未来のお墓研究所
お墓
墓じまい
供養
墓じまいのお布施の金額相場とは
お布施のマナーや全体の流れも解説
目次
1. 墓じまいのお布施の金額相場
墓じまいをするときは、物理的に墓石を撤去し更地にするだけでなく、供養の儀式も行います。また、新しい納骨先でも供養のお布施が必要になることもあります。お布施は、お経をあげてくれたことへの対価ではなくお礼のお金であるため、金額に明確ルールなはありません。地域やお寺によって異なるため、具体的に知りたい場合はお寺や知人に聞いてみましょう。とはいえ、だいたいどれくらいかかるのか相場を知っておきたいところ。まずは、閉眼供養と開眼供養でのお布施の相場をそれぞれ紹介します。
閉眼供養
閉眼供養とは、墓じまいやリフォームなどで遺骨を取り出す際に、お墓に宿っている先祖の魂を抜く儀式です。
宗派によっては、「脱魂式」や「抜魂式」、「御精根抜き」などと呼ばれることもあります。閉眼供養は、お寺の墓地だけでなく公営墓地や民間墓地の場合でも、行う必要があると考えられています。
閉眼供養のお布施の相場は、3~10万円程度です。地域やお寺によって金額に開きがあり、先祖代々の付き合いがある場合や格式高いお寺の場合は、20万円程度になるケースもあります。また、最近ではネットで僧侶を手配することも可能で、この場合は比較的安く相場は3~5万円です。
開眼供養
開眼供養は、お墓を新しくしたときに魂を宿してもらうための儀式で、「魂入れ」「お性根入れ」とも呼ばれます。
寺院にお墓を構える場合は、開眼供養を行う必要があります。民営墓地や公営墓地に構える場合、合葬・散骨の場合は、必ずしも行わなければいけないものではありません。ただし、僧侶を呼んで開眼供養することも可能なので、その場合はお布施を用意しましょう。
開眼費用の相場は3~5万円程度です。単体で見ればそれほど高くはありませんが、納骨式や法要と同時に行う場合は高額になることもあるので注意しましょう。閉眼供養も開眼供養もお寺の宗派や格式、付き合いなどによって風習が異なるため、事前に確認すると良いでしょう。
2. 墓じまいのお布施に関するマナー
墓じまいのお布施は、お経をあげて供養してくれた僧侶に感謝の気持ちを伝えるためのものです。しかし墓じまいを行う機会はそう多くないため、お布施の渡し方が分からないという人も多いでしょう。そこで次に、墓じまいのお布施に関する基本的なマナーを4つ紹介します。
お布施の袋
お布施を包む袋に厳密な決まりはありません。不祝儀袋や御布施と書かれた封筒で問題ないでしょう。これらは、コンビニや100円ショップなどでも購入できます。宗派や地域によって風習が違うため、不安な場合は事前に確認しておきましょう。
表書き
表書きは「御布施」と書くのが一般的です。すでに印刷されている袋ならそのまま、記載がなければ濃墨のペンなどで書きます。お悔み事と混同して「薄墨」を使わないように注意しましょう。
また、袋の下部には自分のフルネームか、「◎◎家」と苗字を書きます。裏側には氏名や住所、電話番号、金額などを書くのが一般的です。
お札の入れる向き
お布施は、肖像画が表かつ上向きになるように袋に入れます。お札は新札でも古いお札でもかまいませんが、あまりに汚れているお札は避けましょう。香典は古いお札を裏向きで入れますが、お布施は逆なので注意してください。
渡すタイミング
お布施を渡すタイミングは、供養を行う前後が無難です。供養前に渡すなら、「本日はよろしくお願いいたします」と僧侶に挨拶するタイミングが良いでしょう。供養の後なら、お経が終わった後「本日はお勤めありがとうございました」と挨拶をするときに渡すと自然です。お布施は袱紗(ふくさ)で包み、そこから取り出して渡しましょう。
3. 墓じまいでお布施以外に必要なお金
墓じまいでは、お布施以外に御車代や御膳料と呼ばれるお金が必要になる場合もあります。ここでは、御車代と御膳料について詳しく説明します。
御車代
御車代は、僧侶に遠方まで来てもらう場合に渡すお金です。移動にかかる交通費と考えておくと良いでしょう。御車代の相場は5,000~1万円程度です。菩提寺で供養を行う場合や遺族が送迎を行う場合、御車代は必要ありません。新幹線や飛行機での移動が必要な場合は、実費に見合った御車代を渡すこともあります。
なお、お布施と御車代は別々に包むのがマナーです。
御膳料
御膳料とは、法要後の会食に僧侶が出席しない場合、おもてなしの代わりに渡すお礼のこと。相場は5,000~1万円程度です。御膳料は、お布施や御車代と一緒にせず、別の袋で渡しましょう。僧侶が複数できた場合は、ひとつの袋にまとめて渡します。なお、会食に僧侶が出席した場合、御膳料は必要ありません。
4. 墓地ごとに見る墓じまいのお布施の注意点
墓地には大きく分けて、寺院墓地、民営墓地、公営墓地の3種類があります。墓じまいの際はお布施が必要だと説明しましたが、その詳細は墓地の種類によって異なります。では、墓地の種類によって墓じまいのお布施にはどのような違いがあるのでしょうか?
寺院墓地
寺院墓地は、お寺が管理・運営している墓地で、お寺の境内にある場合と離れた場所にある場合があります。寺院で墓じまいをする際、閉眼供養は必須と言えるため、お布施も包む必要があります。また、お布施以外に5~20万円程度の離檀料も渡すのが一般的。
お布施や離檀料の金額は決まったルールがあるわけではなく、僧侶に直接聞いても「お気持ちで結構です」と言われることが多いです。どうしても知りたい場合は「みなさんどれくらい包まれていますか?」という聞き方がおすすめです。
また、同じ寺院で墓じまいをした人や親族に相談するのも良いでしょう。
民営墓地
民営墓地は、宗教法人や社団法人などから委託された民間企業が管理・運営している墓地を指します。民営墓地の場合、必ず閉眼供養をしなければならないというわけではありません。閉眼供養をしないのであれば、お布施も必要ありません。ただし、閉眼供養をしていないお墓の解体は、石材店から敬遠される傾向があります。そのため必須ではないにしろ、民営墓地の墓じまいでも閉眼供養を行い、お経をあげてくれた僧侶にお布施を渡した方が良いでしょう。
公営墓地
公営墓地は、都道府県や市町村、または自治体から委託された企業が管理・運営する墓地です。民営墓地と同様、閉眼供養は必須ではありませんが、後のトラブルを避けるためにも行った方が無難です。閉眼供養をする場合は、当然お布施も必要になります。
5. 墓じまいをする際はお布施を準備しよう
墓じまいをする際は、墓石の解体や撤去といった物理的な作業だけでなく、供養の儀式も行うのが一般的です。
供養してくれた僧侶に対しては、お布施と呼ばれるお礼を渡すのがマナーとされています。お布施の相場は3~10万円程度と言われていますが、地域やお寺によって差があるため、不安な場合は親族やお寺に確認してみましょう。
また、お布施以外に御車代や御膳料などが必要になる場合もあるため、合わせて確認しておくと良いでしょう。お布施を渡すタイミングは、供養のお経をあげる前後が無難です。新札でも古札でもかまいませんが、表書きをした袋に肖像画が上になるように入れ、袱紗から取り出して渡しましょう。
墓じまいをする際にお布施でお困りなら、ここで紹介した内容を参考にしながら準備をしてみてください。