投稿日:2022年3月18日
#7 お墓の簡素化について
全優石という組織ができたのは1983年です。その頃、お墓といえば墓地に墓石を建てるお墓でした。ところが現在では、樹木葬や合葬墓、ロッカー型や納骨堂あるいは散骨などお墓は多種多様化しています。
お墓が多様化、簡素化した背景には墓地作る土地の問題や核家族化、少子化、価値観などの多様化などさまざまな要因があります。しかし、お墓は単なる遺骨の預け場所ではありません。お墓はこの世に残された人の心の拠り所であり、亡き人との精神のふれあいの場です。
法律では合葬墓や樹林墓、ロッカーや室内陵墓などはお墓ではなく、納骨堂と定めています。納骨堂は他人の委託を受けて、焼骨を収蔵する施設と定めていますから、法律的には遺骨の預け場所であって、お墓ではありません。
お墓の簡素化を全面反対するつもりは最もありません。しかしながらお墓がなければ個人を偲び、敬う対象がなくなってしまいます。墓石がなければお墓参りに行かなくなり、『先祖を敬う』という日本人の精神文化は見失われていくのではないでしょうか。