未来のお墓研究所
墓じまい
供養
遺骨は自宅で安置
手元供養する前に知っておきたい事
今回は手元の供養の種類や注意点などについて紹介します。
1. 手元供養の注意点
カビの発生を防ぐ
湿度の高い日本では、保管の仕方によって遺骨にカビが発生してします。このカビを防ぐためには、遺骨の保管場所は水回りの近くを避け、風通しが良く直射日光が当たらない場所にした方がいいでしょう。また、温度差が激しくなる窓の近くもカビが発生しやすくなります。また骨壺はしっかり密閉できるものを使用するか、細かく砕いて真空パックにして保管するのもおすすめです。
親族間のトラブルを防ぐ
親族の中には考え方や価値観の異なる人がいるものです。特に高齢の方の中には遺骨が家になるのを気持ち悪いと感じたり、罰が当たると考える人がいますので、事前によく話し合っておくことが大切です。
紛失を防ぐ
分骨してアクセサリーなどに入れて身に着けるタイプのものは紛失しやすいので注意が必要です。また骨壺に入れて自宅に安置している場合は、地震や水害などで紛失する可能性があります。こういったリスクを避けるためには、いくつかに分骨して保管するといいでしょう。
2. 遺骨の供養先を決めておく
手元供養で安置している遺骨は、自分が亡くなった後遺骨の供養先をどうするのかを決めておく必要があります。
家族がいる場合は家族に依頼しておくのもいいでしょう。継承者がいない場合は、自分の遺骨と一緒に埋葬したり、永代供養の墓に予約をしておくケースもあります。
遺骨の供養先
一般墓
すでにお墓を所有している場合は、埋葬許可証とともに分骨証明書を出してお墓に納骨してもらいます。
永代供養墓
お墓を継承していく人がいなかったり無宗教の人は、墓地の管理者が代わりにお墓を管理・供養してくれる永代供養墓を選ぶといいでしょう。永代供養墓にはいくつかの種類があります。
樹木葬
近年需要が増えているのが樹木葬です。樹木をシンボルツリーにしたり、花壇のようにお花が植えられているものなどさまざまなタイプが出ています。多くの人と一緒に納骨されるので比較的費用が抑えられます。
散骨
遺骨をパウダー状に粉砕し、海や山などの自然の中にまく方法です。散骨できる場所は市町村によって決められていることがありますので、事前に確認する必要があります。もしくは散骨を請け負う専門業者がいるので委託することもできます。
3. 手元供養 遺骨の保管方法
手元供養とは故人の遺骨をお墓ではなく自宅などの身近に置いて供養する方法です。
手元供養には遺骨のすべてを自宅で保管する全骨安置と、一部だけを保管する分骨安置があります。
全骨安置
全ての遺骨を手元に置く場合、骨壺に入れそのまま保管したり、遺骨を細かく粉骨して小さい骨壺に入れ替えて保管します。遺骨の全部をそのまま入れるためには個人差はありますが7寸前後の骨壺が必要です。最近ではさまざまなデザインの骨壺もあり、一見骨壺とわからないものがあったり、骨壺を入れておける仏壇も出ています。
分骨安置
遺骨の一部だけを分骨し自宅で供養したり身に着けたりし、残りの大部分を墓地に納骨したり散骨したりするのが分骨安置です。手元供養というとこちらの分骨安置の方が主流です。
火葬前に分骨することが分かっている場合は、火葬場で「分骨証明書」を発行してもらいます。遺骨はお骨上げの時に別の容器を用意しておき、後で細かく粉骨するなどして他の容器に入れ替えます。
改葬などの際、一度納骨した遺骨を取り出し分骨する場合は、墓地の管理者に「分骨証明書」を発行してもらいます。
「分骨証明書」は分骨していた遺骨をお墓に納骨してもらう際に必要となりますので、きちんと保管しておきましょう。