未来のお墓研究所
供養
喪中のときにお中元やお歳暮は贈っていいの?
受け取り時のマナーやお礼状についても解説
そこで今回は、喪中におけるお中元やお歳暮の取り扱い方について、自身が喪中の場合と相手が喪中だった場合のケースごとにご紹介します。
目次
1. 喪中にお中元・お歳暮は贈ってもよい?
喪中ではお祝いは避けるようにすることが一般的ですが、感謝やお礼の意味を持つ「お中元」「お歳暮」の取り扱いは受け取り手からすればお祝いにも取れてしまい、難しいものです。
ただし、自分が喪中のケースと相手が喪中の場合では考え方が少々異なります。
自分が喪中 | 相手が喪中 |
---|---|
・相手に贈っても差し支えない ・少しずらす方法も有り |
・相手に送っても差し支えないが、忌明けに送ったほうが無難 ・一度、本人に確認したほうが安心 |
詳しく見てみましょう。
自分が喪中の場合
「お中元」や「お歳暮」は日ごろお世話になっている相手に対して感謝やお礼の気持ちを表すものであるため、贈っても差し支えないと言えます。
ただし、贈りたくても気持ち的に難しい場合もあるでしょう。難しい場合は自身の気持ちが落ち着いてから、寒中見舞いや残暑見舞いなどとして時期をずらして贈るという方法もあります。
相手が喪中の場合
一般的に、喪中期において相手が「忌明け」している場合は日頃の感謝の「お歳暮」「お中元」は贈っても差し支えないとされています。
ただし、相手の心情から「お歳暮」「お中元」を受け取りにくいという場合や、「お歳暮」「お中元」を祝事と捉えてしまう人もいるかもしれません。
「お歳暮」「お中元」を贈りたいものの、相手の気持ちがどうしても気になる場合は、忌明け後の落ち着いたタイミングで一度相手にそれとなく聞いてみると良いでしょう。
2. 喪中にお中元・お歳暮を送る際のマナー
「お歳暮」「お中元」には祝い事の意味合いが含まれていないとされているため、喪中でもやり取り可能です。しかし、喪中の場合は最低限のマナーや配慮は欠かせません。
・忌中でのやり取りは避ける
・のし紙に注意する
・故人宛てに贈らない
それぞれについて詳しく見てみましょう。
忌中でのやりとりは避ける
喪中の場合は「お歳暮」「お中元」の贈り合いは問題ないとされていますが、忌中の場合はマナー違反にあたります。
仏式葬儀で故人を見送っている場合、忌日から四十九日までが「忌中」です。神式の場合は、忌日から五十日までが「忌中」に該当します。
「忌中」では、故人が亡くなったことに対して喪に服している状態ですから、「お歳暮」「お中元」の贈答は場違いだと思われてしまう可能性があります。
のし紙に注意する
一般的な「お歳暮」「お中元」では紅白があしらわれたのし紙が使われることが多くあります。
喪中での「お歳暮」「お中元」は、奉書(ほうしょ)紙や略式の白い短冊を使うことがマナーです。
奉書(ほうしょ)紙や略式の白い短冊の“のし紙“を選び、「お中元」と表書きします。自身が喪中の場合は全てののし紙を喪中用に準備し、相手側に不幸がある場合は、相手の状況を確認したうえで適切なのし紙を選ぶとスマートです。
故人宛てに送らない
日ごろの習慣でつい亡くなったはずの人物に贈ることは、遺族側からすれば失礼となる場合があるため気をつけましょう。
特に長年の習慣がある人は注意したいところです。もし、故人とは付き合いがあったものの、故人の家族と付き合いがないようであれば、無理に贈らなくて良いと言えます。
故人の家族ともお付き合いがあり、感謝やお礼をしたいという場合は家族宛てに贈っても良いでしょう。
3. 喪中にお中元・お歳暮を受け取った場合のマナー
自身が喪中の時に、訃報の連絡をしていない方から「お中元」や「お歳暮」が届くケースも想像できます。
喪中にもかかわらずお中元やお歳暮を受け取った場合は、どのような場合でもまずはありがたく受け取り、お礼状を書くことが正しい対処方法です。詳しくご紹介します。
自身が喪中の場合に受け取ったらお礼状を書く
自身が喪中の場合は、品物を受け取ったら3日以内に、受け取った旨をお礼状にして送りましょう。
関係性によっては、お礼状の代わりに電話やメールでお礼を伝えても大丈夫です。自身が喪中であることを伝えきれていない場合、連絡することで相手にも自身の状況が伝わります。
故人宛てに贈られた場合はありがたく頂戴してお返しする
故人宛てだったとしても、いただいたものを無下に拒否することは相手に対して失礼に当たりますので、受け取った場合はそのままいただきましょう。
3日以内にお礼状を添えて、いただいた品物と同等の品を手配し、贈ります。自身が喪中の場合と同様に相手が訃報を知らないケースもあるため、以下のようなお礼状に感謝の言葉を添えつつ事情を説明すると丁寧です。
・忌中でのやり取りは避ける
・のし紙に注意する
・故人宛てに贈らない
4. その他の喪中時に気を付けたいマナー
喪中の際は、お祝い事については慎重に考える必要があります。お中元やお歳暮に配慮することも大切ですが、以下のマナーも守りたいところです。
・お祝い事は控える(例:結婚式)
・家の新築や改築時期へも配慮
・年賀状を送らない
詳しく見てみましょう。
結婚式などお祝い事は控える
喪中時には、結婚式の参列や企画など、お祝い事は避けたほうが無難です。「故人が自身の結婚式を楽しみにしていた」など故人に配慮した事情があるのであれば、結婚式などのお祝い事をやっても差し支えないかもしれません。
どうしてもお祝い事を喪中のタイミングで執り行うという場合は、親戚同士で相談することをおすすめします。
家の新築や改築時期へも配慮
家の新築や改築についても喪中時は配慮が必要です。新しい家を建てることはお祝いにあたります。
とはいえ、家の建築に関しては時期がずらせない場合もあるでしょう。その場合は、忌明けにするなど配慮したほうが安心です。
年賀状を送らない
喪中の際は、年賀状のやり取りは控えましょう。自身が喪中の場合は喪中はがきを準備します。
年賀状をやり取りする相手が年賀状の準備を始める前11月中旬頃に喪中はがきを手配し、12月に相手へ知らせが届くように準備するのがオススメです。
自身が喪中はがきを受け取った場合は、何もしないことが一般的ですが、寒中見舞いを送っても良いでしょう。
5. 喪中のお中元には配慮が必要なことも
「お歳暮」や「お中元」は贈る相手への日頃のお礼と感謝の気持ちを表すため、基本的に喪中であれば、のし紙など気を付けたうえでやりとりして差し支えないと言えます。
ただし、自身が喪中の相手に「お歳暮」や「お中元」を贈る場合は、相手に贈っていいか状況を確認すると親切です。
また、故人にウッカリ送ることも避けましょう。自身が喪中であるにもかかわらず「お歳暮」や「お中元」を受け取った場合や故人宛てに贈られてきた場合は、無下に断るのではなく有難くいただき、お礼状を書くなど適切に応対します。
喪中時の振る舞いは、マナーが問われることから慎重になってしまいがちでしょう。相手のことを思い遣り、感謝の気持ちを込めてやり取りすることが大切です。
この記事を参考に喪中における振る舞いを再確認し、適切な場面で応用できるようにしましょう。