未来のお墓研究所
お彼岸に作りたい精進料理とは?基本のレシピ
もうすぐ秋のお彼岸の時期ですが、今年は新型コロナウイルスの影響でお墓参りをあきらめる人も多いのではないでしょうか?こんなときこそ、精進料理を手作りして仏壇にお供えしたり、自分たちでいただいたりしながら故人の思い出を語り合ってみませんか?
今回は精進料理の基礎知識から、今すぐ作りたい精進料理のレシピを紹介いたします。
1. 精進料理とは
精進料理とは肉や魚などを使わず、野菜や豆類などの植物性のものを使って作る料理のことです。殺生を禁じられていた仏教で、修行僧が食べていた料理です。お彼岸は亡くなった人を供養し感謝をささげることで、自らが修行を行うための期間と言われています。そのため、この期間に精進料理を食べることは修行につながるとされています。
精進料理の基本的なルールは、野菜や穀物、豆類、海藻、果実を使用して作ります。さらに、ネギやニンニク、らっきょうなどの匂いのきつい食材も使用できません。
お膳は、手間に箸を置いた場合に左側にご飯のお椀、右側に汁椀を置き、その間に漬物皿をおきます。さらに通常の日であれば2品、お彼岸の中日には3品のおかずを用意するといいでしょう。お供えする場合は、お箸は仏壇側に置くようにし、食べる人の方に向けることも忘れないようにしましょう。
2. 基本的な精進料理の献立
基本的なルールを守れば後は故人の好きだった食材や、旬の食材などを使って、精進だし(後述)にしょうゆや塩などを加え、薄味に仕上げればOKです。
メニュー例
【主食】
さつまいもの炊き込みごはん、五目おこわ、山菜おこわ、きのこの炊き込みごはん、精進そば、いなりずし、
【汁物】
けんちん汁、きのこ汁、だいこんの味噌汁、きのこのお吸い物、わかめと豆腐の味噌汁
【副菜】
ほうれん草の白和え、五目豆、わかめときゅうりの酢の物、きんぴらごぼう、小松菜のからし和え
【主菜】
さといもと高野豆腐の煮物、飛竜頭(ひりょうず)、精進揚げ(かぼちゃ、さつまいも、れんこん、にんじんなど)、野菜の筑前煮
3. 基本のレシピ
精進料理の基本となる「だし」も肉や魚は使えないため、昆布や干ししいたけ、豆、かんぴょう、切り干し大根などでだしをとります。厳格なルールは特にないので、お好みで組み合わせて作ってみましょう。ここでは昆布と干ししいたけでだしを取ります。
●精進だし
【材料】
干ししいたけ3枚~5枚
昆布10g~15g
水1リットル
【作り方】
① 干ししいたけ、昆布はそれぞれ乾いたふきんで丁寧に汚れを取る
② 鍋に分量の水を入れ干ししいたけをもどします。1時間~半日程度おきます。
③ ②に昆布を入れ弱火~中火にかけ、沸騰する手前で昆布を取り出します。
④ 火を弱め2分ほどしたら火をとめ、ざるにキッチンペーパーをしき、こします。
※だしを取った後の干ししいたけと昆布は細かく刻んで、人参やこんにゃく、豆などと一緒に煮ものにしていただきます。
いつもは鶏肉を入れて作ることが多い筑前煮ですが、野菜やこんにゃくだけのやさしい味わいもいいものです。
●精進筑前煮(2人分)
【材料】
れんこん100g
ごぼう50g
にんじん50g
干ししいたけ(精進だして使ったもの)3枚
こんにゃく50g
きぬさや5枚
酒大さじ3
みりん大さじ3
しょうゆ大さじ2
砂糖大さじ1
精進だし300g
酢・塩・油適量
【作り方】
① れんこん、ごぼうは一口大の乱切りにし、酢水にさらす。こんにゃくは手でちぎって下茹でする。
② にんじんは一口大にし、干ししいたけは大きさに合わせて半分もしくは1/4にする。きぬさやはへたと筋を取り塩ゆでし、斜め半分に切る。
③ 鍋に油を入れ熱し、れんこん、ごぼう、こんにゃく、にんじんを炒める。全体に油がまわったらだしと調味料を入れ煮立たせる。
④ 煮立ったらあくを取り、煮汁が1/3になるくらまいで弱火で煮る。しょうゆ、塩で味をととのえ火を止める。器に盛りきぬさやを飾る。
スーパーでもいろいろながんもどきが売っていますが、手作りすると格別においしくなりますよ。ぜひ揚げたてを食べてみてください。
●飛竜頭(ひりょうず)(2人分)
【材料】
豆腐300g
山芋(すりおろしたもの)50g
にんじん20g
しいたけ20g
ごぼう20g
きぬさや10g
ぎんなん10粒
塩・油・片栗粉適量
【作り方】
① 豆腐はキッチンペーパーに包み、重しをして2~3時間置く
② きくらげは水で戻して、いしづきを取り千切りにする
③ にんじん、しいたけ、ごぼう、きぬさやは細切りにする
④ ぎんなんはゆでて薄皮をむく
⑤ 豆腐をすり鉢に入れ、やまいも、塩少々を加え粘りが出るまでする
⑥ ⑤ににんじん、しいたけ、きぬさや、ぎんなん、片栗粉を入れよく混ぜ合わせる
⑦ 4等分に丸めて170度の油で5分揚げる
※野菜はお好みで変えてもOKです。
家にいる時間が長くなっている今、だしから丁寧にとった精進料理をゆっくりと味わうのもいいですね。
ぜひためしてみてはいかがでしょうか?