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2022.10.11 

お墓

樹木葬

自然葬とは|樹木葬や海洋葬などの種類やメリット・デメリットについて

自然葬とは|樹木葬や海洋葬などの種類やメリット・デメリットについて

「自然葬」という言葉をご存じでしょうか。これまでの、墓地に遺骨を納めるかたちではない、新たな「葬送」のスタイルとして近年注目を集めています。ただし、まだ世間では一般的でないため、費用相場が不明瞭だったり、注意点が数多く存在したりします。故人の遺志を反映した後悔のない葬送を行うためにも「自然葬」について、しっかり学んでいきましょう。

1. 自然葬とは?

墓地・納骨堂・永代供養など多様化し、お墓や葬儀に関する考え方が変わってきています。
そんな中で生まれたのが、従来の墓地などに遺骨を納める方法でない、新たな葬送のかたち「自然葬」です。「自然葬」という概念はまだ新しく明確な定義はありませんが「自然に回帰するような葬送」、例えば樹木葬や海洋葬、海洋散骨などを指すのが一般的です。

自然葬が注目されている理由

従来、祭祀(神や先祖を祭ること)を担っていた家族や、地域共同体が解体しつつある現代社会において、受け継がれていくことを想定した墓を持つことは難しくなりました。
自然葬は墓石を必要としないことから、「脱継承」「脱墓石化」といった現代の流動的な社会に適した葬送です。また、伝統や慣習に縛られ自分の死んだ後のことを周囲に任せるのではなく、死後のあり方を自ら決定するという意識が高まっていることも、注目されている理由の一つといえます。



2. 自然葬のメリット

比較的新しい葬送の形である自然葬はなぜ多くの方に支持されているのでしょうか。自然葬には従来の弔いにはないメリットがいくつか存在します。ここでは多くの方が自然葬を選ぶ理由をご説明します。

自分の死生観を形にすることができる

葬送の形が自由になる中で、個人の考えやロマンを葬送でも形にすることができるようになりました。
そういった背景から、「自然に還りたい」など、自然へのロマンを持つ方から自然葬は支持を集めています。このように葬送を通じて「自分らしさ」を表現できるのは、自然葬のメリットと言えるでしょう。

高額な費用がかからない

お墓を建てる場合の相場は100~300万円ほどです。そして、お墓を建てたら継続して管理していくための費用もまたかかってきます。自然葬はお墓を建てる必要はなく、管理費はかからないこともあるため費用をおさえられます。
ただし自然葬のやり方によって、費用は変わってくるのでそれぞれ確認してみてください。

継承者を必要としない

近年少子高齢化によって継承者が不足しているため、親族に墓石の管理で負担をかけたくないと考える人も多くなっています。自然葬では、基本的に後を継ぐ必要がないものが多い傾向にあります。



3. 自然葬のデメリット

「新しい葬送の形」と言われると、従来のお墓に比べてどういった違いがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。特にデメリットについてはしっかりと理解を深めておくことが重要です。従来のお墓と比較して自然葬のデメリットや注意しておきたい点をご紹介します。

家族・親族の理解が必要な場合もある

自然葬は新しい弔いの形であるため、家族・親族によっては反対されることもあるかもしれません。理解を得られないまま、無理やり手続きを進めてしまうと、思わぬトラブルに繋がりかねません。事前に確認を取りしっかりと話合うことをおすすめします。

墓石がなくお墓参りが難しいと感じる方もいる

散骨や合祀の樹木葬であれば、故人の墓石というものがなく故人に手を合わせるはっきりとした場所がありません。こういった場合に、心のよりどころがないと感じる方もいらっしゃいます。ただ樹木葬の中には合祀だけでなく、通常のお墓のように、それぞれのスペースがありそこに木々を植えるといった形式のものもあります。その場合は、手を合わせる場所に困るといったことはありません。
不安な方は、事前に確認しておくと良いでしょう。

宗教的縛りがない分、法事・法要などの対応が難しい

基本、宗教によって法事の様相は異なりますが、自然葬の場合はそれがありません。そのため、自分たちで法要を行いたい場合に、霊園や寺院に問い合わせをする必要があります。

自然葬の種類によっては遺骨を取り出せない場合がある

散骨の場合や、合祀の樹木葬の場合は後から遺骨が取り出せないこともあるので注意しましょう。

しかし樹木葬の種類によっては個別にカロート(遺骨を安置する場所)が設けられているものもあるので、その場合は後から遺骨を取り出すことも可能です。
また散骨をしたいけれど遺骨を手元に残したい場合は、分骨という手段もあります。分骨しておけば、安置するものと手元に残しておく遺骨で分けるため、後から取り出せなくなるといった心配はありません。

4. 自然葬の種類と特徴

「自然葬」と一口に言っても、樹木葬や海洋葬・海洋散骨など様々な種類があります。最近では、宇宙葬など新しいスタイルも登場してきました。自然葬の種類とそれぞれの特徴について解説します。

樹木葬

「自然葬」の中でも一番ベーシックなスタイルになります。樹木葬とは「樹木や芝生、草花を墓標として自然に還る埋葬」のことを言い、遺骨は骨壺や麻袋などに入れ、埋葬されます。岩手県一関市の祥雲寺が1999年に始めた「樹木葬墓地」が、日本で最初とされています。
自然の中で安らかに眠ることができる点、著名人の埋葬のニュースなどで「樹木葬」を聞くことも多く、人気が高まっています。
樹木葬は宗教・宗派を問いません。通常、宗教や宗派によって葬送の様相は異なり、それが引き金となってトラブルになることもあります。樹木葬が行われる霊園では宗教上のトラブルはほとんど起こらない点も良いところです。

海洋葬・海洋散骨

「海洋葬」「海洋散骨」は遺骨を海に散骨し故人を供養する葬送の方法です。
“水がすべての起源である”という考え方もあり、自然志向の方々の想いを叶えるお墓として支持を集めています。生前に「海洋散骨」を希望する方も少なくありません。
海洋葬の場合、お金がかかるのは最初だけです。墓石を建てたり、管理費を継続して払ったりする必要がありません。

空中葬・宇宙葬・バルーン葬

空中葬は、空中で散骨することを言います。ヘリコプターなどを使って遺族が上空から遺骨を散骨します。海の上まで移動し、そこから散骨するのが一般的な方法です。「空からみんなを見守りたい」など、個人の遺志を尊重することができます。
最近では、「宇宙葬」や「バルーン葬」なるものまで自然葬の方法として登場しています。
「宇宙葬」は、故人の遺灰などを収めたカプセルをロケットに載せて宇宙空間に打ち上げる、散骨の一形態で、1997年にアメリカで始まったと言われています。以前は海外の業者に依頼するしかなかった「宇宙葬」ですが、最近では日本の業者でも請け負う企業が出てきました。
「バルーン葬」とは、バルーンに粉末化した遺骨を入れて飛ばす散骨の方法です。飛ばしたバルーンは、空高く昇っていき、成層圏に達したところで気圧の変化により割れて遺骨が散布されます。「バルーン宇宙葬」とも言われ、遺骨が大空を漂い続けるというロマンに惹かれ、依頼が増加している自然葬の一つです。

5. 自然葬にかかる費用相場

「自然葬」と言ってもそれぞれのやり方によって費用や相場は変わってきます。それぞれの相場を踏まえ、理解した上で最適なスタイルを検討しましょう。

樹木葬の相場

「自然葬」の中で最も人気の「樹木葬」は他の方と一緒に遺骨を埋葬する「合祀埋葬」が最も安く、5万円~20万円程度で埋葬できます。「個別型」や「家族型」になると、「合祀型」に比べると少し高くなりますが、それでも墓石を新たに建てる場合と比べれば安くなる場合が多いです。

海洋葬・海洋散骨の相場

遺族1組だけが乗船する貸し切りタイプの参加型散骨の基本料金は、20万円~30万円ほどが相場です。乗船する遺族が乗り合わせになるほど、一人あたりの料金は安くなる傾向があります。

遠方の海への散骨を希望する場合や遺族が散骨に同行できない場合は、業者が代理で行う「委託散骨」を利用できます。「委託散骨」の相場価格は、5万円前後です。

空中葬・宇宙葬・バルーン葬の相場

「空中葬」「宇宙葬」「バルーン葬」に関しては、まだ実施している業者が少ないため、相場というものは存在しません。シンプルなプランであれば、数十万円~依頼することができます。故人の遺志を100%叶えようとオプションをつけたりすると、料金が高くなり、100万円~数百万円になることもあります。

6. 自然葬を行う際の注意点

「自然葬」には大きく分けて、「埋葬」と「散骨」の2種類があります。通常、埋葬できる場所は許可を受けた墓地のみ、と法律で定められています。そして、「散骨」については明確な法律の規定がないのが現状です。ただし、自治体によっては、散骨が条例で禁止されている場合や、管理者の許可を得る必要があります。
そして、散骨をする場合には粉骨して遺骨として分からないような方法ですることが大切です。それぞれの方法での注意点を説明します。

樹木葬の注意点

一般的には樹木葬の墓地の手入れは「墓地の管理者」が行います。ただし、どこまで手入れしてくれるかは墓地によって違うので、事前に確認する必要があります。また、樹木葬は埋葬場所が自然豊かな立地にあることも多く、アクセスが難しくなるという特徴もあります。

海洋葬・海洋散骨の注意点

「海洋散骨」は、条例によって散骨のできるエリアを区切っている地域があるほか、海洋散骨を行う団体もガイドラインを設けるなど、様々な配慮がなされています。
また、海洋散骨は法律で遺骨を粉砕し粉状にしなければ撒くことができない、と決まっています。遺骨をすべて散骨してしまった場合は、後で分骨や改葬することができない、というデメリットもあるので、その点は理解した上で実施するようにしましょう。
そして、海洋散骨をしてしまうと、墓標がないため、漠然としたイメージしか残らない可能性があります。

空中葬・宇宙葬・バルーン葬の注意点

「宇宙葬」「バルーン葬」に関しては、競合となる会社が少なく、価格が高くなりがちです。見積もりの際に他社と比較ができないため、その会社が本当に信用できる会社かどうか自分自身でしっかり検討する必要があります。決して安いものでもないので、しっかりと納得した上で実施するようにしましょう。
また、宇宙葬では特に「天候に左右されやすい」という特徴があるため、その点のリスクは考えておいた方がいいでしょう。

7. 「自然葬」は新しい葬送儀礼の形です

基本的に手入れの必要がなく、費用が安価な「自然葬」は、現代的な葬送のスタイルと言えます。今後、ますますこのスタイルは広がっていくでしょう。
「お墓の後継ぎがいない」や「費用が高すぎる」などの問題を抱える方は「自然葬」を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし一番尊重すべきは故人の遺志です。後悔しない「葬送」を実施するためにも生前に希望する「葬送」の方法について、家族で話し合っておきましょう。