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投稿日:2022年7月7日

#18 散骨について

近年散骨が流行りのように言われるきらいがありますが、撒いてしまったら二度と遺骨は戻りません。事実、撒いてしまった後、後悔されておられる方も多数いらっしゃいます。散骨された方の一番の理由は個人の意志を尊重してということですが、お墓は残されたご家族の心の拠り所としてもとても大切なものです。
お墓がないとお子さんやお孫さんたちはご両親やおじいちゃんおばあちゃんを思い出す対象が無くなってしまい語り継がれず、家族の存在すら消えてしまうのではないでしょうか。お墓は亡くなった方のためだけのものではないということですね。よくお考えになってからなさって欲しいと思います。
散骨は法律的にはどうなのかということをよく聞かれますが、お墓に関する取り決めをしている墓地埋葬等に関する法律に照らせば散骨は違法です。この法律では遺体又は焼骨を埋葬または埋蔵する場合は、市町村長が許可をした墓地以外には葬ってはならないと定めているからです。散骨する海や山は市町村長が許可をした墓地ではありませんので、法に照らせば違法行為です。しかし葬送の自由を守る会といういうところが、散骨は巻くのであって、埋葬埋蔵には当たらないと主張し、法務庁は節度を持って行う限り、遺棄罪には当たらないとして容認をしてしまいました。
問題は容認した際に散骨するにあたっての許可や届け出、改葬許可などの規制や罰則を何も定めなかったため野放しになっていることです。許可や届出不要ですから、死者の記録が何も残りません。これでは死者の尊厳はどうなるのでしょうか。
また散骨は墓埋法の大前提になっている『死者の遺体や遺骨は承継者が祭司し、保存・承継する』という日本人の道徳規範を否定するわけですから、先祖を敬うという精神文化・供養文化の消失にもつながるのではないでしょうか。法の整備が待たれますね。