未来のお墓研究所
【最新お墓事情】お墓に一緒に入る人も選べる時代。墓友とは?
近年終活を行う人が増えていますが、その中でも注目を集めているのが「墓友」です。社会の変化やお墓に対する価値観の変化などから、今やお墓に一緒に入る人も選べる時代となってきました。今回はこの墓友についてご紹介いたします。
1. 墓友とは
墓友とは「はかとも」と読み、家族や親族などの血縁関係はない人で、一緒に同じお墓に入ることを約束している友人のことです。そもそもお墓には、家族や親族でなくても一緒に入ることができます。合祀墓といって、不特定多数の人が一緒に合祀されるお墓はありますが、墓友の場合は、不特定多数の人ではなく、生前に一緒に入ることを約束し、一緒にお墓の契約をするのです。ですから、どちらかが先に亡くなった場合は残された人が供養してくれるのも墓友の特徴です。
2. 墓友が増えている理由
墓友が増えている理由はいくつかありますが、ひとつには「おひとり様」が増えていることです。未婚率の増加により一人のまま高齢になってしまった場合や、結婚はしたが子どもはできず、配偶者が先に亡くなって一人になっている場合、もしくは熟年離婚などで一人になった場合などさまざまです。
他には、子どもに負担をかけたくないからといった理由や、離婚はしなくても配偶者と一緒のお墓に入りたくないといった理由から、墓友と一緒にお墓に入ることを選ぶケースもあるようです。
3. 墓友の見つけ方
一緒のおに入るという事は、お墓を一緒に選んだり、契約や費用の支払いといったお金も絡む問題です。ですから簡単に誰でもいいと決めてしまえるものではありません。では一体どうやって墓友を見つければいいのでしょうか?
墓友サークル・終活サークル
最近では墓友を探すための墓友サークルや終活サークルを運営するNPO団体や地方自治体もあるようです。そうした墓友サークルであれば、同じような死生観を持っているためスムーズに話が進むかもしれません。
インターネットサイト
インターネットで検索すると、墓友を募集するサークルやSNSが出てきます。こうしたサイトで自分にあった人を見つけることが可能です。しかし、顔の見えないインターネットですので、詐欺などの合わないように注意をすることも必要です。
老人ホーム・介護施設
老人ホームや介護施設の中には、共同墓地を用意して一緒に入る墓友を募集しているケースもあるようです。もちろん、そうした共同墓地がなくても、普段の生活の中で考え方の合う人や仲のよい友達を見つけて一緒に入るお墓を探すこともできます。
他にも、昔からの友人や、趣味のサークルで気が合う友人を見つけたり、霊園や墓地管理者が主催する終活セミナーなどに参加してみるのもいいでしょう。
法要は亡くなった方の冥福を祈る大切な行事です。近年では法事を執り行わず、家族だけで済ませることも増えていますが、親族や故人の知人などを招き、故人の思い出を語り合う法事は、遺族にとってもの心の区切りや思い出を整理するいい機会にもなります。ぜひ難しく考えすぎず、和やかな気持ちで故人を供養されるといいですね。
4. 墓友のメリット・デメリット
墓友とは、亡くなった後の話だけをするわけではありません。お互いに様々な話をしながら親睦を深めたり、趣味の話をするなど、同じ目的を持つ友人と関わったりすることで日々の生活を楽しくしてくれます。また、孤独死や無縁仏になるといった先の不安もなくなるため、安心して残りの人生を過ごすことができるようになります。
こうしたメリットがある一方、気を付けなくてはならないこともあります。
お墓の購入にはお金が絡む問題です。そのため、事前に一緒に見学し、細かい条件や片方が先に亡くなった場合のことなどよく話し合っておくことが必要です。購入後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、しっかり調べておきましょう。
また、家族や親族がいる場合は、反対されることもあるので事前に説明して理解を得ておくことが大切です。
5. お墓を選ぶ際の注意点
墓友と一緒に入るお墓は、基本的には継承する必要のない永代供養墓を選ぶようにしましょう。必ずどちらかが先に亡くなりますので、残された人に負担がかからないように墓地の供養や管理を霊園や寺院が行ってくれる永代供養墓がおすすめです。永代供養墓には納骨堂や樹木葬などがありますが、お互いの希望に合ったお墓をいくつか見学し、それぞれがアクセスしやすいところを選ぶといいでしょう。また、お金についてはどちらがいくら、いつ払うのかははっきりと決めておくようにします。できれば生前にすべて支払いをすませておくとトラブルになりにくいです。その際管理費が毎年かかる場合もあるので注意が必要です。
墓友は、近年新しくできた価値観であるため、人によっては理解されないこともあるかもしれません。しかしながら、自分らしい生き方を選ぶように、お墓も自分らしく選ぶことで残りの人生を安心して過ごすことができるというメリットもあります。そのため、一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?