投稿日:2022年3月18日
#8 墓石の形について
報恩供養を願って建てられる代表的な墓石塔として五輪塔があります。五輪塔は密教の五大思想の地・水・火・風・空を形に込めた墓石塔で平安時代の末期ごろから身分の高い方が建てるようになったお墓です。
一般庶民がお墓を建てるようになったのは江戸時代の中期ごろからで、当時江戸幕府がキリシタン禁止政策の一端として檀家制度を取り入れ、国民は全ていずれかのお寺に帰属することを義務付けました。嫌だと言う人はキリシタンとみなして取り締まったわけですね。そして、檀家となった庶民が建てるようになったのが、皆さんがご存知の和型と呼ばれる三段型のお墓です。
そして戦後20年が経過し、人々の生活が安定してきた昭和40年頃から空前の建墓ブームが起こり、寺墓地だけでは供給が間に合わず、欧米の墓地から学んだ公園のような霊園が次々とオープンし、そこにマッチする墓石として登場したのが洋型と呼ばれる横型の墓石です。
というわけで、一般の方が建てるお墓は昭和60年代の始めまで、この和形が洋型のいずれかで、形はすべて規格型しかありませんでした。人それぞれの生き方があるように、人それぞれの個性や想いがあるはず。そうであるならお墓も人それぞれの想いを込めたお墓づくりがあっても良いのではないかと考え、全優石では昭和62年にnewデザイン墓石を発表しました。
今では皆さん見慣れていらっしゃると思いますが、当時は規格型しかなかったわけですから、画期的な出来事として大きく報道されました。年々増えている自由な発想で、個性や想いを墓石に込めるをお墓作りを皆様もお考えになってはいかがでしょうか。