投稿日:2022年4月22日
#12 墓石の形を勝手に変えていいのか
墓石の形を勝手に変えるのはよくない。墓石は仏塔として意義づけをされている五輪塔や三段型の墓石でなければいけないと言う墓制の先生がおられるようですが本当でしょうか。
仏塔として意義づけられた墓石は棹石正面の頭部に仏を表す仏像、或いは円を掘り、その下に南無阿弥陀仏の名号あるいは南無妙法蓮華経のお題目を刻み、側面には仏弟子となった証として故人の戒名、或いは法名を記します。そしてこの仏塔の原則を守れというのであれば一人一基ずつ立てるのが大原則です。もし一人一基ずつ建てたらそこら中、お墓だらけになってしまうのではないでしょうか。
この仏塔として意義付けをされたお墓も明治時代になると仏像や名号、お題目が欠落して、家族や故人の俗名が彫られるようになり、仏教的な意義付けが薄れていきます。さらに大正から昭和にかけて家制度導入され、黒人ばかりだった仏塔は、いえば先祖代々墓となり、佛弟子になった証として側面に掘られた戒名も墓誌や法名碑に刻まれるようになり、仏塔としてのはお墓は形骸化しました。
その家制度も崩壊し、核家族化少子化が進んだ今日、お墓も家族墓、夫婦墓、両家墓、個人墓と多様化し、お墓の形も様々になっています。ちなみに現在日本中で建てられている墓石の反半数以上が仏塔として意義付けがされていない洋型や人それぞれの思いが込められたさまざまな形のお墓です。これらのお墓はすべてダメとなったら大変なことになってしまいますよね。
墓石の形は変わっても変わらないのは先祖を敬うという日本人の心ですね。