未来のお墓研究所
供養
香典返しの品物は何にしたらよい?
時期や相場、マナーまで解説
目次
1. 香典返しの品物は何にしたらよい?|よいもの・避けるべきもの
香典返しは、四十九日法要の後や香典を受け取った日に渡すのが一般的です。多くの人にとって香典返しの準備は慣れない作業であるため、葬儀や法要の準備と並行して進めるのは負担になることでしょう。
そこでまずは、香典返しの品物としてよいものと避けるべきものを紹介します。香典返しの品物で迷っている人はぜひ参考にしてください。
よいもの
香典返しは「不祝儀を残さない」という考えから、お菓子やコーヒー、砂糖などの食品、洗剤やせっけん、タオルなどの日用品といった、あとに残らないものが好まれます。日常的によく使うものならすぐに消費できますし、お茶やお菓子は「食べながら故人を偲んでください」という意味も込められます。
ただし、食品の場合は相手がいつ食べるか分からないので、日持ちするものを選びましょう。また、日用品はすでに持っているものであるため、家庭によっては余ってしまう場合もあります。そのため、上質なものやその土地ならではのものを選ぶなどの工夫をすると良いでしょう。
最近では、商品券やギフト券を選ぶケースも増えています。ただしこれには賛否両論あり、好きなように使えるというメリットがある一方で、あからさまに金額がわかるので非常識だと考える人もいます。風習やしきたりを重視する方や高齢の方が多い場合は注意しましょう。
避けた方がよいもの
後に残らないものでも、「四つ足生臭もの」とよばれる肉や魚はマナー違反とされています。というのも、地域や宗教によっては弔明けまで肉や魚を控える風習があるからです。そのため、どんなに高級なものであっても肉類魚類は避けましょう。カタログギフトを渡し、その中から選んでもらうのは問題ありません。
また、お祝い事で贈られる鰹節や昆布は、慶事を象徴する品物であるため、香典返しの品物には向いていません。お酒もお供え物の意味合いが強いため、香典返しの品物には不向きとされています。
2. 香典返しの相場
香典返しの相場は、いただいた香典の半分~1/3が一般的です。例えば、1万円の香典をいただいた場合は3,000~5,000円の香典返しを渡します。
香典の金額は人により異なるため、金額に応じた品物を数種類用意することになります。いただいた金額に対して安くても失礼になりますが、高額すぎても相手に気を遣わせてしまいます。そのため、誰からいくらの香典をいただいたかをしっかりメモしておきましょう。
なお、親族や身内から高額の香典をいただいた場合は、お返しの金額にこだわる必要はありません。故人との関係や日頃の付き合いなどを考えた上で、無理のない金額の品物を渡しましょう。
3. 香典返しで注意したいマナー
香典返しには、良いものと避けるべき品物がありますが、そのほかにも注意したいマナーがあります。では、香典返しを贈るときはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
香典返しのタイミング
香典返しは、宗教や宗派によって異なりますが、忌明け後(亡くなってから30~50日後)に渡すのが一般的です。
この場合は、喪主が直接持参するか、お礼の気持ちを綴った挨拶状とともに配送しましょう。
また、当日返し(即日返し)と言って、葬儀の当日に香典返しを渡すこともあります。この場合は、香典をいただいた人すべてに同じ品物を渡しましょう。高額な香典をいただいた場合は、忌明け後に改めて返礼品を贈ります。
当日渡した香典返しといただいた香典の差額分を目安にすると良いでしょう。
掛け紙
香典返しの品物には、熨斗ではなく掛け紙と呼ばれる紙を付けるのが一般的です。熨斗は一般の贈答や慶事に使われるものであるため、香典返しを贈るときには使いません。掛け紙は、仏式は白と黒、藍色と銀色の水引が付いたもの、神式やキリスト教式は白と黄色の水付きの付いたものといったように、宗教や地域によって種類が異なります。また、掛け紙の中央には「志」「満中陰志」「茶の子」といった「表書き」を書きますが、こちらも地域や宗派によって異なります。掛け紙や表書きについて分からない場合は、親族や葬儀業者に相談してみましょう。
4. 【贈る相手別】香典返しの品物でよく選ばれるもの
香典返しは食品や日用品などが定番ですが、葬儀や法要などの準備をしながら香典返しの品物を選ぶのは大変なことです。忙しい中で喜ばれる品物を選ぼうと思っても、何がいいのか迷ってしまう人も多いでしょう。そこで次に、贈る相手別に良く選ばれる香典返しの品物を紹介します。
身内・親族
香典の金額が高額になることも多い身内や親族。いただいた香典が高額の場合、香典返しの品物の金額は1/4~1/3でも問題ありません。品物としては、お菓子や調味料、そうめんなどの他、タオルやグルメ詰め合わせなどがよく選ばれます。タオルは値段の幅が広いため、金額に合わせて選べるというメリットがあります。
また、高額だと贈れる品物が限られてしまうため、金額に応じたカタログギフトを贈るのも良いでしょう。カタログギフトであれば、香典返しにタブーとされている肉類や魚類を選んでもらうことも可能です。
会社関係者
会社名義や複数名義から香典をいただいた場合は、複数人で分けることを考え小分けできるお菓子が便利です。
お茶やコーヒーなどその場で飲めるものも良いでしょう。専門店のコーヒー、フレーバー付きの紅茶などユニークなものを選ぶと喜ばれるかもしれません。分けるときに困らないように、十分な数が入っているものが良いでしょう。
個人でいただいた場合は、食品や日用品、カタログギフトがなどおすすめ。好みが分からない場合は、ハンドソープや洗剤などあっても困らないものが無難です。社内で直接渡す場合は、かさばらず持ち帰りやすいものを選ぶと良いでしょう。なお、会社関係者からの香典は、福利厚生や交際費としていただくケースも多いため、香典返しが不要な場合もあります。受け取りを辞退されることもあるため、事前に確認しておきましょう。
友人
友人の場合も、お菓子やお茶、海苔、タオル、洗剤などが香典返しの品物としてよく選ばれます。できれば、年齢や好みに合わせた選択をしましょう。高齢ならお茶や名店の和菓子、若い方ならいい香りのするバスグッズ、見た目がオシャレなお菓子などもおすすめです。
好みが分からない場合は、金額に合ったカタログギフトを贈るのも良いでしょう。喪主の気心知れた人なら、商品券でもかまいません。商品券の場合は、宅配便ではなく書留などで送ります。連名でいただいた場合は、小分けのお菓子やスティックタイプのコーヒーなど、みんなで分けやすいものが良いでしょう。
5. 相手が喜ぶ香典返しの品物を贈ろう
香典返しは、不幸を後に残さないという考えから、消えてなくなるものがふさわしいとされています。そのため、お菓子やお茶、海苔といった食品、タオルや洗剤といった消耗品がおすすめです。昨今では、相手に好きなものを選んでいただけるカタログギフトも定番となっています。
一方、「四つ足生臭もの」と呼ばれる肉や魚類はタブーとされているため、避けることが多いです。鰹節や昆布、お酒も慶事に贈られるものの象徴であるため、香典返しには向いていません。