未来のお墓研究所
樹木葬と一般墓の違い
最近よく耳にする樹木葬ですが、従来の一般墓と何が違うのでしょうか?
今回は一般墓と樹木葬の違いを比較してみます。お墓の見た目もさることながら、目には見えない違いもあります。樹木葬を検討されている方も、違いをよく理解した上で決めることをおすすめします。
1. 継承するかしないか
一般墓は家族や近親者が代々受け継いでいくことが前提となっています。受け継ぐ方がいなくなってしまった際は墓じまいをしなければなりません。一般墓には毎年管理費がかかり、この負担も継承していくことになります。しかし、だからこそ一般墓は自分が亡くなった後も遺しておくことができます。
お寺の墓域を歩いていると明治や大正、それより古いお墓も見ることがあります。自分を知る人がいなくなった後も墓誌に名前が刻まれていて自分がいた証が残るといのは浪漫を感じる気もします。
一方、樹木葬ではお墓を継承する必要がありません。
樹木葬は利用者を事前に登録するものが多く、ご自身やご夫婦、ご家族でご利用する方がほとんどです。代々受け継いでいくことはできませんが、継承者がいない方、残された方に迷惑をかけたくないという方がご利用されています。終活の一環として、生前にご購入される方も大勢いらっしゃいます。
2. 遺骨の供養方法
一般墓と樹木葬では納骨後の遺骨の供養方法に違いがあります。
一般墓の場合は、お墓内部の納骨棺に焼骨した骨壺を納めて供養します。改葬や墓じまいをしない限りは納骨した時からご遺骨の状態は変わりません。
一方樹木葬の場合は、定義があるわけではないので一概には言えませんが、樹木葬の多くがいずれは土に還るものです。遺骨を粉骨してそのまま合葬するタイプもあれば、骨壺の状態で納骨棺に納めて特定の年数後に合葬するタイプもあります。
一般墓は骨壺のまま供養する。樹木葬の場合は将来的には自然に還ると考えるのが分かりやすいでしょう。近年は環境保護の意識の高まりもあり、一般墓は御影石を採掘するために山を切り崩して採掘しなければならないことから、樹木葬や散骨を選択する方もいます。
3. 費用
一般社団法人全国優良石材店の会が行った「2019年お墓購入者アンケート調査」によると、一般墓の購入価格は160.7万円でした。
一方、樹木葬の平均はタイプによって大きく変わるため一概には言えませんが、10万~80万程度と言われています。いずれにせよ、一般墓よりはだいぶ安いと言えるでしょう。
もちろん、すでに先祖代々のお墓がある場合購入費はかかりません。ただ管理費として毎年10,000円~20,000円がかかります。
実際のお墓は霊園やお寺によって様々な形式があり、この記事に書いてある内容と異なる部分もあるかもしれません。事前に情報を収集して霊園を見学することが大切です。注意点として、樹木葬は明治以降の伝統的な供養方法とは異なりますので、樹木葬を選択するということであれば事前に家族、親族の方と話し合っておくと後々のトラブルになり難いでしょう。