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未来のお墓研究所未来のお墓研究所

未来のお墓研究所

投稿日:2021.02.19
更新日:2024.08.08

お墓


供養

墓じまい にかかる費用総額はどのくらい?
費用の内訳やその後の費用について

核家族化や少子高齢化などの社会の変化により、お墓を守る方が減少し、今あるお墓を管理しやすい場所へ改葬したいと考える方は増加傾向にあります。では、実際に墓じまいをする際、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。今回は、墓じまいに必要な費用の内訳や相場を解説します。

墓じまいとは何か

墓じまいとは何か

墓じまいとは、お墓を撤去し更地にした土地を管理者に返還することです。遺骨を新しい納骨先に納める必要があるため、改葬までの一連を墓じまいと考えると良いでしょう。

墓じまいには「改葬許可申請」という行政手続きが必要です。勝手に遺骨を取り出して移動したり廃棄したりすることはできません。

墓じまいの費用相場

墓じまいの費用相場

墓じまいにかかる費用相場は30万円〜200万円ほどです。

今あるお墓を撤去する費用としては10万円〜30万円ほどですが、墓じまいには改葬を伴うため、改葬先にどのようなお墓を選ぶかによって費用は大きく変わります。

墓じまいにかかる費用の内訳

墓じまいにかかる費用の内訳

墓じまいにかかる費用には、大きく「お墓の撤去にかかる費用」「行政手続きにかかる費用」「改葬先でかかる費用」の3つあります。それぞれの費用の内訳を見ていきましょう。

お墓の撤去にかかる費用

お墓の撤去にかかる費用 相場
墓石撤去費用 約10万円/1㎡あたり
閉眼供養のお布施代 3万円~5万円
離檀料 3万円~20万円

・墓石撤去費用
墓石の撤去費用の相場は、墓石の大きさや撤去方法にもよりますが、1㎡あたり10万円ほどです。この費用には、墓地から墓石を撤去して更地にした後、所定の場所で墓石を処分するまでの工程が含まれています。
自身で石材店に見積もりを依頼することがほとんどですが、民間霊園の場合、管理者から石材店を指定される場合もあります。相場からかけ離れた金額を支払うことがないよう、ご自身でも別の石材店から見積もりを取って見比べることをおすすめします。

・閉眼供養のお布施代
お墓から遺骨を取り出す際に、お墓から魂を抜くための儀式として行うのが閉眼供養です。僧侶を招き、お墓(墓石)の前で読経をしてもらって供養します。閉眼供養のお布施代は、3万円〜5万円ほどが一般的です。
「供養」の概念がない浄土真宗では、閉眼供養と同様の儀式を「遷仏法要(せんぶつほうよう)」と呼んでいます。浄土宗・真言宗・曹洞宗などは閉眼供養を行います。

・離檀料
寺院内の墓地を撤去する場合、檀家を辞めることになるので離檀料が発生します。相場は3万円〜20万円ほどで、法要1回分の費用と同等が目安とされています。
寺院によっては離檀料を受け取らないところもある一方、相場よりも高い離壇料を請求されるトラブルも発生しています。事前に親族や近所の石材店に離檀料について相談し、その土地の相場を情報収集しておくと良いでしょう。どうしても離壇料について寺院と折り合いがつかない場合は、自治体やお近くの弁護士に相談してください。

行政手続きにかかる費用

必要な書類 入手先 相場
1.受入証明書 改葬先の管理者 不要の場合が多い
2.改葬許可申請書 現在のお墓がある自治体 無料〜1,000円
3.埋蔵証明書 現在のお墓の管理者 300円〜1,500円
4.改葬許可証 現在のお墓がある自治体 無料〜500円

手続きとしては、1〜3の書類を揃えて現在のお墓がある自治体に提出します。そこで発行される「改葬許可証」を改葬先のお墓の管理者に提出する流れです。

注意点としては、お墓1つに対して1通ではなく、遺骨ごとに許可証が必要な点。たとえば、お墓に3つの遺骨がある場合は、3通の許可証が必要になるので注意してください。

1.受入証明書
遺骨の受け入れを許可したことを証明する書類です。改葬先のお墓の管理者に発行を依頼し、署名・捺印をしてもらいます。

2.改葬許可申請書
現在のお墓がある自治体で入手して記入してください。自治体によっては、ホームページでダウンロードできることもあります。申請書には故人や申請者の情報を記載します。

3.埋蔵証明書
今のお墓に遺骨が納められていることを証明する書類です。現在のお墓の管理者に発行を依頼し、署名・捺印をしてもらいます。

4.改葬許可証
改葬許可証は、遺骨の移転において交付・提出が法律で義務付けられている重要な書類です。1〜3の書類を現在のお墓がある自治体に提出し、改葬許可証を発行してもらいます。改葬許可証は、改葬先のお墓の管理者に提出します。

改葬先でかかる費用

改葬先でかかる費用 相場
開眼供養のお布施代 3万円〜10万円
お墓にかかる費用 3万円〜200万円
樹木葬の場合 5万円〜80万円
納骨堂の場合 3万円〜200万円
一般墓の場合 100万円〜200万円
散骨の場合 5万円〜30万円

・開眼供養のお布施代
開眼供養には、閉眼供養で抜いた魂を新しいお墓に入れるという意味があります。閉眼供養と同様、読経をしていただいた僧侶に対してお布施代を払うのが一般的。相場は3万円〜10万円ほどです。
浄土真宗では、同様の儀式として「御移徒(おわたまし)」または「入仏法要」を行います。

・樹木葬
樹木葬は、埋葬方法や埋葬場所の立地などによって値段に差があります。複数の遺骨を同じ区画に埋葬する合祀型であれば約5万円から購入でき、専有の区画に埋葬する家族型であれば20万円〜80万円が相場です。

・納骨堂
納骨堂にはさまざまなタイプがあり、タイプごとに費用の相場が異なります。もっとも相場の安い合葬型(合祀型)であれば約3万円から購入可能です。もっとも相場が高いのは屋内に墓石を建立するタイプで、100万円〜200万円ほどになります。

・一般墓
一般墓の費用は、お墓を建てる場所の地価と、石材のグレード・加工代・設置工事代によって幅があります。特に地価の影響が大きく、全国平均では70万円〜80万円ほどですが、東京23区では150万円〜200万円になります。

・散骨
散骨にもさまざまありますが、一般的なのは山葬と海洋葬です。専門業者に委託する場合、山葬であれば5万円〜30万円ほど、海洋葬であれば5万円〜10万円が相場です。散骨を行う場所や、他の人と合同で行うかどうかによって費用に差があります。

墓じまいの費用は誰が負担するのか

墓じまいの費用は誰が負担するのか

兄弟姉妹がいる場合は、均等に負担するのが一般的です。費用を分担する兄弟姉妹がおらず経済的に厳しい場合は、親族を頼ることも考えられます。

墓じまいの費用負担を巡って、家族・親族間でトラブルになることも少なくありません。墓じまいを進める前に、費用負担について十分に話し合いを重ねましょう。

墓じまいの補助金をもらえる可能性がある

墓じまいの補助金をもらえる可能性がある

近年、墓じまい補助金制度を設ける自治体がみられるようになりました。墓じまいにかかった費用(墓石の解体・撤去、改葬)の一部を自治体が補助してくれる場合があります。

たとえば東京都では、都立霊園の利用者を対象に、墓石を壊し更地にする費用を免除しています。墓じまいを検討している方は、ぜひ自治体に確認してみましょう。

墓じまいの費用は改葬先によって大きな差が。予算も踏まえて改葬先を選びましょう

墓じまいの費用は改葬先によって大きな差が。予算も踏まえて改葬先を選びましょう

改葬先によって墓じまいの費用は大きな差が生まれます。場合によっては数百万円もの高額な費用が必要となるため、計画的に進めることが大切です。また、のちのちのトラブルを防ぐために、費用を分担する兄弟姉妹・親族とも十分に話し合ってから進めましょう。