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未来のお墓研究所

投稿日:2022.2.9
更新日:2023.10.19

お墓

墓じまい

供養

 

「墓じまい」でよくあるトラブル事例を解説。トラブル防止と解決方法を紹介

「墓じまい」でよくあるトラブル事例を解説。トラブル防止と解決方法を紹介

近年、社会環境の変化やお墓に対する意識の変化により、「墓じまい」「改葬」をする人が増えています。ライフスタイルに合ったよりよい供養を目指して墓じまいしたはずが、思わぬトラブルに繋がることも少なくありません。今回は、墓じまいで起こりがちなトラブル事例と、トラブル防止・解決のポイントをご紹介します。

①墓じまいとは

墓じまいとは

「墓じまい」とは、今あるお墓を解体・撤去して処分し、更地にしてから墓地の管理者に返還することを指します。「改葬」はお墓の引っ越しと呼ばれることもあり、今あるお墓から遺骨を取り出しほかのお墓に移すことを指します。「墓じまい」は「改葬」の一部の作業を指す言葉ではあるものの、一連で行われる作業のため、同義で使われることも少なくありません。



②墓じまいに関するトラブル事例

墓じまいに関するトラブルは、大きく「親族とのトラブル」「石材店とのトラブル」「菩提寺とのトラブル」の3つに分類できます。3つの分類ごとに、よくあるトラブル事例を見ていきましょう。

1.親族とのトラブル

親族とのトラブル

お墓に対する価値観は人それぞれです。先祖代々のお墓を撤去することに抵抗がある方もいるでしょう。たとえ、お墓を相続した人が墓じまいを決めたとしても、親族間で意見の食い違いがありトラブルに発展するケースもあるので注意が必要です。

「親族の了解を得ずに墓じまいをした」

親族との話し合いが不十分なまま墓じまいを進めてしまい、関係性が悪化したり、疎遠になったりするケースがあります。さらには、継承者の独断で墓じまいを執り行い、ほかの親族がお墓参りに行って初めて、墓が無くなっていることに気づくケースもあるようです。

また、両親が子どもに迷惑をかけまいと、墓じまいして合祀墓などに移すケースがあります。後になって子どもが別の場所に改葬しようとして初めて、遺骨が二度と戻らないとわかってトラブルになることもあります。

「墓じまいの費用負担で揉める」

墓じまいには、墓石の撤去・解体費用、申請手続き費用、改葬先での費用などさまざまな費用がかかります。改葬先のお墓の種類によって費用に幅はありますが、相場は30万円〜300万円ほどです。兄弟や親族も費用を負担してくれるものと思って墓じまいを進めたものの、負担を断られたり、費用が原因で墓じまい自体に反対されたりするケースがあります。

「誰が祭祀承継者になるかで揉める」

民法では、祭祀承継者は「故人の指定か、慣習で決める」とされています。遺言書などによる指定がない場合、親族間の話し合いで祭祀承継者を決めるのが一般的です。長男・長女に譲る場合が多いですが、最近では長男以外の子どもや改姓した子ども、血縁者以外の方が祭祀承継者になるケースも増えています。

しかし、お墓に入らない改姓した子どもが祭祀承継者になることについて、異議を唱える親族もいるでしょう。また、古くからの寺院墓地の場合、血縁者以外の祭祀承継者を認めていない場合もあります。よく見られるトラブルとしては、「誰もお墓を継ぎたがらない」などの祭祀承継者のなり手がみつからない問題が挙げられます。

2.石材店とのトラブル

石材店とのトラブル

墓じまいで墓石を撤去する際、石材店に依頼するのが一般的です。日頃、頻繁に石材店と取引することもないため、確認不足や知識不足などでトラブルに繋がるケースもあります。

「高額の撤去費用を請求される」

撤去費用の相場は、1㎡で8万円〜10万円程度。個人の遺骨を取り出す作業を行なった場合、一柱3万円程度が相場です。しかし、お墓の立地環境によっては機材が入らず作業時間や人手が増えるため、想定よりも高額な撤去費用が請求されることがあります。中には、石材店が撤去した墓石を不法投棄していたなど、悪質な業者が原因のトラブルも少なくありません。

「業者選び・相見積もりができない」

公営墓地以外の民間墓地や寺院墓地では、提携先の石材店があるのが一般的です。それらを指定石材店といいます。ほかに頼みたい石材店があったとしても、指定石材店以外の業者が霊園・寺院に出入りすることはできません。その場合、複数の石材店を比較するための相見積もりも出すことはできないのです。

3.菩提寺とのトラブル

菩提寺とのトラブル

菩提寺とは、檀家のお墓を守り、葬儀や法事を請け負ってくれるお寺のこと。檀家とは、その寺院に所属し、お布施などで寺院の経済的支援をする家系をいいます。代々関係を築いてきた菩提寺と檀家ですが、墓じまいの際にトラブルになることも多いようです。

「改葬が認められない」

近年、特に地方部などでは過疎化が進み、檀家が減り続けている寺院も多くあります。檀家が減るということは、寺院にとっては経営が成り立たなくなる死活問題。したがって、寺院との折り合いがつかず、改葬許可申請書への署名・捺印をもらえない、遺骨を渡してもらえない、閉眼供養をしてもらえないなどのトラブルに発展することもあるようです。

「高額な離檀料を請求される」

墓じまいに必要なお布施は、基本的に「閉眼供養(魂抜き)」の法要に対してのみ発生します。しかし、墓じまいに伴い離檀となる場合、お世話になった感謝を込めてお布施を渡す習慣があります。法的には支払い義務はありませんが、墓じまいでは必要なマナーと考えておくとよいでしょう。

離檀料としてのお布施の相場は3万円〜20万円程度ですが、中には法外な金額を寺院から要求されるケースがあるようです。払えない場合、離檀を認めない、遺骨を引き取らせないなど、問題が拗れてしまうこともあります。

「許可を取らずに墓石工事を行おうとした」

墓石工事を行うには、「改葬元の許可を得ている」ことが必須条件です。改葬元に墓じまいの意思を伝え納得してもらったうえで、指定石材店の有無を確認して工事の許可をとります。墓地で大掛かりな工事を行うため、墓地管理者には事前に話をしておく必要があります。

また、工事の前には住職による法要「閉眼供養(魂抜き)」が行われるのが仏事の慣例です。閉眼供養を行なっていないと、工事をしてくれない石材店も存在します。



③墓じまいのトラブル防止・解決のポイント

墓じまいのトラブル防止・解決のポイント

ここからは、トラブルを起こさないためのポイント・トラブルが起きた場合の解決方法を見ていきましょう。いずれのトラブル防止・解決方法においても、事前に対応できるよう余裕を持って墓じまいを進めることがポイントといえます。

親族と綿密なコミュニケーションを図る

お墓の維持管理の権限は祭祀承継者にありますが、お墓を大切にしたいという親族の気持ちは尊重されるべきです。墓じまいの賛否はもちろん、改葬先の供養方法で意見の食い違いが起こることもあるので、十分に話し合い、より多くの親族が納得できる形で進めましょう。

万一トラブルになってしまった場合は、真摯に話し合って両者が納得のいく方法を取るほかありません。人間関係の悪化にまで発展すると、すぐに解決することは困難。しかし、故人や先祖に気持ちよく眠ってもらうためにも、粘り強く対話を重ねていきましょう。

信頼できる業者を探す

あらかじめ、墓地や墓石について質問・相談できる業者を見つけておくのが理想です。口コミや紹介を利用し、信頼できる業者を探しておくとよいでしょう。墓じまいにかかる費用にはさまざまな項目があります。その費用相場を知っておくだけでも、見積もりを判断する基準になります。金額交渉や、不審な点にも気づきやすくなるので、事前に費用相場の知識をつけておくこともポイントです。

書面の契約書がない・大幅な値引きをしてくるなど少しでも不審に思う業者であれば、他社をあたることをおすすめします。

見積もり・打ち合わせを慎重に行う

石材店とのトラブルを防ぐためには、事前の情報収集と見積もりが何よりも大切になります。複数の石材店から見積もりを取って比較検討してください。また、自分の要望をしっかり伝える・わからないことや不安な点を一つひとつ質問する・情報共有をきちんとする、など石材店と綿密に打ち合わせをしましょう。

民間墓地や寺院墓地では、指定石材店から見積もりを取ることになります。見積金額が相場とかけ離れている場合は、内容についてしっかりと説明してもらってください。それでも納得できない場合、ほかの業者に見積もりを取らせてほしい旨を寺院に相談してみましょう。

菩提寺・霊園とのていねいな対話を行う

改葬を検討している段階で、菩提寺・霊園の関係者に日頃の感謝を述べたうえで、改葬の意思・理由をていねいに伝えましょう。きちんと理由を伝えても離檀・改葬を認めてもらえない場合は、行政書士などの第三者に相談するか、寺院の宗派の本山に相談するという手段もあります。

本来、寺院規則に記載がない限り、離檀料を支払う義務はありません。憲法20条の「信教の自由」に反するためです。離檀の拒否・高額な離檀料の請求にあったら、専門家に相談するとよいでしょう。

弁護士や専門知識を持った第三者に相談する

石材店からの請求額があまりにも高額であれば、明細を問い合わせてみる・自治体の補助を調べてみる・弁護士などの第三者に委ねる、などの方法があります。また、詳細を明記した見積書、工事内容や金額・支払い時期や引き渡し時期などを細かく記載した工事請負契約書を作成しておくと安心です。

国民生活センターのホームページでは、墓じまいや離檀料に関するトラブル事例が紹介されています。墓じまいを検討している方は、ぜひ事前に参照してください。石材店や寺院とのトラブルに発展した場合、国民生活センターや地域の消費者センターに相談するとよいでしょう。



④事前の話し合いや情報収集がポイント。困った時は第三者へ相談を

事前の話し合いや情報収集がポイント。困った時は第三者へ相談を

墓じまいに関するトラブル事例を「親族とのトラブル」「石材店とのトラブル」「菩提寺とのトラブル」の3つのテーマでご紹介しました。ほとんどのトラブルに共通するのは、事前の話し合いや下調べが不足していることが要因であること。つまり、事前の話し合いや情報収集で防げるトラブルが多いといえます。そのためには、余裕を持ったスケジュールで墓じまいを進めることが重要です。また、トラブルの収拾に困った時は一人で抱え込まず、周囲の人や第三者に相談して解決していきましょう。