の歴史
江戸時代には、遺骨は寺請制度により各寺院が付属の墓地に埋葬を行う形式が一般的でしたが、明治政府は明治7年6月、朱引(※)内での埋葬を禁ずるとともに「墓地取扱規則」を設け、青山神葬祭地ほか9か所を市民のための公共墓地として指定しました。これを受けて東京府は、東京会議所(現在の東京商工会議所の前身)に命じて、指定9か所のうち、青山、同立山、雑司ケ谷、染井、亀戸、谷中など8か所を造成、明治7年9月1日開設し、これに関するすべての事務を会議所に委任しました。
その後明治9年(1876年)に、墓地の造成、管理事務は会議所から東京府に引き継がれ、墓地の管理は、墓地の所在する区で扱うこととなりました。
(※)朱引:江戸幕府が江戸の範囲を示すため使った用語。地図上に朱線で囲った地域と示されたことに由来する。
明治22年(1889年)には、市町村制の施行に伴い東京市に移管され、同年5月に青山(立山を含む)、雑司ケ谷、染井、谷中、亀戸、澁谷の6墓地が市区改正設計(都市計画の前身)における公共墓地に指定されました。その後、明治から大正にかけての東京市街の急激な発展に伴い、既存の4墓地はほぼ全て使用許可済になり、また深川、亀戸、羽根沢(澁谷)、橋場の4墓地が前後して整理廃止されたため、新しい墓地を造成する必要に迫られることとなりました。これを受けて郊外三方面に墓地新設の構想が計画され、その第1号として大正12年(1923年)4月多磨墓地が開設されました。この多磨墓地は我が国古来の習俗を基本としながら、ドイツの森林墓地を参考にした、我が国初めての公園墓地です。
続いて昭和10年(1935年)7月に八柱霊園が千葉県松戸市に開設されました。(これを機に墓地の名称を霊園に改めました。)
昭和18年(1943年)7月都政施行により市営霊園は東京都に引き継がれ、全都民の需要をまかなうことになりました。その後昭和23年(1948年)5月には小平霊園が、昭和46年(1971年)4月には八王子霊園(全域芝生墓地)が建設され、都立霊園は計8ヶ所となり現在に至っています。
3. 現在の都立霊園
都内を中心に8箇所設置されている都立霊園。いずれの霊園も都内からのアクセスも良好で、毎年、ほぼ全ての区画が抽選となる人気の霊園です。以前は一般的なお墓の貸付がほとんどでしたが、現在では、多様化するニーズに応えるため、合葬墓地や樹木葬などの様々な墓地の貸付が行われています。
近年では、一つのお墓に多くの遺骨を一緒に埋蔵するという新しい形態の墓地である合葬式墓地(合葬埋蔵施設)を小平霊園及び多磨霊園に設置・供給し、現在小平の2基目を供給しています。2012年に誕生した都立霊園初となる樹林・樹木墓地が小平にはあります。費用は樹林型合葬埋蔵施設で1体あたり13万4,000円、樹木型合葬埋蔵施設で1体19万4,000円となります。特に樹林型の生前申込は約30倍の応募倍率となり毎年人気の施設となります。
もし都立霊園に興味を持たれた方は、東京都がホームページを開設していますので一度のぞいてみてはいかがでしょうか?
詳しくは、TOKYO霊園さんぽ
樹木葬のお墓参り


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樹木葬のお墓参り

皆さんもこれまで何度かご家族や親族のお墓参りに行かれたことがあると思いますが、一般的なお墓と樹木葬のお墓のお墓参りはどのように違うのでしょうか?また注意することはあるのでしょうか?今回は樹木葬のお墓参りについてご紹介いたします。
1. お墓参りとは
お墓参りの目的は、故人が成仏でき、あの世でも安心して暮らしていけるように故人の冥福祈ることです。また、ご先祖様に近況をご報告することもあります。そのために、お墓をきれいに掃除し、浄水や供え物をし、お墓に手を合わせて祈るのです。
しかしお墓参りの目的はそればかりではありません。自分が今生きているのは、ご先祖様から引き継がれてきた命があったからこそです。その意味ではお墓参りはご先祖様を供養するだけでなく、自分と向き合ういい機会にもなるのです。
お墓参りをするタイミングは年に何度かあります。
ひとつは「命日」です。命日は故人が亡くなった日のことで、亡くなった月と日付が同じ「祥月命日(しょうつきめいにち)」と、毎月くる亡くなった日付の「月命日(つきめいにち)」があります。
他には地域によって7月中旬と8月中旬に時期は分かれますが「お盆」です。お盆には故人が年に1度帰ってくるとされています。お盆になる前にはお墓参りをしてお墓の掃除をしておきましょう。
他には、春と秋の2回ある「お彼岸」です。お彼岸は「彼岸会(ひがんえ)」といい、故人の霊魂が無事に彼岸に行き安楽に過ごせるようにするための行事です。秋のお彼岸は秋分の日の前後7日間で、春のお彼岸は春分の日を中心に前3日、後3日となります。
2. 里山型樹木葬のお墓参り
樹木葬は大きく分けて、里山型と公園型の2種類があります。
里山型樹木葬は市街地から離れた山や森などの里山の中に、墓地として定められた区画に樹木を植えて遺骨を埋葬する方法です。
里山型の樹木葬でお墓参りをする場合は、事前に管理者にお墓参りの日時を連絡し、確認を取るようにしましょう。里山はとても広く整備も必要なため、それぞれが自由に行ってしまうと対応ができなくなります。また送迎などの必要も出てくるためです。
お墓参りの当日は、天候や時間にも配慮が必要です。山道を上っていくことが多いため、天候が悪いと道が滑りやすくなったりして危険です。その上暗くなると山道は危険なので、時間もできれば午前中から遅くとも15時くらいまでにはすませるようにします。服装は歩きやすく汚れてもいいものにし、靴はスニーカーや登山靴が望ましいでしょう。山道を歩きますから水分補給はしっかりして、疲れたら休憩を取るようにします。
里山型の樹木葬の場合、一般的なお墓参りですることができないことが多いので要注意です。一般的なお墓参りだとお線香やろうそくなどを使用しますが、里山では火気は厳禁です。ライターやマッチなどを使ってしまうと山火事の危険があるからです。また、お花をお供えする場合も、花瓶などは使用できません。持ってきたお花は直接土の上に置くことになります。
3. 公園型樹木葬のお墓参り
公園型の樹木葬は、霊園や寺院の中に樹木や草花が植えられた区画に遺骨を埋葬する形です。比較的都心にあってアクセスもしやすいので便利です。
霊園などによっても異なりますが、基本的に霊園の開いている時間なら自由にお墓参りができます。
一般的なお墓のように焼香台や献花台が設けられているところもあり、お線香などの火を使えるところも多いようです。ただお供え物は置けないこともありますので、事前に確認しておくといいでしょう。
合祀の場合、シンボルツリーに手を合わせて供養します。個別にプレートなどが取り付けられていれば、プレートに向かって手を合わせることができます。
寺院や霊園によっては、年に一度合同供養が行われ、お経を読んでくれるところもありますので、参加されるといいでしょう。
樹木葬は墓地や霊園によってルールやマナーは様々ですので、お墓を購入する場合は事前に見学して、お墓参りの仕方についても確認しておくようにしましょう。
お墓参りは決まったときにしか行けないものではありません。故人と向き合って話をしたいとき、故人に会いたいと思ったときなど、何度でも行って手を合わせることをおすすめします。
お盆の由来と新盆でやること


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お盆の由来と新盆でやること

地域によって時期は異なりますが、多くは8月15日を中心に13日~16日の間に行われるお盆。皆さんの中でも毎年この時期になると帰省をして、故人やご先祖様のお墓にお参りをされている方が多いのではないでしょうか。今回は、お盆の中でも故人の四十九日を過ぎて初めて迎える「新盆(にいぼん)」について紹介したいと思います。
1. お盆の由来
お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)または盂蘭盆(うらぼん)といいます。盂蘭盆とは、古代インド語の一つであるサンスクリット語で「逆さ吊りの苦しみ」を意味する「ウラバンナ」からきていると言われています。盂蘭盆会の意味は、浄土宗の盂蘭盆経にそのエピソードが書かれています。
お釈迦様の弟子の目連が、ある日亡くなった母親が餓鬼の世界に落ちて苦しみあえいでいる姿を見ました。そこでお釈迦様に相談すると、「90日間の雨季の修行を終えた僧たちが7月15日に集まって反省会を行うから、その人たちにごちそうをして、心から供養しなさい」とおっしゃったのです。目連がその通りに供養すると、母親は餓鬼の苦しみから逃れることができ、それ以来7月15日は先祖供養の大切な日になったと言われています。
2. 新盆とは
新盆とは、人が亡くなってから四十九日を過ぎた後、初めて迎えるお盆のことです。地域によっては初盆(はつぼん)と呼ばれており、主に西日本では初盆が一般的なようです。
現在お盆の期間は8月15日を中心に13日~16日の間に行われていますが、元々は7月15日を中心に行われていました。明治時代に行われた改暦によって1カ月遅れとなりましたが、地域によっては今も7月に行われています。
お盆は、浄土から戻ってくるご先祖さまや亡くなった家族の霊をお迎えして供養する行事です。新盆は、故人の霊が初めて家に戻ってこられるので、親族や友人などを招いて住職に読経を上げてもらうなどして、普段のお盆よりも盛大に供養を行います。
お布施の額はお寺によっても差がありますが、新盆の場合は10,000円から30,000円が相場のようです。またお布施の他に「御車代」として5,000円~10,000円程度を包むこともあります。地域によっても異なりますので、詳しくは親族に聞いてみるといいでしょう。
3. 新盆の準備
お盆の前日までには、家に帰ってくる故人のためにお墓や仏壇のお掃除を済ませておきます。
新盆の時に準備するものとしては、精霊棚と精霊馬、提灯です。
精霊棚にはござや真菰(まこも)を敷き、中央に位牌を安置します。そこに精進料理やそうめん、季節の果物などを供えます。
精霊馬は地域によって内容は異なりますが、ナスとキュウリにつまようじや割り箸を刺して飾る地域が多いようです。キュウリは足の速い馬と見立てられ、「ご先祖様が早く帰ってきますように」という意味が込められています。一方ナスは足の遅い牛に見立てられ、「ご先祖様に少しでも長くいてもらいゆっくり帰ってほしい」という意味を込めて、精霊棚に飾ります。
他には帰ってくるご先祖様が家を間違わないように、軒先や仏壇の前に提灯を飾ります。通常のお盆の際は絵柄のついた提灯を飾りますが、新盆の場合は、清淨無垢の白で御霊を迎える意味から白木で作られた提灯を飾ります。この白提灯は、故人の親族が一つ用意して家名や家紋を入れて飾るのが一般的です。
4. 新盆の当日(13日~16日)
お盆の初日には、返ってくるご先祖様が道を迷わずにたどり着けるようにという意味から迎え火を焚きます。この迎え火の時には、精霊棚の中央に位牌を置き、日が暮れてきたら盆提灯に火をともしてご先祖様をお迎えします。
14日から16日の間には、通常のお盆より手厚く新盆の供養を行います。親族や友人などを招き、住職に読経を上げてもらったら、近くにお墓がある場合は揃って墓参りをし、自宅や会場で会食を行うのが一般的です。
お盆の最終日の夕方には、ご先祖様が無事帰れることをお祈りして送り火を焚きます。地域によっては精霊流しを行ったりすることもあるようです。
お飾りを片付けるのは送り火の後になります。お飾りを送り火と一緒に焚いたり、菩提寺にもっていきお焚き上げをしてもらうこともあるようです。
このように新盆にはさまざまな準備や当日やることがあります。内容は地域によって細かく変わってくると思いますが、大切な故人の初めてのお盆となりますので、親族などに話を聞き、しっかり供養してあげてください。
お花いっぱいの墓地「ガーデニング墓地」「花壇墓地」「テラス墓地」とは ?樹木葬との違いも解説


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お花いっぱいの墓地「ガーデニング墓地」「花壇墓地」「テラス墓地」とは ?樹木葬との違いも解説

近年、自然を身近に感じられるお墓が人気を集めており、「樹木葬」や「ガーデニング墓地(霊園)」が注目されています。これらふたつは混同されやすいですが、明確な違いが存在します。この記事では、樹木葬とガーデニング墓地の違いに加え、ガーデニング墓地のメリット・デメリットを解説。また、「花壇墓地」や「テラス墓地」の特色も紹介します。
目次
ガーデニング墓地(霊園)とは
ガーデニング墓地(霊園)とは、庭園のように花や草木がお墓の周囲に植栽されている墓地です。個々のお墓の周囲だけでなく、霊園全体も季節ごとの花や緑で彩られ、公園のような雰囲気があるため「公園墓地」とも呼ばれます。
共有スペースに遊歩道や噴水などが設置されている霊園もあり、自然に囲まれた明るい空間でお参りできるのが特徴です。多くの霊園では、造園家やフラワーコーディネーターなどの園芸専門家が管理運営に関わっています。これにより、霊園の建設時だけでなく年間通して美しい植栽が維持されます。
また、個々のスペースに特定の植物を植えたり、ベンチや小道を設置したりと、利用者が個人的な空間を作り出せるカスタマイズ可能な霊園もあります。墓地や霊園の名称に「メモリアルパーク」や「メモリアルガーデン」といった言葉が多用され、都市部に位置することが多く訪れやすいのも特徴です。
樹木葬とガーデニング墓地との違い
樹木葬とガーデニング墓地は、どちらも自然に囲まれた環境にある点で共通していますが、墓標や埋葬の方法には明確な違いがあります。
樹木葬では樹木そのものが墓標として機能し、墓石は設置されないのが一般的。そのため、ガーデニング霊園よりも費用を抑えられます。樹木葬の埋葬方法には合祀タイプ、集合タイプ、個別タイプがありますが、いずれも最終的には合祀される点が特徴です。
一方、ガーデニング墓地は従来のお墓のように墓石を設置します。個人や家族単位などで埋葬され、承継が必要な従来の一般墓と変わりません。霊園によっては、お墓の承継は必要なく、いずれ合祀される永代供養タイプのものもあります。
このように、ガーデニング墓地は自然の美しさを取り入れつつも、従来のお墓の形式を踏襲している点が樹木葬と異なります。
ガーデニング墓地のメリット・デメリット
ここでは、ガーデニング墓地のメリット・デメリットを紹介します。
ガーデニング墓地のメリット
メリットの一つは、霊園全体が植栽で彩られているため、明るいイメージがあることです。一般的に墓地や霊園は「暗い」「怖い」といったイメージを持たれがちですが、ガーデニング墓地は公園のように明るく、多くが都心に位置するため気軽にお墓参りができます。都心から離れた場所にある場合でも、送迎バスがあったり、広い駐車場が整備されていたりとアクセス良好です。
また、階段や段差がないバリアフリー設計の霊園が多く、高齢者や車椅子ユーザーも容易にお参りできます。管理が行き届いている霊園では、どの季節に訪れても美しい植栽を楽しめるのが魅力です。
さらに、宗教や宗派に囚われない自由度の高さもメリットの一つです。多様な宗教や宗派の人々が利用でき、異なる背景を持つ人々も同じ場所で眠ることが可能です。
ガーデニング墓地のデメリット
取得費用や管理費用が比較的高額であることがデメリットといえます。これは、霊園全体の植栽に維持管理費用が必要なためです。霊園スタッフが各お墓の植栽管理も担当する場合、年間管理費用がさらに加算されることがあります。
一方、お墓の利用者が植栽管理を行う霊園の場合、定期的な水やり、剪定、植え替えなどが必要となり、それには時間や労力がかかるでしょう。
霊園にガーデニングの専門知識を持つ人がいない場合、植物の選択ミスや不適切なケアが発生することも考えられます。その結果、霊園全体の美観が損なわれ、霊園の価値が下がる可能性があります。
花壇墓地とは
花壇墓地(フラワー墓地)とは、個人のお墓の周りにフラワーポットが設けられている墓地のことです。先述のように、ガーデニング墓地では一つひとつのお墓と墓地全体が花や草木に囲まれ、公園のように一体化していますが、花壇墓地では霊園全体が公園のように一体化されているわけではありません。ガーデニング墓地と花壇墓地は同じ意味で用いられることもありますが、その趣は若干異なります。
墓地や霊園によっては、共有部分に植栽を施してガーデニング墓地のような雰囲気を持たせているところもあります。また、一つの霊園内にガーデニング墓地の区画と花壇墓地の区画を設けているところもあります。
花壇墓地は、お墓の周りのフラワーポットに季節の花や故人の好きだった花を思い思いに植えられる自由度の高さが特徴です。また、フラワーポットに大きめの砂利を敷いて物置台として利用することもできます。ただし、フラワーポットに植える花や植物には一定のルールが設けられていることもあります。花の手入れを各自で行うのか、霊園側が行うのかなど、霊園ごとのルールを確認しておくと安心です。
一般的に、花壇墓地も従来のお墓と同様に墓石を建て、その下の納骨室に遺骨を埋葬します。
テラス墓地とは
テラス墓地とは、腰よりも少し低い位置までを基礎部分とし、その上に墓石を建てる近年人気の墓地です。地面から高い位置にお墓が設置されているため、腰をかがめることなくお参りができ、車いすユーザーも車いすに乗ったままお参りが可能です。
基礎部分がレンガで作られ、温かみのある雰囲気のタイプや、お墓の周囲に花壇を設けた明るい雰囲気のタイプ、オーソドックスなデザインで品格を大切にしたタイプなど、墓地や霊園によって様々な特色があります。
一般的に、テラス墓地も従来のお墓と同様、墓石の下の納骨室に遺骨を埋葬します。
自分らしいお墓を選ぶため現地見学をしましょう
「樹木葬」は樹木そのものが墓標として機能するため、従来のお墓とは異なり一般的な墓石を設置しない特徴があります。一方、「ガーデニング墓地」「花壇墓地」「テラス墓地」では、一般墓の形式を踏襲して墓石を設置します。霊園全体、またはお墓の周囲を花々で飾っているのが特徴です。
「花」という共通点はあるものの、墓地や霊園によって内容や特色は異なります。現地を見学し、費用面や管理方法などを詳しく確認してください。ご自身のイメージにあった霊園を選びましょう。
仏壇にお花を供えるルールとお花を長持ちさせるコツ


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仏壇にお花を供えるルールとお花を長持ちさせるコツ
普段何気なく仏壇に供えているお花にも、実はいろいろなルールがあるのです。今回は仏壇に供えるお花についてのルールやマナーと、お花を長持ちさせるコツについて紹介いたします。
1. 仏壇にお花を供えるルール
仏壇に供えるお花のことを「仏花」といいます。仏花は仏様やご先祖様への尊敬の念を表すためにお供えするのと同時に、お供えした人の心を穏やかにもしてくれます。
お花をお供えする際は「花立(はなたて)」と呼ばれる仏具を使います。花立は左右に対で飾るのが一般的ですが、場所がない場合は一つだけ飾ることもあります。
お花を飾る際、向きは供養する自分たちに向けて飾ります。この飾り方は「向下相(こうげそう)」といい、供養する者の心を静めることを意味します。
飾るお花の数は、3,5,7本の奇数とされています。左右二つに飾る場合は二束用意しておきましょう。また花の色は、白、赤、黄、紫、ピンクなどを基本として組み合わせます。
2. おすすめの花の種類と避けるべき花の種類
仏壇に供えるお花を選ぶ際は、長持ちする種類のお花を選ぶことです。
最もポピュラーなのは「菊」です。他にはカーネーションなども通年で飾ることができます。春におすすめなのが、キンセンカやアイリス。夏はりんどうやケイトウ、グラジオラスも人気です。秋になったらほおずきなどもよく見かけますね。もちろん、これらにこだわらず故人が好きだったお花も飾ってあげるのもいいでしょう。
一方、飾るのにふさわしくないお花は、傷みやすかったり散るのが早いお花、毒やとげ、においの強いお花などです。例としては、バラ、アザミ、スイセン、ヒガンバナ、ユリ、シャクナゲ、キョウチクトウなどがあります。
3. お花をきれいに長持ちさせる三つのコツ
お花を長持ちさせるには、花を傷める原因であるバクテリアを増殖させないことが大切です。茎の切り口はバクテリアが増殖しやすく、切り口をバクテリアが覆うと水を吸い上げられなくなり、早く枯れてしまいます。そのため、切り口はできるだけ清潔に保つようにしましょう。また、水につかる部分には葉を残さないように切っておきます。葉が水に浸かっていると葉が腐りやすくなってしまうからです。
では具体的に長持ちさせるコツを説明していきます。
用意するもの
・お好きなお花
・よく切れるハサミやカッターナイフ
・バケツ
コツその一:切り花をする前に休ませる
① 活ける前に新聞紙でお花が隠れるくらいにすっぽり包みます(写真1)
② そのまま1時間ほど根元を水につけます(写真2)
③ お花がピンとして元気になります、お花を切る前にお試しください。
写真1
写真2
コツその二:水の中で茎を斜めに切る
① バケツに水を溜めます
② 茎の先から4センチほどの茎の先をよく切れるハサミやカッターで斜めにスパッと切ります。水の中で切ることで切り口が空気に触れず、長持ち効果がアップします(写真3)
③ 先端を整えるのはお花が水を吸い上げやすくするためです。毎日切るとより効果的です(写真4)
写真3
写真4
コツその三:水を清潔に保つ
花束を長持ちさせるためには花瓶の中の水を清潔に保つ必要があります。水を毎日交換し、清潔な状態を保てば花束を長持ちさせることができます。
今回ご紹介した仏壇にお花を供えるルールやマナーは一般的なものです。地域によって異なる場合はありますので、周囲の人に聞いてみるといいでしょう。
また、ちょっとしたコツでお花を長くきれいに保つことができるので、ぜひ試してみてくださいね。
墓石によく使われる御影石とは?よい墓石の選び方


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墓石によく使われる御影石とは?よい墓石の選び方

霊園にあるお墓を見ると、色も模様も様々であることに気付くことでしょう。現在日本で使われている墓石のほとんどは「御影石」という種類です。御影石という名前は聞いたことがあると思いますが、実は御影石の種類は約300種類もあるってご存じでしたでしょうか?
今回は、この御影石について紹介いたします。
1. 御影石とは
岩石はできあがりまでの過程によって大きく3つに分けられます。
1つめは火成岩です。火成岩は、マグマが冷え固まってできた岩石で、御影石も火成岩の一種です。
2つ目は堆積岩です。堆積岩は、水中で砂や泥などが堆積したものが固まって岩石になったもので、石灰岩などがあります。
3つ目は変成岩で、もともと堆積岩や火成岩であったものが、熱や圧力が加わったことにより変質し結晶化されたものです。有名な大理石は変成岩です。
御影石が墓石によく使われるのは、マグマがゆっくり固まってできた火成岩であるため、硬質で耐久性が高いという特徴からです。その上、吸収率が低いので雨にも強く、屋外での使用に適しているのです。
御影石は産地によって様々な種類があります。日本ばかりでなく海外でも広く産出され、主な産出国は中国、インド、アフリカ、スウェーデンなどです。
岩石に含まれる成分の違いや割合などによって、同じ産地であっても色や模様が異なることもあり、その種類の豊富さも魅力の一つです。
2. 国産の御影石
日本には火山が多く地形も複雑なことから、様々な種類の御影石がありますが、その中の主な御影石の種類を紹介します。
庵治石(あじいし)
瀬戸内海沿岸は良質な石材の産出地として知られていますが、中でも香川県高松市で産出されるのが庵治石です。庵治石は最高級石材で、高度は御影石の中でも高く、一度加工すると変色や劣化が少なく、磨けば磨くほどその美しさが増していくのが特徴です。
青みを帯びた石目に黒雲母がまだらに入り、表面に斑(ふ)と呼ばれる文様が浮かび上がります。
大島石(おおしまいし)
大島石は古くから西日本の人たちに愛されてきた石材で、愛知県今治市の大島で産出されます。バランスよく青みがかかった目合いで、青磁のような上品な美しさが特徴です。吸収率が低く硬度があるため、美しさが長持ちし、今では関東地方でも広く人気のある石材です。
万成石(まんなりいし)
万成石は比較的種類が少なく、生産地は瀬戸内エリアに集中しています。
淡紅色の中粒を含み、桜御影(さくらみかげ)とも呼ばれる桜色の石材です。控えめな美しさが特徴で、記念碑や石碑などにも利用されています。和型墓石だけでなく洋型墓石、デザイン墓石などにも使われています。
3. よい墓石をえらぶためには
とても種類の多い御影石ですが、ではどのような墓石を選べばいいのでしょうか?
近年、霊園に行くとさまざまな色合いやデザインの墓石を目にします。お墓は先祖代々受け継いでいくものですから、よい墓石をえらびたいものです。そこで、以下の点に注意しながら、霊園の環境や故人の好みの石材を選んでください。
吸収率
墓石は屋外に置かれるものなので当然雨風にさらされます。いい墓石は吸収率の低いものと言われておりますが、吸収率が低いということはその石の密度が高いことを意味します。密度が高いと彫った文字の加工が美しく長持ちし、重厚感を感じさせてくれます。
産地
石は産地によって様々な特徴があります。そのため、お墓を建てる地域の環境にあったものを選ぶといいでしょう。
最近は外国産のものもたくさん出回っていますので、特に国産のものにこだわる必要はありません。国産は産出量も限られおり価格が高い傾向にありますので、予算と合わせて選ぶといいでしょう。
石の色や柄
墓石の色というとこれまでは黒や灰色などが一般的でした。しかし最近ではピンクや赤、明るい茶色、ブルー、緑などさまざまな色彩の墓石を目にするようになってきました。
また、色ばかりでなく光の具合や角度によって表情が変わる石、光る結晶のようなものが入っている石なども使用されるようになっています。
そのため、故人の好きだった色やイメージに合わせて墓石を選ぶのもいいでしょう。
石は自然の産物であり、一つとして全く同じものは存在しません。そのため、墓石を選ぶときはよく石材店と相談し、現物を見ながら、墓石を建てる場所の環境や故人の希望、予算に合わせて選ぶことをおすすめします。
樹木葬によく使われる樹木や花


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樹木葬によく使われる樹木や花

近年注目を集めている樹木葬ですが、そこに植えられている樹木や花々は霊園によってさまざまです。今回は、樹木葬でよく使われている樹木や花々について紹介します。
目次
1. 樹木
樹木葬でシンボルツリーとしてよく使われるのは、低木でお花が咲くタイプのものが多いようです。
サクラ(桜)
やはり何と言っても一番人気は、日本人が最も愛する桜の木です。桜は日本を象徴する花として男女を問わず人気があり、毎年春になると日本全国で開花のニュースで持ちきりになるほどです。
桜には多くの種類があり、花の色も種類によって白から薄いピンク、濃い赤までさまざまです。一般的には春に咲くものが多いですが、1年に2回、春と秋に花を咲かせるものもあります。
花言葉:精神の美、心の美しさ、淡泊、純潔
ハナミズキ(花水木)
ハナミズキは桜が開花し終わった4月終わりごろから5月に花を咲かせる北米原産でアメリカを代表する花のひとつです。全国各地に分布し、樹木葬ばかりでなく街路樹やおうちのシンボルツリーとして植えられています。花びらは白やピンク、薄紅色などがあります。
花言葉:華やかな恋、私の想いを受けてください
クスノキ(楠)
神社や公園のシンボルツリーとして、また街路樹にもよく使われているクスノキ。独特の匂いがあり、防虫剤として利用されています。寿命が長く、神社では「ご神木」として信仰の対象になることもあります。20mを超える巨木となることも多く、樹木葬のシンボルツリーとしても人気です。
2. 花
霊園によっては四季に合わせてさまざまな花を植え替えて、訪れる人たちの心を癒しています。
サルビア
ハーブや観賞用として幅広く愛用されているのがサルビアです。熱帯から亜熱帯に分布し、暑さに強い性質や開花時期が長いことから、夏から秋にかけての花壇材料によくつかわれます。燃えるような濃い赤い花をつけ、公園や街路などでもよく用いられるため、みなさんもよく目にされていると思います。
サルビアの花言葉は「家族愛」です。そのため、ご家族の想いが故人様に伝わるように、との思いで植えられることが多いようです。
花言葉:家族愛、尊敬、知恵
ジニア
ジニアは別名百日草(ヒャクニチソウ)と呼ばれる一年草です。初夏から晩秋までの間咲き、開花期間が長いことから名づけられました。ジニアの花言葉は「友への思い、別れた友を思う」です。これは開花期間が長いことにちなんだようです。亡くなって悲しむのは必ずしも家族だけではありません。家族が一番であれば次は必ず友人が悲しみます。友人が亡くなりお墓参りをする時友達同士でゆっくり話をして頂きたい、悲しむだけでは無く「自分も後から行くからそっちでゆっくり待っていて」とそんな気持ちになって頂きたい、という思いから植えられているようです。
花言葉:不在の友を思う、遠い友を思う、注意を怠るな
3. 樹木葬にむかない花
次にオススメしないお花をご紹介します。
黒百合
黒友里は名前の通り黒いユリです。花言葉は「呪い、復讐」。故人様のお墓参りに行かれた際にこのお花があったら皆さんあまりお墓参りに来たくなくなりますよね。そのため、あまり使われていないようです。
他にも彼岸花や睡蓮といった花も樹木葬では使われないことがあります。
上記の様にお花と言ってもそれぞれ花言葉がついています。皆さんもお花の花言葉について調べて頂くと自分が気に入るお花が見つかるかもしれません。また、季節によってさまざまなお花を楽しめるのも樹木葬の魅力ですから、お参りのたびにどんな花が咲いているか注意して見ると楽しいですよ。
樹木葬の合祀について


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樹木葬の合祀について

みなさんが霊園や墓地に見学に行かれた際に、埋葬について「最後は合祀します」との説明を受けることが多いのではないのでしょうか。
樹木葬や納骨堂、もちろん一般墓でも、最後に「合祀」されるというワードがよく聞かれますが、本当に合祀についてよく理解できているのでしょうか?今回は合祀について説明いたします。
1. 合祀とは
「合祀」とは、遺骨を骨壺から取り出し、他の方と一緒に埋葬することです。「合葬」という言葉もありますが、基本的な意味は同じです。合祀とはもともとは日本の古い宗教である新道(しんとう)の言葉で、ある特定の神社に複数の神様をまつることでした。
一般的には、遺骨を土の中にそのまま入れるかたちが多いですが、布袋に移し替えて入れることもよくあります。
2. 合祀のはじまり
なぜ永代供養墓や樹木葬ではよく「合祀」をするのでしょうか?
樹木葬の始まりは、いわゆる「里山型樹木葬」という、墓地の許可を受けた山林に直接遺骨を埋葬するタイプの樹木葬といわれています。
申し込みが行われる度に、新しい樹木を植えるケースと、自生している樹木の周りに遺骨を埋葬する方法があります。つまり日本で最初の樹木葬とは、木の下に埋葬され眠り、やがて自然に還る、つまり大地に還るという最も自然回帰に近いものでした。
よく「最期は土に還りたい」と言いますが、日本人は元来、「自然回帰」の願望が強い民族のようです。
神道においても、八百万の神(やおよろずのかみ)とは、「森羅万象」つまり自然そのものを神格化した存在であり、また信仰の対象です。「土に還る」とは、神々の宿る自然に抱かれ眠るという願望がかたちになったともいえるかもしれません。
3. 合祀のメリット
合祀のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
・一般のお墓より費用が安い
合祀の最大のメリットは、他のお墓よりも費用が安くなるという点です。合祀の場合、新たに墓石を用意する必要はありませんし、永代供養料や管理費がかからないところがほとんどです。そのため、安いところでは3万円~10万円程度が相場となっています。ただし、一人ひとりに費用がかかってくるため、人数が多いと費用は高くなってしまいます。
・遺骨の管理を委託できる
通常お墓は自分で清掃を行ったり、法要を行ったりしなくてはなりません。しかし合祀であれば墓地管理者に管理・供養を委託できるため手間がかかりません。
・宗旨宗派を問わない
寺院などのお墓に入る場合は、檀家に入る必要があったりしますが、ほとんどの合祀の場合、宗旨宗派を問わずどなたでも利用することが可能です。近年は特に宗教的な信仰心が薄れており、時代に合っているといえるでしょう。
4. 合祀のデメリット
・後から遺骨を取り出すことができない
合祀をする際は、遺骨を骨壺から取り出し、他の人の遺骨と一緒に土に埋められます。そのため、一度遺骨を埋葬した後は取り出すことがはできません。合祀した後に、「きちんとしたお墓を建てたい」と思っても遺骨の返却はできないので、事前によく検討しておくことが必要です。
・親族とトラブルになる
お墓の問題は自分だけのことでなく、家族や親族の気持ちも大切です。親族の中には合祀についてあまりよく思わない人がいるかもしれませんので、後からトラブルにならないように事前によく話し合っておくことが必要です。
・供養に物足りなさを感じる
合祀をするとお墓という明確なものがないため、「いきなり土に還ると、かたちがなくなってしまうようでなんだか寂しい」「お参りするときに拝む相手がないとお参りしている気がしない」、と感じる人も多いようです。霊園によっては年に数回お坊さんがお経を読んでくれる合同供養を行うところもありますが、まったく供養を行わないところもあります。事前によく調べておき、自分の気持ちが納得するかよく検討することが大切です。
経済的な理由や子供に負担をかけたくない、などの理由からニーズが高まっている合祀ですが、霊園によってその仕組みや内容はさまざまです。そのため、必ず見学に行き、いろいろと質問するようにしましょう。できれば家族と一緒に見学し、よく話し合っておくことをおすすめします。
墓じまいってどうやるの?詳しい手順と流れ


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墓じまいってどうやるの?詳しい手順と流れ

近年、少子高齢化や核家族化によってお墓の継承者がいない方が急増しています。
厚生労働省の調査によると、2018年の時点で年間115,384件ものお墓が全国で墓じまいされているというデータが発表されました。
こんなにも需要が急増している墓じまいですが、みなさんは「正しい墓じまいの手順」はご存知でしょうか?
本記事では、一般的な墓じまいの手順や流れをご紹介していきたいと思います。
目次
① 一般的な墓じまいの手順と流れ
墓じまいは一般的には以下のような7つのステップで行います。
1. 親族へ相談
2. 骨の受け入れ先決定(新しいお墓)
3. 既存墓地の管理者に墓じまいの意向を伝える
4. 改葬の諸手続き
5. 閉眼供養・抜魂法要
6. お墓の撤去
7. 受け入れ先のお墓へ納骨
以上の7ステップが一般的なお墓じまいの手順となります。
1つ1つ解説していきます。
1. 親族へ相談
こちらは意外と軽視されやすいのですが、実は一番重要なステップの1つとなります。
お墓は所有者に近い親族のみ埋葬されているとは限りません。
中には会ったこともないような遠縁の方が埋葬されているケースもあります。
ですので、連絡が取れない等の理由がない限り、「お墓に埋葬されている方の親族へ墓じまいをする旨を伝える、相談する」ことが重要となります。
このステップを飛ばしてしまうと、親族間で思わぬトラブルになるケースがありますので、事前の相談は必ずするようにしましょう。
2. 遺骨の受け入れ先決定(新しいお墓)
お墓をしまうには、新しい遺骨の受け入れ先をあらかじめ用意しておきましょう。
お墓の形態はどうするのか。費用はどうするのか。どの辺りにお墓を持ちたいのか。
等の条件を墓じまいを始める前にあらかじめ決めておくとスムーズに墓じまいを行うことが出来ます。
また、地域や自治体によって異なりますが「遺骨の受け入れ先が決まっていないと許可を下ろさない」こともあるようですので、注意が必要です。
墓じまいは墓地のある地域の市役所等から許可をもらうことで実施することが出来ます。
そのため、裏を返せば「役所から許可が出なければ墓じまいをすることは出来ない」ということになります。
3. 既存墓地の管理者に墓じまいの意向を伝える
新しいお墓の目星がついた段階で、今所有しているお墓の管理者へ墓じまいをする意向を伝えます。
墓じまいの意向を伝えると、管理者から今後の流れについての説明を受けたり、墓じまいの際に必ず必要になる「改葬許可申請書」という書類をもらったりする場合があります。
4. 改葬の諸手続き
墓じまいをするにあたって、必ず必要になる書類は前述したように「改葬許可申請書」という書類になります。現在のお墓がある地域を管轄する市区町村役所や出張所の戸籍関係の部署(戸籍課など)の窓口に備え付けられています。改葬許可申請書に必要事項を記入し、現在のお墓がある地域を管轄する市区町村役所の戸籍関係の部署(戸籍課など)の窓口に提出します。改葬許可証が発行されたら、移転先(引っ越し先)の墓地・霊園の管理者に改葬許可証を提出します。
5. 閉眼供養・抜魂法要
こちらは仏教信者の方に限られますが、閉眼供養・抜魂法要と呼ばれる宗教儀式を行います。儀式の方法としては仏教の宗派ごとに異なるようですが、墓前で読経を行うケースがほとんどのようです。
かかる費用はお気持ちですので、世帯ごとに様々ですが、お布施一回分(3~5万円程度)が平均として多いようです。
6. お墓の撤去
墓じまいにおける許可申請の完了後はいよいよ「お墓の撤去」が可能になります。
お墓の撤去を依頼する会社は民間霊園や寺院霊園では、ほとんどの場合「建墓を依頼した石材店」に依頼することが多いですが、公営霊園などでは、どこの石材店に依頼しても問題はありません。
また、お墓を撤去する際にかかる費用はもちろんですが、埋葬されているお骨を出す作業である、出骨(しゅっこつ)の費用も平均で3~5万円程度かかるケースがほとんどです。
7. 新しいお墓へ納骨
既存墓地から取り出した遺骨を、予め用意していた新しいお墓へ納骨します。
納骨する際にかかる費用は出骨(しゅっこつ)時とほぼ同額の事が多く、平均で3~5万円ほどかかります。
今回ご紹介させていただきました手順や流れは、あくまでも「一般的な手順」です。
「墓じまい」と一口にいっても、お墓がどこの地域にあるのか、どのような状況なのかによって、用意しなければならない書類や手順、費用などが異なってきます。
居住されている地域から離れた場所にお墓がある方は、2度手間3度手間にならないよう、石材店などの知識を持ったところに相談の上で墓じまいをするといいでしょう。
終活と樹木葬の生前予約


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終活と樹木葬の生前予約

楽天インサイト株式会社が2019年に実施した「終活に関する調査」によると、終活という言葉を知っている人は全体の約8割で、約4割の人が終活をしたいと思っているようです。近年、少子高齢化や核家族化、ライフスタイルの変化により、自分の「死後」の準備を自分自身で行う必要性が高まっているのです。
今回は終活をする目的と、樹木葬の生前予約について紹介していきます。
1. 終活の目的
「終活」という言葉は、2009年に「週刊朝日」によってつくられた造語で、当時は葬儀や墓など人生の終焉に向けての事前準備のことでした。現在では、自分の人生を振り返り、残りの人生を前向きに充実して「生きていく」ために行うこととされています。
終活にはいくつものメリットがあります。
自分の人生を振り返ることで、自分はどんな夢や希望を持っていたか、どんなことをあきらめて、どんなことを選択して生きてきたのかを思い出し、これからの人生でやりたいことを見つけることにもつながります。
同調査によると、終活をする理由の第一位は「家族に迷惑をかけたくないから」でした。残された家族が、死後困らないためにも、エンディングノートや遺言状に自分の意思を書いておくといいでしょう。例えば葬儀やお墓のこと、財産分与などお金にまつわることは必要不可欠です。こうしておくことで親族間のトラブルも回避できます。
また、普段は言えない家族や知人への想いを残しておくのもいいでしょう。自分のためだけでなく、残された人の生きる力にもなるはずです。
2. 樹木葬の生前予約のメリット
終活のひとつに、自分の入るお墓を決めておくことがあります。一般墓を建てるにしろ、樹木葬や納骨堂などの永代供養を選ぶにしろ、生前に決めておくことで、自分の好きな場所や気に入った霊園など自分にちょうどいいお墓を選ぶことができます。一般墓を建てるなら生前墓となりますし、樹木葬なら生前予約となります。
生前予約をしておくことは、費用面はもちろんのこと、悲しみの中でさまざまな儀式や手続きを執り行う家族にとって、負担を減らすことになります。また、生前予約で樹木葬を購入した場合、お墓は相続税の対象にならないため、節税対策にもなります。
継承者のいない場合は、自分の死後への不安を解消し安心感を得られるでしょう。
このようにメリットの多い生前予約ですが、一方で親族の中にはそれをよく思ない人がいて、後にトラブルが発生することもあります。そうしたことにならないために、生前予約をする前に、家族や親族ときちんと相談しておくことが大切です。
3. 樹木葬を決める際のポイント
近年人気の高い樹木葬ですが、その形態や費用、管理体制などさまざまです。そのため、事前に情報収集し、必ず見学に行くようにしましょう。
その際、見るべきポイントは
・家族がアクセスしやすい立地か
・費用
・管理体制は整っているか
です。
残された家族がお墓参りをする場合を考えて、アクセスしやすい場所を選ぶようにしましょう。公共の交通機関はあるのか、駐車場は近くにあるのか、参道は歩き安くなっているか、などです。
費用については、お墓の永代供養料の他に管理料がかかる場合がありますので、毎年いくらかかるか、生前予約の場合、生前にかかる費用はいくらなのかも注意しておきましょう。また支払いはいつなのか、ローンはあるかなども重要です。
寺院や霊園の管理体制については、電気や水道、トイレなどの設備は整っているのか、お花の管理はどうなっているのか、清掃は行き届いているかなど確認しておきます。
これらのような内容は、自分一人で調べるだけでなく、家族も一緒に見学し、施設の人に直接質問することをおすすめします。
自分の「死」を考えることは決して悪いことではなく、終活をすることで自分と向き合い、残された人生をよりよくすることができるのです。そのためにも、一度自分が入るお墓についてもよく考えてみるのはいかがでしょうか?
イギリスの樹木葬と東京近郊にあるバラのある樹木葬


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イギリスの樹木葬と東京近郊にあるバラのある樹木葬
樹木葬の人気の高まりとともに、近年さまざまな形の樹木葬が増えています。その中でもガーデニング型樹木葬は西洋の美しい庭園をイメージして作られており、四季折々の花があふれ、訪れる人に癒しを与えてくれます。今回はこうしたガーデニング型樹木葬で有名なイギリスの樹木葬と、東京近郊にあるバラのある樹木葬を紹介いたします。
1. イギリスの樹木葬
樹木葬先進国のイギリスでは、樹木葬は「緑の埋葬(green burinal)と呼ばれ、1993年にカーライル森林墓地に作られたのが最初であるとされています。
ガーデニングの本場としても知られているイギリスでは、墓地にはバラなどの草花を多く植えて美しい景観を保っています。ここではバラの苗を墓標にすることがとても人気で、夫婦で赤と白のバラの苗を墓石代わりにするそうです。フラワーガーデンのようにお花がたくさん咲き誇り、天使たちの石像が故人の魂を見守ってくれるのです。
2. 樹木葬とバラ
バラはとても華やかで、咲いていると目を引く美しさがあります。その実、育てる為にはこまめな手入れが必要な繊細なお花です。日本で初めて作られたバラの樹木葬に使用されたバラは「ダイアナ」という品種で、正式名称は「エレガント・レディ(ダイアナ プリンセス オブ ウェールズ)」と言います。世界中から愛されたイギリス元皇太子妃ダイアナを悼んで作られました。ダイアナは花の中心部がクリーム色で、外側に向かって鮮やかなピンク色が広がる気品のあるバラです。
バラの好きな人はもちろん、美しい色とりどりのバラが咲き誇る霊園は訪れる人の心を癒してくれることでしょう。
3. 東京近郊のバラのある樹木葬
東京近郊で園内にバラがあり、樹木葬のある霊園を紹介します。
1つ目は、千葉中央霊園です。
千葉中央霊園は、緑豊かな森の中にある落ち着いた霊園です。園内で人と電話をした時に、「後ろで鶯の鳴き声のテープでも流してるの?」と聞かれたこともあるぐらい環境の良い霊園です。
鶯の他にも、園内に入ると入口両サイドにバラの花が咲いています。種類により、春に咲くものと秋に咲くものがありますので年2回バラを見ることが出来ます。とても手入れが大変な繊細なお花ですが、この霊園ではお花の管理を専門に行う方がおり、いつも手入れが行き届いています。

園内奥には東屋があり、お天気のいい時にはピクニックのようにお弁当を持って来て食べる方もいて、とてものんびりとした空気が流れています。

2つ目は、フラワーメモリアル国立府中です。園内は、様々なお花や樹木に彩られています。




3つ目は、小平メモリアルガーデンです。園内を囲うように咲くバラの他に、園内の正面入り口と裏手入口から入られるとバラのアーチが出迎えてくれます。

霊園を囲うように咲くバラ
とても綺麗な明るい霊園です。
バラの開花時期に、一眼レフを持った方がいらっしゃったことがあり、「ここは何の場所?バラ園かと思った。」と言われた経験があります。
また、ガーデナーさんによると、春のバラはたくさん咲くが比較的淡い色の花が咲き、秋のバラは1つ1つが色の濃い花が咲くとのことです。
5月~6月が見ごろの時期なので、霊園見学も兼ねて園内のバラを楽しんではいかがでしょうか?
樹木葬の費用


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樹木葬の費用

一般的なお墓の相場は年々減少傾向にありますが、それでも160万円~180万円程度となっています。一方で樹木葬は、一般墓に比べ価格が安いことも人気の理由となっています。
しかし樹木葬と一口に言っても様々な形態のものがあり、それぞれ価格帯も異なります。また場所によっても相場は異なりますが、今回は一都三県を目安に、樹木葬のタイプ別価格帯について紹介していきます。
1. 樹木葬のタイプと費用の相場
樹木葬のタイプは大きく分けて2つあります。一つが里山にシンボルツリーを植えてその周りに遺骨を埋葬する「里山タイプ」。もう一つが、霊園や墓地などの決められた区画に遺骨を埋葬する「公園タイプ」です。それぞれ、遺骨を骨壺に入れて個別を埋葬するか、他の人の骨と一緒に合祀するかで分かれます。
基本的に合祀タイプのものは価格が安く10万円~30万円程度が多いようです。合祀では、遺骨を骨壺から出し、他の人の遺骨と一緒に埋葬するため、場所も管理費もかからず安くなります。しかしながら、後から特定の遺骨を取り出すことはできませんので注意しましょう。
一方、個別に埋葬するタイプは30万円~70万円程度が相場となっています。遺骨を個別の骨壺に入れてカロートに埋葬します。名前の入ったプレートなどをつけてくれるものもあります。
最近では、ペットと一緒に入れる樹木葬も増えてきましたが、費用の相場は大体上記のものと同じようです。
2. 費用の内訳
樹木葬の費用に含まれるのは、永代供養料、備品、プレート、花、墓石、埋葬費です。
永代供養料とは、遺族に代わって霊園が維持・管理してくれる費用のことです。霊園によって異なりますが、多くは数年経つと他の遺骨と一緒に合祀されます。
他には、お墓の維持にかかる管理料がかかります。5,000円~10,000円程度が相場です。
3. 費用はいつ払う?
霊園によって異なりますが、一般的には樹木葬を契約したときに一括で支払います。毎年かかる管理料についても一括で払うことが可能です。
墓地が提携しているローン会社があれば、分割の支払いも可能です。しかし生前予約の場合であっても事前に支払わなくてはなりません。
4. 樹木葬の購入には相続税がかからない
樹木葬も他の一般墓と同様に、相続税の対象にはなりません。相続税の対象となるものはお金に換算できるすべてのものになりますが、お墓や仏壇などはお金に換算できないため相続税がかからないのです。そのため、樹木葬を生前に購入しておくことは相続税対策にもなるのです。
今回紹介した費用の相場はあくまで一般的なものですので、気になる霊園があったら必ず見学し、費用の内訳など詳しく話を聞くことをおすすめします。もし見学に行けない場合は詳しい資料を取り寄せ、ご家族でよく話し合うといいでしょう。
お墓と埋葬文化の歴史


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お墓と埋葬文化の歴史

皆様は、お墓というものがどの時代から建てられるようになったのか、そして亡くなった方の埋葬はいつから始まったのか、ご存知でしょうか。
お墓の形も埋葬の方法も、現代では様々なスタイルがありますが、亡くなった方のご供養をするという想いからお墓を建てたり埋葬をしたりすることは、どの時代でも変わらないことでしょう。
今回の記事では、お墓と埋葬文化の歴史についてご紹介いたします。
1. お墓とは
皆様がご存知の通り、お墓といえば、石塔や墓標を建て、故人を納めて供養するためのものです。お盆やお彼岸、命日など定期的にお墓参りに行くことで、故人の存在を忘れないようにする、もしくはご先祖様に感謝の気持ちを伝える大切な場としてもお墓はその役割を果たしています。
また、国王や皇帝など権力者が建てるお墓は、その偉業を後世に伝えるモニュメントとしての側面も持ち合わせています。有名なお墓として、日本の大仙古墳やエジプトのピラミッド、インドの霊廟タージ・マハルといったものがあげられます。
では、お墓を建てる文化が世界各国で共通しているかというと、実はそうではありません。
仏教の母国・インドでは、火葬したご遺骨を川や海に流すほか、遺体を火葬せずにそのままガンジス川に流す「水葬」が行われており、お墓は持ちません。
チベット高地では遺体を鳥に食べさせ天に還す「鳥葬」が、現地で暮らす人々の間では一般的な葬儀となっています。
また、日本国内でも、遺体を里山や河川に還す「自然葬」は古来より行われていました。庶民も現在のようなお墓を建てられるようになったのは、檀家制度(寺請制度)の始まった江戸時代中期頃といわれています。読者の皆様はすでにお気づきのこととは思いますが、最近“新しい供養のスタイル”としてテレビや広告でよく目にする「樹木葬」は、お墓の歴史に照らして考えると原点回帰であるといえるでしょう
2. 埋葬の起源
では、亡くなった方を埋葬するという文化はいつどこで発生したのでしょうか?これについては、化石やその痕跡の保存状態が良くないことから、現在まで正確にはわかっていません。ですが故人を供養するという行為には、故人の霊魂や死後の世界といったことを想像するような、高度な思考力を必要とします。このような思考力は、人類がその進化の過程で何千年も費やして手に入れたものです。そのため、猿人や原人のような進化の古い段階にあった人類は、現代の人々と同じように埋葬をしていたとは考えづらいとされています。
現在確認できる最も古い埋葬の跡は、ネアンデルタール人のものがよく知られています。洞窟内から何体もの埋葬された人骨が発見されたことをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。生前に使用していたと思われる石器が副葬品として納められていたことから、故人を弔う目的で埋葬をしていたのではないかと考えられています。
なお、日本で確認できる最古の埋葬は縄文時代で、穴の中に故人の身体を折り曲げていたようです。これもやはり土器が副葬されており、同様に故人を弔うためのものであると考えられますが、この時代では石碑や墓標を建てる「お墓」の形式にはまだなっていません。次の項目では、日本のお墓の歴史をご紹介いたします。
3. 日本国内のお墓の歴史
3世紀から4世紀半ばまで続く古墳時代には、その名の通り「古墳」という形式の非常に大規模なお墓が登場します。ですが先述の通り、こういった古墳は王家や豪族のみが埋葬されており、いわば権力の象徴としてのお墓でした。一方、庶民のお墓の形式は縄文時代とほとんど変わらなかったようです。この古墳の建造ブームは、「大化の改新」の一環である“薄葬令”によって規制されることとなり、地方豪族が古墳を建てることはほとんどなくなったとされています。
平安時代からは仏教の影響により、貴族など一部の特権階級の間で火葬が取り入れられるようになります。また、鎌倉時代には仏教が庶民の間にも浸透し、貴族だけでなく庶民も火葬をするようになります。これにより、墓地はさらに小規模化しましたが、火葬後の遺骨は棺に納めて土中に埋めるのみで、まだ墓石や墓標も置かれていません。
そして江戸時代になると、再び土葬が主流となります。なぜ時代が逆行したのかは諸説ありますが、人口密度が高かった江戸では「火葬の際に出る煙と臭いに悩まされていた」からではないかとされています。
遺体は死に装束を着せた状態で棺に納められ、土中に埋葬し、さらにその上に土を盛って「土饅頭」を作るようになりました。武士のお墓には板塔婆や石塔婆が建てられていましたが、次第に庶民にもそれが広まり、卒塔婆や墓石をお墓の上に設けるようになりました。現代のお墓の礎は、この江戸時代に築かれたといえます。
さて、江戸時代といえば先ほど紹介した「檀家制度(寺請制度)」についても触れなくてはなりません。この制度について詳しくご説明すると記事を1本書けるほどの文章量になってしまいますので、簡潔な説明に留めますが、これは「どこかのお寺の檀家となるよう民衆に義務付ける」という制度です。この制度によって幕府は寺院を通して民衆を管理できるようになったことから、現代の「戸籍」にあたる役割を担っていたとされています。
明治時代には公営の墓地として青山墓地や天王寺墓地が開発され、宗教を問わない霊園も開かれるようになります。また埋葬方法についても、地価が高騰する都市部ではお墓の面積が多く必要となる土葬は次第に難しくなり、場所をとらない火葬が一般化し始めます。大正時代には各自治体が火葬場を設けましたが、未だ土葬が主流の地域もあったため、昭和初期までは火葬と土葬の割合は半々であったといわれています。
現代になると、伝統的な和型の墓石だけでなく、横に幅広い洋風の墓石も建てられるようになります。「○○家之墓」「南無阿弥陀仏」といった限られた文言しか彫刻できない和型の墓石に対して、洋型墓石は宗教や決まりごとにとらわれず、メッセージを自由に彫刻できることから人気を高めています。また、石のお墓を建てるにも管理料の負担に悩まされることや少子高齢化に伴う後継者不足の問題などから、管理料・後継者不要で永代供養付きの樹木葬も、お墓選びの際のメジャーな選択肢のひとつとなりました。
人々はその時代ごとに応じた、そしてその家族のライフスタイルに適したお墓を作ってきたといえます。しかしお墓を建てる目的の根底にある、「亡くなった方を供養したい」という想いはいつの時代も変わることはなかったはずです。 これから先の時代は、現代の自由な価値観をもとに、多様化する家族構成に沿ってお墓の形が変わりゆくことも考えられます。実際に、「両親のお墓が地元にあるけれど、子供にお墓の面倒をかけたくないから……」と墓じまいをして、樹木葬を選ぶという方もいらっしゃるようです。お墓探しは一生に一度あるかないかの大仕事です。ご自身にとってはもちろん、ご家族にとっても最適なお墓を選ぶことが重要になります。
樹木葬と一般墓の違い


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樹木葬と一般墓の違い

最近よく耳にする樹木葬ですが、従来の一般墓と何が違うのでしょうか?
今回は一般墓と樹木葬の違いを比較してみます。お墓の見た目もさることながら、目には見えない違いもあります。樹木葬を検討されている方も、違いをよく理解した上で決めることをおすすめします。
1. 継承するかしないか
一般墓は家族や近親者が代々受け継いでいくことが前提となっています。受け継ぐ方がいなくなってしまった際は墓じまいをしなければなりません。一般墓には毎年管理費がかかり、この負担も継承していくことになります。しかし、だからこそ一般墓は自分が亡くなった後も遺しておくことができます。
お寺の墓域を歩いていると明治や大正、それより古いお墓も見ることがあります。自分を知る人がいなくなった後も墓誌に名前が刻まれていて自分がいた証が残るといのは浪漫を感じる気もします。
一方、樹木葬ではお墓を継承する必要がありません。
樹木葬は利用者を事前に登録するものが多く、ご自身やご夫婦、ご家族でご利用する方がほとんどです。代々受け継いでいくことはできませんが、継承者がいない方、残された方に迷惑をかけたくないという方がご利用されています。終活の一環として、生前にご購入される方も大勢いらっしゃいます。
2. 遺骨の供養方法
一般墓と樹木葬では納骨後の遺骨の供養方法に違いがあります。
一般墓の場合は、お墓内部の納骨棺に焼骨した骨壺を納めて供養します。改葬や墓じまいをしない限りは納骨した時からご遺骨の状態は変わりません。
一方樹木葬の場合は、定義があるわけではないので一概には言えませんが、樹木葬の多くがいずれは土に還るものです。遺骨を粉骨してそのまま合葬するタイプもあれば、骨壺の状態で納骨棺に納めて特定の年数後に合葬するタイプもあります。
一般墓は骨壺のまま供養する。樹木葬の場合は将来的には自然に還ると考えるのが分かりやすいでしょう。近年は環境保護の意識の高まりもあり、一般墓は御影石を採掘するために山を切り崩して採掘しなければならないことから、樹木葬や散骨を選択する方もいます。
3. 費用
一般社団法人全国優良石材店の会が行った「2019年お墓購入者アンケート調査」によると、一般墓の購入価格は160.7万円でした。
一方、樹木葬の平均はタイプによって大きく変わるため一概には言えませんが、10万~80万程度と言われています。いずれにせよ、一般墓よりはだいぶ安いと言えるでしょう。
もちろん、すでに先祖代々のお墓がある場合購入費はかかりません。ただ管理費として毎年10,000円~20,000円がかかります。
実際のお墓は霊園やお寺によって様々な形式があり、この記事に書いてある内容と異なる部分もあるかもしれません。事前に情報を収集して霊園を見学することが大切です。注意点として、樹木葬は明治以降の伝統的な供養方法とは異なりますので、樹木葬を選択するということであれば事前に家族、親族の方と話し合っておくと後々のトラブルになり難いでしょう。
墓じまいとは?増加し続ける理由


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墓じまいとは?増加し続ける理由

近年、少子高齢化の影響やお墓に関する考え方の変化からよく耳にするようになった「墓じまい」。現在、全国各地でお墓を維持管理していくことができずに「墓じまい」をする方が急増しています。厚生労働省の調査によると、2018年の時点で年間115,384件ものお墓が全国でしまわれているというデータが発表されました。
なぜこんなに「墓じまい」が増えているのでしょうか。
今回は墓じまいとは何か、需要増加の背景について紹介していきたいと思います。
1. 墓じまいとは?
墓じまいとは、現在所有しているお墓を解体して遺骨を取り出し、新しいお墓へ遺骨を移すことです。「墓じまい」または「改葬」と呼びます。
墓じまいは墓地埋葬法で定められた方法に従って手続きなどをする必要があり、墓地のある地域の市役所等の許可が出て実施することができます。
そのため、裏を返せば「役所から許可が出なければ墓じまいをすることはできない」ということになりますので、注意が必要です。
2. 墓じまいする理由
厚生労働省が発表しているデータによると、墓じまいは2007年時点では約7万件でしたので、たった10年間で1.5倍以上も件数が増えていることが分かります。
今後も増加傾向にあることが予想される墓じまいですが、なぜこんなにも需要が高まっているのでしょうか。
・とにかく子供や孫に迷惑をかけたくない
墓じまいをされる方の理由として一番多く聞く意見は、子供や孫などの後継者に「迷惑や負担をかけたくない」という意見です。お墓を維持管理するには費用がかかります。一般的なお墓の管理料の目安は公営霊園で4,000円~10,000円、民間霊園で5,000円~15,000円、寺院墓地で10,000円前後となっています。他にも供養を行うなど手間や時間も必要です。こうした負担を子供や孫にかけたくないというのが理由です。
・継承者がいない
近年核家族化や少子高齢化の影響により、子供がいない、結婚して家を出てしまったなど、継承者のいない家庭が増えています。そのためお墓を継承できずに墓じまいをするケースが増えています。
・お墓参りが大変
お墓が遠方にあったり、歳を取ってお墓参りするのが大変になったりして、墓じまいする人もいます。
3. 墓じまいの費用
墓じまいの費用は全国の平均価格で見てみると、1㎡(間口1m×奥行1m)あたり約10万円程かかると言われています。しかし、地方は都内に比べると比較的大きなお墓が多いことや山の中腹など、撤去する機械が入りづらいような場所にお墓がある場合は、値段が高くなる傾向にあるようです。
また、遺骨を他のお墓に移す場合は新しいお墓の費用も別途かかってきます。そのためかなり大きな費用となるので、事前によく調べておく必要があります。
一概に「墓じまい」といっても、お墓がどこの地域にあるのか、どのような状況なのかによって、用意しなければならない書類や手順、費用などが異なってきます。
居住されている地域から離れた場所にお墓がある方は、2度手間3度手間にならないよう、石材店などの知識を持ったところに相談の上で墓じまいをするようにしましょう。










