

未来のお墓研究所
墓じまい
墓じまいはいつがいい?最適な時期・タイミングと避けたい季節を解説

この記事では、墓じまいを行う最適な時期や避けたほうがいい季節、準備から完了までの流れ解説。焦らず、余裕を持って進めるためのポイントをお伝えします。
目次
- 墓じまいのタイミングは決まっている?
- 「この時期でなければならない」は存在しない
- 多くの人が選ぶ代表的なタイミング
- 「いつまでに終えたい」から逆算して準備する
- 避けたほうがよい時期と注意点
- お盆・お彼岸・年末年始は早めの準備を
- 梅雨の時期は墓石撤去に不向き
- 豪雪地帯の冬は作業が進みにくい
- 墓じまいの流れ
- ① 管理者へ相談する
- ② 改葬先を決定し、受け入れ証明書を取得する
- ③ 行政手続きを行い、改葬許可証を取得する
- ④ 閉眼供養を行い、遺骨を取り出す
- ⑤ 墓石を撤去し、敷地を返還する
- ⑥ 改葬先へ納骨し、開眼供養を行う
- 墓じまい後の改葬先と費用相場
- 主な改葬先の種類と特徴
- 改葬先以外にかかる費用
- 墓じまいの時期は人それぞれ。余裕を持って穏やかに
墓じまいのタイミングは決まっている?
墓じまいには「この時期でなければいけない」という明確な決まりはありません。ここでは、多くの人がどのようなタイミングで墓じまいを行っているのかを見ていきましょう。
「この時期でなければならない」は存在しない
墓じまいは、法律上いつ行っても問題はありません。行政手続きや宗教的な制約もなく、思い立ったときに始めることができます。
ただし、お墓の管理者への相談や親族間での話し合い、改葬先の検討など、いくつもの準備が必要です。「家族が集まりやすい時期」「気候が穏やかな時期」など、無理のないタイミングを選ぶことが、結果的にスムーズな墓じまいにつながります。
多くの人が選ぶ代表的なタイミング
多くの方は、お盆やお彼岸、親族の法要など仏事の節目にあわせて墓じまいを行っています。この時期は、親族が自然と集まる機会が多く、話し合いや手続きの確認がしやすいのが理由です。
また、退職や還暦など人生の節目をきっかけに、「次の世代へ負担をかけたくない」という思いから墓じまいを決断する方もいます。
「いつまでに終えたい」から逆算して準備する
墓じまいには、管理者への相談や行政手続き、閉眼供養、墓石撤去など、複数の工程があります。そのため、すべてを終えるまでに数ヶ月〜1年ほどかかることも少なくありません。
「〇月までに完了したい」「法要にあわせて終えたい」など、ゴールの時期が決まっている場合は、逆算して早めに動き出すのがおすすめです。時間に余裕を持って準備することで、慌ただしさを避け、心を込めて供養の節目を迎えることができるでしょう。
避けたほうがよい時期と注意点
墓じまいは一年を通していつでも行うことができますが、実際には「避けたほうがいい時期」もあります。ここでは、墓じまいをスムーズに進めるために注意しておきたい時期を紹介します。
お盆・お彼岸・年末年始に行う場合は、早めの準備を
お盆やお彼岸、年末年始は、寺院や霊園、石材店などが一年の中でもっとも混み合う時期です。この時期に閉眼供養を依頼する場合は、希望する日程での対応が難しくなることもあります。
もしこれらの時期に墓じまいを行いたい場合は、早めに寺院や業者へ相談し、日程を確保しておきましょう。また、親族や親戚が集まりやすい時期でもあるため、事前に話し合いの時間を設けておくと安心です。
梅雨の時期は墓石撤去に不向き
梅雨時期は、雨が多く地面がぬかるみやすいため、墓石の撤去作業に向いていません。墓石はクレーンなどで持ち上げて移動しますが、濡れていると滑ってしまい、破損や事故のリスクが高まります。
また、天候の影響で作業が延期になることもあるため、費用や日程の面でも不利になりがちです。安全に作業を行うためにも、天候が安定した春や秋などの乾いた季節を選ぶのがおすすめです。
豪雪地帯の冬は作業が進みにくい
雪が多い地域では、冬場の墓じまいは避けたほうが安心です。墓地が雪に埋もれてしまうと、撤去作業そのものが困難になり、除雪や運搬に余分な時間と費用がかかることがあります。特に山間部や郊外の霊園では、作業車両が入れないケースもあるため注意が必要です。
気候条件が厳しい地域では、春の雪解けを待ってから計画を立てると、作業がスムーズに進みやすくなります。
墓じまいの流れ
墓じまいは、思い立ってすぐにできるものではなく、いくつかの手続きや準備を経て行う必要があります。ここでは、実際にどのような手順で進めていくのかを、順を追って説明します。
① 管理者へ相談する
まずは、お墓がある寺院や霊園の管理者に、墓じまいを考えていることを伝えましょう。墓じまいの手続きには、「埋蔵証明書」に管理者の署名や押印が必要になるため、早めの相談が大切です。
特に寺院墓地の場合は、檀家としての関係性もあるため、丁寧に話を進めることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
② 改葬先を決定し、受け入れ証明書を取得する
遺骨の新しい安置先(改葬先)を決めます。一般墓のほか、永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、最近は多様な選択肢があります。
改葬先が決まったら、管理者から「受け入れ証明書」を発行してもらいましょう。この書類は、後の行政手続きで必要になりますので、大切に保管しておくことが大事です。
③ 行政手続きを行い、改葬許可証を取得する
改葬先と現在のお墓、両方の管理者から書類をそろえたら、次は役所での手続きです。
現在の墓地のある市区町村役場で「改葬許可申請書」を提出し、「改葬許可証」を受け取ります。この書類が発行されてはじめて、遺骨の移動(改葬)が正式に認められます。
自治体によって必要書類が異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
④ 閉眼供養を行い、遺骨を取り出す
改葬許可証を取得したら、僧侶に依頼して閉眼供養を行ったのち遺骨を取り出します。閉眼供養とは、お墓に宿る故人の魂を抜く儀式のこと。これを経てはじめて、お墓を“ただの石”として扱えるようになります。
法律上の義務ではありませんが、多くの石材店は閉眼供養を行っていない墓石の撤去を受け付けていません。そのため、墓じまいを円滑に進めるためにも、事実上欠かせない手続きといえます。
⑤ 墓石を撤去し、敷地を返還する
閉眼供養が終わったら、墓石の撤去を依頼する石材店を手配します。墓地の管理者によっては、指定の石材店が決まっている場合もあります。その際は、まず指定業者へ依頼するのが一般的です。
一方で、管理者から指定がない場合は、自分で石材店を選ぶこともできます。費用や対応範囲など条件を比較しながら、複数の業者から見積もりを取ると安心です。
また、墓地の種類によって手配の方法も異なります。民営霊園は石材店が指定されていることが多く、自由に選べないケースが一般的です。一方で、公営墓地は指定がない場合がほとんどのため、信頼できる業者を自分で探して依頼しましょう。
撤去が終わったあとは、墓地をきれいな更地に戻し、管理者へ敷地を正式に返還します。
⑥ 改葬先へ納骨し、開眼供養を行う
遺骨を新しい納骨先へ移したら、開眼供養を行います。これは、新しいお墓や納骨先に故人の魂を宿すための儀式で、墓じまいの締めくくりとして行われるものです。
合祀墓(永代供養墓)の場合は、個別に開眼供養を行わないかわりに、寺院や霊園が定期的に供養祭を行っていることが多くあります。また、樹木葬や散骨などの自然葬型では、開眼供養は必ずしも必要ではありません。
とはいえ、故人やご家族の希望があれば、僧侶に依頼して法要を行うこともできます。供養の方法は施設や管理者によって異なるため、希望がある場合は事前に確認しておくとよいでしょう。
墓じまい後の改葬先と費用相場
「お墓を新しく建てる」「納骨堂や永代供養墓に預ける」「自然に還す」など、近年は供養の形が多様化しています。ここでは、主な改葬先の特徴と費用の目安を紹介します。
主な改葬先の種類と特徴
一般墓(100万〜200万円)
従来のように墓石を建てる一般墓は、管理費や墓石代など初期費用がかかりますが、家族代々で引き継げる安心感があります。自宅から近い場所に建てることでお参りしやすくなるのもメリットです。
納骨堂(3万〜200万円)
屋内で管理される納骨堂は、天候に左右されず、都心部でもアクセスが良い点が人気です。ロッカー型や自動搬送型などタイプも多く、供養スタイルに合わせて選べます。永代供養付きの施設であれば、将来の管理を任せられる安心感が魅力です。
樹木葬(5万〜80万円)
墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする自然葬の一種です。宗派を問わず利用でき、自然の中で静かに眠りたいという希望を叶えられます。費用が比較的抑えられ、後継ぎのいない方にも人気の供養方法です。
散骨(5万〜30万円)
遺骨を粉末状にし、海や山などに撒く葬送方法です。墓地を持たず、自然に還るという考え方に共感する方に選ばれています。業者が代行してくれるプランも多く、費用は他の供養方法に比べて低めです。
改葬先以外にかかる費用
改葬先の費用だけでなく、墓じまいそのものに伴う費用も発生します。たとえば、墓石の撤去費用、閉眼供養のお布施、行政手数料などです。後から慌てることのないよう、早めに費用の見積もりを取り、家族で相談しながら無理のない計画を立てましょう。
墓じまいの時期は人それぞれ。余裕を持って穏やかに
墓じまいには、「この時期でなければならない」という決まりはありません。ただし、管理者とのやり取りや行政手続きなど、思った以上に時間がかかることもあります。大切なのは、家族の状況や改葬先の準備に合わせて、余裕を持って進めることです。
そして何より、墓じまいは“お墓をしまうこと”だけではなく、ご先祖さまへの感謝と区切りを意味します。迷ったときは専門家や霊園の管理者に相談しながら、あなたとご家族にとってもっとも穏やかなタイミングを選んでくださいね。












