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投稿日:2020.09.16
更新日:2023.12.07

供養


お墓

意外と知らない?関東と関西のお墓・葬儀の違い

意外と知らない?関東と関西のお墓・葬儀の違い

日本の文化や風習は地域によってさまざまな違いがあります。言葉の違いや食文化の違い、生活習慣の違いはよく知られていますが、実はお墓や葬儀にも違いがあります。特に、関東と関西では収骨方法や骨壷の大きさ、葬儀までの日数などに違いがあり、引越しなどで移り住んだ方が文化の違いに戸惑うことも。今回は、意外と知られていない関東と関西のお墓や葬儀の違いについて、細かい部分まで解説します。

お墓にまつわる違い

お墓にまつわる違い

関東と関西のお墓の違いを聞かれて、墓石の色の違いにピンとくる方もいらっしゃるでしょう。しかし、違いはそれだけではありません。火葬後の収骨方法や骨壷の大きさ、墓石の形の違いなど、細かい違いを見ていきましょう。

収骨の違い(全骨収骨・一部収骨)

火葬後に遺族や親族が遺骨を拾い、骨壷に収めることを収骨(骨上げ)といいます。関東では足から腰・腹・胸と収骨し、最後に喉仏と頭蓋骨を収骨します。刷毛も使いお骨の粉まで集める「全骨収骨」が一般的です。

一方、関西では足から腰・腹・胸の一部を収骨し、最後に喉仏と頭蓋骨を収骨します。関西では「部分収骨」が一般的なため、喉仏を中心に収骨し、残ったお骨は火葬場で供養してもらうか、分骨しお寺の本山に収めたり手元供養をしたりします。

関東と関西で収骨方法が違う理由

関東と関西で収骨方法に違いがある理由は、明治時代まで遡らなければいけません。明治元年に明治政府が神道と仏教をはっきりと区別させるための神仏分離令を出し、その後、仏教思想に基づくとされる火葬が明治6年に禁止されました。

衛生面の問題から2年後に火葬禁止令は廃止されますが、このときに「火葬後の遺骨をすべて持ち帰るよう」通達されます。関東にはこの通達が行き渡ったため全骨収骨の風習が定着しましたが、関西には通達が行き渡らなかったため「一部収骨」の風習が定着したと考えられています。

関西には宗派の総本山が多く存在し、総本山に収める本骨(喉仏部分)を重視していました。本骨を中心に収骨し、残ったお骨は火葬場で供養してもらうのが主流だったため、通達が行き渡らなかった際にもともとのやり方に戻ったようです。

骨壷の大きさの違い

関東と関西では骨壷の大きさにも違いがあります。前述のように関東ではすべてのお骨を入れるため、骨壷の大きさは7寸程度(直径21cm)と大きめです。一方、一部収骨である関西の骨壷は3~5寸程度(9~15cm)と小さめです。

このように骨壷の大きさに違いがあるため、カロート(納骨室)の大きさにも違いがあります。関東のカロートは骨壷のまま収められるよう大きめの作りになっており、地面より上に設置されています。関西のカロートは関東に比べると約3分の1程度と小さく、地面より下に設置されている地域が多いです。また、関西では骨壷からお骨を出し、木綿の袋に入れ替えて納骨します。

お墓の違い

日本では、風化に強く丈夫な御影石が墓石によく使われていますが、関東と関西では色に違いがあります。関東では黒御影石を見かけることが多いでしょう。ところが関西では、黒御影石が採れなかったことから白御影石が多く使われています。関西では「黒い石材を使うと家が途絶える」との言い伝えがあることもその理由の一つです。

和型の墓石の形にも注目してみましょう。関東では水鉢と香炉が別々になっており、花を生ける場所が同じくらいの高さにあります。関西では水鉢と香炉が一緒になっており、花を生ける場所が高くなっています。

葬儀にまつわる違い

葬儀にまつわる違い

葬儀をどのように執り行うかは宗教や宗派によって異なりますが、関東と関西でも慣習に違いがあります。ここでは、葬儀までの日数や花輪と樒の違い、通夜ぶるまいなどについてご紹介します。

葬儀までの日数の違い

一般的に、関東では亡くなってから2~4日後に葬儀を行います。これは、式場だけでなく火葬場の予約も押さえなければいけないからです。葬儀の日程は火葬場の予約が取れてから決まります。首都圏など利用者が多い地域では、予約が集中する時間帯は火葬場の空きがない場合も少なくありません。希望する時間の空きが出るまで待ってから葬儀を行うのが一般化しているため、葬儀まで日数がかかります。

一方、関西では比較的火葬場の予約を押さえやすいため、亡くなった翌日に葬儀を行うことが多いです。

花輪と樒の違い

関東では葬儀会場の入り口に花輪を置きますが、関西では樒(しきみ)を置きます。樒とは法要などでも使用される常緑樹です。お線香の原料にもなる樒は特有の強い香りを持ち、「邪気を払う」「故人を悪霊から守る」と考えられてきました。

樒が葬儀で使われてきた歴史は古く、土葬のときにご遺体と一緒に埋める習慣があったようです。関西では供花や花輪よりも樒の方が格が高いと考えられています。

通夜の後の料理の有無

関東を中心に行われる慣習に、「通夜ぶるまい」と呼ばれるものがあります。お通夜の後に参列者全員に食事を振る舞う慣習で、参列者は飲み物や食べ物などを一口はいただくことがマナーとされています。

一方関西では、一般の参列者は通夜の後に食事をせず帰り、親しい知人や親戚など一部の人だけで食事をいただきながら故人を偲びます。

香典の違い

関東では香典を受け取るのが一般的ですが、近年の関西では香典の受領を断る傾向が高まっています。香典は本来、喪家の急な出費を助け合うという考えのものです。しかし、家族葬が増え比較的低予算で行えること、参列者へ金銭の負担をかけたくないという思い、香典返しを準備する手間を省くため、などの理由から香典辞退のケースが増えています。

一般参列者(友人やご近所など)からの香典は辞退するものの、親族からの香典は受け取るケース、反対に、親族同士では香典を出さないというケースもあり、地域や家庭の慣習によって異なることもあるでしょう。

香典の受領があった場合は四十九日法要が終わるタイミングで香典返しがありますが、香典の受領がなかった場合は香典返しもありません。

香典の金額の違い

香典の受領がある場合は、その金額が気になるものです。関東には通夜ぶるまいがあるため、関西よりも香典の相場が高くなっており、喪家と近い関係にあるほど高額になります。

<香典の金額の目安>

関東 関西
両親 10万円 5万円
兄弟姉妹 5万円 3~5万円
友人・知人 5千~1万円 3~5千円

両親の葬儀での香典が一番高額となっていますが、自分の親の葬儀で香典を出すことはあまりありません。兄弟姉妹の香典では、事前に相談して兄弟間で金額を揃えた方が良いでしょう。

水引の色の違い

香典袋の水引の色にも地域差があります。関東では黒白もしくは銀色の水引が一般的に多く使われていますが、京都を中心とした関西で使われるのは黄白もしくは銀色の水引です。銀色の水引(双銀)は、目安として5万円以上の香典の際に使われます。

地域の慣習に倣い適切に対応を

地域の慣習に倣い適切に対応を

関東と関西では、お墓や葬儀にまつわるさまざまな違いがあります。これらの違いは、歴史的な背景や地域の事情などによるものです。それぞれに違いはあっても、故人を偲ぶ気持ちに変わりはありません。地域の慣習に倣いながら、適切に対応できるようにしておきましょう。