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【お墓の継承】兄弟の相続順位・継承ルールや注意点を解説

【お墓の継承】兄弟の相続順位・継承ルールや注意点を解説

お墓の所有者である親や兄弟が亡くなった際、「誰がお墓を引き継ぐべき?」「お墓の継承ルールは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。近年、少子化や核家族化の影響により、お墓の継承問題で悩む方が増えています。今回は、お墓の継承の基本ルールや兄弟の相続順位、承継者の役割などについて解説します。いざという時にスムーズにお墓を相続できるよう、ぜひご覧ください。

1.お墓の継承の基本ルール

お墓の継承の基本ルール

まずは、親などからお墓を相続する際の基本的なルール・考え方を知っておきましょう。

お墓を相続するのは「祭祀承継者」

相続する家や土地、預貯金などを「相続財産」と呼ぶ一方、墓地・墓石・仏壇など先祖を祀るための財産を「祭祀財産」といいます。祭祀財産を受け継ぐ人を「祭祀承継者」といい、相続財産の相続人とイコールである必要はありません。

相続財産は何人かで分割して受け継ぐこともありますが、祭祀承継者は必ず1人です。また、祭祀財産の相続に相続税はかかりません。

法律上「長男、長女が継ぐ」決まりはない

財産相続の優先順位は民法で定められていますが、祭祀承継者の相続順位は法律で定められていません。これまで「長男や長女が継ぐもの」と考えられてきたのは、あくまで慣習的なもの。古い慣習が薄れてきた現代、次男など長子以外の兄弟がお墓を継ぐことも十分に考えられます。

お墓の継承について民法では次のように定めています。

民法 第897条

  1. 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前項の規定に関わらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
  2. 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

つまり被相続人(親など)の指定に従って承継者を決め、指定や慣習がなく決まらない場合は家庭裁判所で決めることになります。

2. 祭祀承継者の優先順位

祭祀承継者の優先順位

お墓の継承の基本ルールはわかりましたが、実際にはどのような決め方となるのでしょうか。祭祀承継者を決める一般的な優先順位を見ていきましょう。

被相続人が指定する

民法で定められている通り、被相続人による指定がある場合には、その方が第一優先となります。法的な効力を持つ遺言書で指定しておくことが理想ですが、口頭で指定することも可能です。被相続人が亡くなったあと、お墓の相続で家族がもめることのないよう、生前に話し合って祭祀承継者を指定しておくとよいでしょう。

慣習と話し合いで決める

被相続人による指定がない場合は、慣習と親族間の話し合いで決めます。近年、少子化の影響もあり、従来の慣習に縛られると相続に困るケースも。祭祀承継者がなかなか決まらない場合は、次の順に考えてみるとよいでしょう。

① 長男・長女
特段の問題がない場合、まず長男・長女と考えるのが一般的です。

② 長男以外の子ども・改姓した子ども
長男が遠方にいる場合や亡くなっている場合もあり、長男以外の子どもがお墓を継ぐケースが増えています。また、結婚して改姓した子どもが継ぐことも可能です。

③ 兄弟・姉妹・甥・姪など
子ども以外の親族に依頼することも可能です。ただし、お墓を管理する負担をかけるため、相応のお礼が必要となる場合もあります。

④ 血縁者以外の人
血縁者以外でも祭祀承継者になることはできます。後々のトラブルを防ぐために、事前に関係者の了承を得たうえで、書面に残しておきましょう。ただし、墓地によっては、承継者を親族に限定している場合もありますので、必ず事前に確認してください。

家庭裁判所の調停や審判

親族間での話し合いで決まらない場合、家庭裁判所に「祭祀承継者指定の調停、または審判」を申し立てます。家庭裁判所では、被相続人と相続人の関係性などを総合的に考慮し「被相続人が生存していれば指定したであろう者」を選ぶことになります。

3. 祭祀承継者の役割

祭祀承継者の役割

祭祀承継者にはおもに4つの役割があります。お墓を相続してから慌てないよう、事前にやるべきことを確認しておきましょう。

お墓や仏壇の維持管理

親族がお墓参りできるよう、お墓の手入れをして維持に努めます。また、墓地・霊園に管理費を支払う義務も発生します。

法要を主宰する

一周忌や三周忌などの法要を主宰するのも、祭祀承継者の役割です。僧侶の手配・親族への連絡・お布施やお供物・お花の準備などを行います。

遺骨やお墓の所有権を持つ

祭祀承継者が遺骨やお墓の所有者になるため、お墓を処分したり改葬したりする権利を持つことになります。「墓じまいをしたい」「永代供養墓に改葬したい」といった場合は、祭祀承継者の同意が必要となります。

檀家の務め

お墓が寺院墓地にある場合、その寺院の檀家になっていると考えられ、檀家としての務めも受け継ぐこととなります。檀家の務めに挙げられるのは、法要などの行事への参加・お布施・寄進などです。

4. お墓の継承のタイミング

お墓の継承のタイミング

お墓を引き継ぐタイミングは、今の祭祀承継者が亡くなった時が一般的です。しかし、後々のトラブルを防ぐため、生前のうちにお墓を継承する場合もあります。お墓の継承に法的な手続きは必要なく、名義変更の手続きにより祭祀承継者の変更が可能です。

5. お墓の継承方法

お墓の継承方法

お墓を継承することが決まったら、まずは墓地や霊園の管理者に連絡します。次に名義変更に進みますが、その際に必要な書類を確認しましょう。

必要書類の例

◯墓地使用許可証、または永代使用承諾証(墓地使用権を取得した際に発行される書類)
◯承継の理由を示す書類(元の承継者の死亡が記載された戸籍謄本など)
◯承継者の戸籍謄本や住民票
◯承継者の実印と印鑑登録証明書

そのほか、場合によっては遺言書、親族の同意書、家庭裁判所の審判書が必要なこともあります。どのような書類が必要か、あらかじめ墓地の管理者に確認しておきましょう。

名義変更の手数料

お墓の継承に必要な手数料は墓地や霊園によって異なりますが、目安は次の通りです。寺院墓地の場合はお布施も包みますが、金額は寺院によって大きく異なります。迷った時はお寺に問い合わせるとよいでしょう。
公営墓地…数百円〜数千円程度
民営墓地…数千円〜1万円以上
寺院墓地…手数料+お布施

6. お墓の継承の注意点

お墓の継承の注意点

祭祀承継者を決めるに当たって、事前に知っておきたい注意点をご紹介します。

墓地や霊園の使用規則を確認する

墓地や霊園によっては、「承継者は血縁者のみ」「承継者は3親等まで」「親族以外が継承する場合は霊園側の同意を得る」といった規則を設けている場合があります。祭祀承継者を決める前に墓地や霊園の規則を確認しておきましょう。

また、寺院墓地の場合は檀家としての務めも引き継ぐことになります。よって、ほかの宗派の人が承継者になることは難しいため注意が必要です。

継承する人がいない時は墓じまいも検討する

どうしてもお墓を継承する人がいない場合は、墓じまいして永代供養墓へ改葬することも考えられます。お墓を継承する人がおらず「無縁墓」となってしまうことはもちろん、お墓の継承問題で親族にもめごとが起きてしまうことを、ご先祖さまは決して望んではいないはず。自分や家族の人生を大切にしながら、ご先祖さまを供養できるお墓のあり方を検討してください。

7. お墓継承の基本ルールを知って、スムーズな相続を

お墓継承の基本ルールを知って、スムーズな相続を

従来の「お墓は長男・長女が継ぐべき」といった考えは薄れつつあります。大きな負担がかからず、信頼してお墓を任せられるという観点から、柔軟に祭祀承継者を選ぶとよいでしょう。ただし、霊園・墓地によっては、お墓を相続できる対象者を規則で定めているので事前に確認してください。お墓の継承問題がなかなか解決しない場合は、墓じまいや改葬も含め、家族が幸せになる方法をぜひ検討してくださいね。