未来のお墓研究所
供養
初盆(新盆)のお返し|金額相場・掛け紙の書き方・おすすめ品までマナーを解説
目次
- 初盆(新盆)とは?|通常のお盆と初盆の違い
- 初盆のお返しは必要?|その意味とマナー
- 返礼の対象は香典・供物をいただいた方
- 相手に気を遣わせない、実用的な品が基本
- 初盆のお返しを渡すタイミングと方法
- 法要当日に手渡しするケース
- 後日郵送するケース
- お礼状に書くべきこと
- 初盆のお返しにかける金額とおすすめ商品
- 相場の目安|香典の半返しが基本
- 500円前後のおすすめ品
- 1,000〜1,500円前後のおすすめ品
- 5,000円前後のおすすめ品
- 避けたい品物|お返しには不向きなものもある
- 掛け紙の書き方と包装マナー
- 掛け紙とのし紙の違いは?
- 掛け紙は結び切りのデザインを使う
- 表書きには「志」や「初盆志」を使う
- 初盆のお返しに関するよくある質問
- お返しを辞退された場合はどうすればいい?
- 高額な香典をいただいたときの対応は?
- 地域や宗派の違いがある場合はどう考える?
- 初盆のお返しを受け取った側はどうすればいい?
- 初盆のお返しは、基本のマナーを押さえて「ありがとう」の気持ちを大切に
初盆(新盆)とは?|通常のお盆と初盆の違い
「初盆(はつぼん)」または「新盆(にいぼん)」とは、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことを指します。一般的なお盆と同じ時期に行いますが、意味合いが少し異なります。
四十九日の忌明けを終えたあと、初めての夏に迎えるお盆が「初盆」であり、特に手厚くご供養をするのが昔からの習わしです。地域によっては僧侶を招いて法要を営んだり、親戚を招いておもてなしをしたりと、いつものお盆以上に心を込めて準備することが多いようです。
初盆のお返しは必要?|その意味とマナー
初盆では、香典や供物をいただくことが多く、それに対して感謝の気持ちを込めたお返しをするのが一般的です。お返しは「誰に渡すのか」「どんな品を選ぶのか」など、基本的なマナーをご紹介します。
返礼の対象は香典・供物をいただいた方
お返しは、法要に出席してくださった方だけでなく、香典を送ってくださった方や、供え物を贈ってくださった方にもお届けします。直接お会いできなかった場合でも、返礼によってお心遣いへの感謝を伝えることが大切です。
相手に気を遣わせない、実用的な品が基本
お返しの品は、高価なものである必要はありません。むしろ、相手に気を遣わせないような、日常使いできる実用的なものが喜ばれます。
たとえば、日持ちのするお菓子やお茶、タオルや洗剤などの消耗品などが定番です。「もらって困らない」「置き場所に困らない」そんなさりげない配慮が、心のこもったお返しとして伝わります。
初盆のお返しを渡すタイミングと方法
どんな品を選ぶかと同じくらい、「いつ、どうやって渡すか」もお返しの大切なマナーです。手渡しか郵送かによって、気をつけたいポイントが変わってきます。
法要当日に手渡しするケース
法要に足を運んでくださった方には、帰り際にお返しの品を手渡しするのが一般的です。この場合、お礼状は添えず、品物のみを丁寧にお渡しすれば失礼にはあたりません。
あらかじめ袋に入れた状態で準備しておくとスムーズです。「本日はありがとうございました」とひと言添えるだけでも、しっかりと気持ちは伝わります。
後日郵送するケース
遠方にお住まいの方や、法要に出席できなかった方には、法要後2週間以内を目安に返礼品を郵送するのがよいでしょう。
この場合は、感謝の気持ちをきちんと伝えるために、お礼状を必ず添えるようにします。また、掛け紙は「内掛け」にするのが一般的です。お届けの方法が変わっても、丁寧な心配りを忘れないようにしましょう。
【内掛け・外掛けとは】
内掛けは、品物に掛け紙をかけたあとに包装紙で包む方法で、主に郵送する場合や、香典返し・内祝いなど控えめに贈りたいときに使われます。
一方、外掛けは包装紙の上から掛け紙をかける方法で、直接手渡すときや、お祝い事などで贈り物をはっきり見せたいときに選ばれます。
なお、「掛け紙」ではなく「のし紙」の場合は、それぞれ「内のし」「外のし」と呼ばれます。
お礼状に書くべきこと
お礼状は長々と書く必要はありませんが、次の3点を押さえておくと安心です。
「故人の名前」「初盆供養への感謝」「香典・供物などのお心遣いへのお礼」。この3つを盛り込むことで、きちんとした印象になります。印刷したものでも失礼ではありませんが、できれば手書きでひと言添えると、より温かみが伝わります。
初盆のお返しにかける金額とおすすめ商品
お返しの品を選ぶとき、いちばん迷いやすいのが「金額」と「何を贈るか」。相場の目安を知っておくことで、選びやすさもグッと高まります。ここでは、一般的な金額感と、価格帯ごとのおすすめ品をご紹介します。
相場の目安|香典の半返しが基本
初盆のお返しでは、いただいた香典の「半額〜3分の1程度」を目安にするのが一般的。金額にすると、1,500円〜5,000円前後がよく選ばれる範囲です。
あまりに高額すぎると、かえって相手に気を遣わせてしまうこともあるため、無理のない範囲で丁寧な気持ちを伝えることが大切です。
500円前後のおすすめ品
個包装のお菓子、コンパクトな洗剤セット、タオル、入浴剤など、日常の中で気軽に使える品がおすすめです。ほんの気持ちとしてお返ししたいときや、供物へのお礼として用意したい場合などに重宝します。
1,000〜1,500円前後のおすすめ品
タオルセットやお茶、焼き菓子、乾麺など、どの年代の方にも受け入れられやすい「消えもの」が中心です。「たくさんの方にお渡しするから、迷ってしまう……」というときは、お返しとしてもっとも選ばれやすいこの価格帯で実用的なものを選ぶと安心です。
5,000円前後のおすすめ品
今治タオルや老舗の和菓子、佃煮やスープなどの高級食品のほか、最近は選べるカタログギフトも人気です。香典が1万円以上など高額だった場合には、5,000円前後の品を選ぶと良いでしょう。
避けたい品物|お返しには不向きなものもある
初盆のお返しでは、意味合いや縁起を考慮して、避けた方がよい品物もあります。以下のようなものは、相手に気を遣わせてしまうこともあるため注意が必要です。
・刃物:縁を切ることを連想させる
・ハンカチ:涙をぬぐうものとして別れを連想させる
・肉・魚などの生もの:日持ちせず、宗教的に避けられる場合もある
・置物など形に残るもの:悲しみが残ると捉えられることがある
・香りの強いもの:好みが分かれやすく相手を選ぶ
・嗜好品(アルコール・珍味など):好みに合わないことがある
・紅白・金銀の包装や蝶結びの水引:本来はお祝い用の装い
掛け紙の書き方と包装マナー
お返しの品は、品物そのものだけでなく「包み方」にも気を配ることで、より丁寧な印象を与えられます。特に掛け紙の使い方や表書きには、弔事ならではのマナーがあります。ここでは、初盆のお返しにふさわしい掛け紙や包装のポイントを見ていきましょう。
掛け紙とのし紙の違いは?
よく似た言葉に「のし紙」がありますが、弔事で使うのは「掛け紙」が正しい表現です。「掛け紙」は贈答品にかける紙の総称で、「のし紙」はその中でも、右上に「のし飾り(熨斗)」が印刷されたお祝い用のものを指します。
初盆のお返しは弔事ですので、のし飾りのない掛け紙を使いましょう。お店で注文する際にも「のしは不要(掛け紙のみ)」と伝えると安心です。
掛け紙は結び切りのデザインを使う
掛け紙には、水引のデザインが印刷されていることが一般的です。初盆のお返しでは、「黒白」「双銀」「黄白」の結び切りの水引が使われます。
「結び切り」には「二度と繰り返さないように」という意味が込められており、弔事やお見舞いなどに用いられる結び方です。華やかな色や蝶結びのデザインはお祝い事向けのため、初盆には不向きとされています。
表書きには「志」や「初盆志」を使う
掛け紙に書く表書きは、「志」が一般的です。仏教で広く使われており、宗派を問わず用いることができます。「初盆志」「新盆志」「初盆供養」「新盆供養」「粗供養」などとすることもありますが、迷ったときは「志」で問題ありません。
表書きの下段には、送り主の姓または「〇〇家」などと記します。複数名で贈る場合や家族での名義など、状況に応じて使い分けましょう。
初盆のお返しに関するよくある質問
初盆のお返しには、地域性や人との関係性もあり、「これでいいのかな?」と迷う場面も少なくありません。ここでは、よくいただくご質問とその考え方についてお伝えします。
お返しを辞退された場合はどうすればいい?
「お返しは不要です」とお声がけいただいた場合でも、まったく何も返さないのは気になるもの。そんなときは、感謝の気持ちを込めたお礼状や電話でのご挨拶がおすすめです。短くても、ひと言丁寧に伝えるだけで、思いはしっかり届きます。
高額な香典をいただいたときの対応は?
香典が1万円を超えるなど高額だった場合でも、その金額すべてに見合う品を用意する必要はありません。返礼はあくまで「気持ち」をお伝えするもの。上限を5,000〜10,000円程度におさえつつ、質の良いものを丁寧に選ぶと、相手にも気を遣わせずに済みます。
地域や宗派の違いがある場合はどう考える?
お返しの仕方やマナーには、地域や宗派によって少しずつ違いがあります。とはいえ、すべてを完璧にこなそうと気負う必要はありません。迷ったときは、一般的なマナーをひとつの目安にしながら、ご家族や法要を行う施設、お返しを用意するお店などに相談してみてください。
初盆のお返しを受け取った側はどうすればいい?
お返しをいただいた場合、基本的にはさらにお返しをする必要はありません。ただ、「ありがとう」の気持ちをきちんと伝えることは大切です。電話やお手紙などで感謝の気持ちを伝えれば、それだけで十分丁寧な対応になります。
初盆のお返しは、基本のマナーを押さえて「ありがとう」の気持ちを大切に
初盆のお返しは、香典や供物をいただいた方への感謝を伝える大切な機会です。金額の目安や品選び、渡し方や掛け紙のマナーなど、基本を押さえておくことで、安心して準備ができます。かたちにとらわれすぎず、あなたらしい「ありがとう」を届けてくださいね。