未来のお墓研究所
供養
神社の参拝方法を解説。お参りに向かない日や服装マナーも紹介
目次
どんなときに神社にお参りするの?
現在では神社にお参りする機会といえば、初詣や行事のイメージが強いかもしれません。しかし、かつて神社は今よりも生活に根ざした身近な存在で、朝夕の参拝に足を運ぶ方も多かったようです。「お伊勢さん」「天神さん」といった呼び方からも、日本人が神社に親しみを持っていたことが伝わります。
現在では、どのような場合に神社にお参りに行くのかを見てみましょう。
日々の感謝を伝える
初詣では新年の幸せをお祈りする方が多いですが、本来は昨年1年間を無事に過ごせたことを神様に報告し、感謝するためのものです。初詣に限らず、普段から神社に参拝し、日々の感謝を伝える方もいらっしゃるでしょう。
お祓い・祈願成就のため
お祓いや祈願成就の儀式を行ってくれる神社は少なくありません。お祓いは、病気や怪我などが続いたときや、車や住宅を買ったときなどに行います。祈願成就には、安産祈願・合格祈願・商売繁盛・長寿祈願などがあり、人生を左右する大きな目標や願望を実現するために行います。
人生の節目の儀礼のため
人生の節目もまた、神社に足を運ぶ機会のひとつです。結婚式(神前式)・お宮参り・七五三・還暦や長寿祝いなどが挙げられます。
厄年は、現在では体調不良や災難が起こりやすい年齢として捉えられていますが、本来は晴れの年齢とされていました。現在では禁忌のイメージが強い厄年ですが、七五三や長寿祝いと同様、人生の通過儀礼として神社でお参りするべき大切な節目なのです。
神社参拝の方法
ここからは、神社を参拝する際の手順やマナーをご紹介します。神社によって作法に多少違いがありますが、紹介するのはごく一般的な方法です。鳥居をくぐる前から作法がありますので、ステップごとに確認していきましょう。
ステップ1 鳥居〜参拝前
鳥居をくぐる前に、社殿に向かって一礼する
鳥居は一般社会と神域を区切る結界を意味しています。鳥居をくぐる前に、社殿※の方向に向かって「失礼します」との想いをこめて一礼しましょう。
※社殿とは神社の構造物を指す総称で、本殿・拝殿などを含みます。
中央を避けて参道を進む
参道の中央は神様の通り道のため、中央を避けて右側か左側を歩きましょう。やむを得ず参道の中央を横切る際は、軽く会釈しながら通るのがマナー。もしくは、中央で社殿を向いて一礼してから横切る方法もあります。
手水舎(てみずや/ちょうずや)で心身を清める
手水舎を利用することを「手水をとる」ともいい、手や口を水ですすいで心身を清めます。細かな作法があり難しいイメージですが、「柄杓は右手から」と覚えるとよいでしょう。
①ハンカチを用意し、一礼
②右手で柄杓を持ち、水をすくって左手を洗う
③柄杓を左手に持ち替え、右手を洗う
④再度、柄杓を右手で持ち、左手に水をためて口をすすぐ
⑤再度、左手を洗って両手で柄杓を持ち、静かに柄を起こしながら水で流す
⑥柄杓を元の位置に戻し、ハンカチで口と手を拭き、一礼
柄杓がなく流水の場合は、両手を洗ってから、両手に溜めた水で口をすすぎます。
参道を進み拝殿へ行く
参道を進んで拝殿を目指します。神社には、神様が祀られている本殿や、参拝者が拝む場所である拝殿などがあります。拝殿には賽銭箱が設置されているため、賽銭箱を目印にするとよいでしょう。
なお、特別な祈願で本殿に上がって参拝することを「正式参拝」「昇殿参拝」といいます。
ステップ2 参拝
賽銭箱の前で会釈し、お賽銭を納める
賽銭箱の前に立ったら会釈をし、神様への真心のしるしとして賽銭を収めます。鈴や銅鑼(どら)・鰐口(わにぐち)がある場合は、縄を揺り動かして鳴らしましょう。その音色には、参拝者を祓い清め、神霊の発動を願う意味があります。
なお、お賽銭と鈴を鳴らす順番は、どちらが先でも問題ありません。
「二礼二拍手一礼」でお参りする
「二礼二拍手一礼」は「二拝二拍手一拝」とも呼ばれ、次のような流れで行います。
①「二礼」 腰を90度に折って深く2回お辞儀
②「二拍手」 両手を胸の高さに合わせたら、両手を肩幅程度に開いて2回打ち合わせる
③両手を合わせたまま祈りを捧げる(住所名前を伝える、日頃の感謝、お願いごと)
④「一礼」 両手を下ろし、深くお辞儀する
出雲大社をはじめ、一部の神社では「二礼四拍手一礼」が正式な参拝方法とされています。
なお、お寺では「合掌一礼」が基本です。仏前で手を合わせて静かに合掌し、最後に一礼します。拍手はしないので注意しましょう。
ステップ3 帰り方
賽参道の中央を避けて歩く
帰りも参道の中央は避け、右側か左側を歩きます。
鳥居をくぐり、社殿に一礼して帰る
鳥居をくぐったら、社殿の方向に体を向けて一礼して参拝は終了です。
神社にお参りに行く前に気をつけたいこと
せっかく神社に行くなら、心に澱みがない状態で気持ちよく参拝したいものですね。ここからは、晴々した気持ちで参拝するために、気をつけたいことをご紹介します。
お参りに向かない日時を避ける
神社のお参りには向かないとされる日があります。特に、お祓いや祈願成就などで参拝に行く場合は、最適な日取りを選ぶのがおすすめです。
<お参りに向かない日>
自身の忌中 | 身内を無くして49日間(神道では50日間)は死の穢れがあるため、神社に立ち入らないのがマナーとされる。 |
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不成就日 (ふじょうじゅび/ふじょうじゅにち |
陰陽道が由来とされ、一切の事が成立しない日といわれる。 |
赤口 (しゃっこう) |
陰陽道の六曜のひとつで、縁起の悪い日とされる。六曜には、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口がある。 |
鬼宿日 (きしゅくび/きしゅくにち) |
古代中国の天文学が由来で、二十八宿のひとつ。お釈迦様が生まれた縁起の良い日である一方、婚礼に関することは凶日とされる。 |
<お参りに向いている日>
毎月1日・15日 | 月の満ち欠けに由来し、1日は新月(物事がスタートする日)、15日は満月(物事が完了する日)とされる。 |
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大安・友引・先勝 | 六曜でもっとも吉なのは大安。友引は、お祝い事に向いているものの11時〜13時は凶。先勝は、午前が吉で午後が凶とされる。 |
一粒万倍日 (いちりゅうまんばいび/ いちりゅうまんばいにち) |
日本独自の考え方で、「一粒の種籾が稲となり、万倍のお米となる」ことを意味し、何かを始めるのに最適な日とされる。年間に約60日ある。 |
天赦日 (てんしゃび/てんしゃにち) |
古代中国の陰陽五行説と干支が由来とされる。「天の神々がすべての罪を赦す日」という意味で、大安を超える吉日といわれる。年間に5〜6日ある。 |
神吉日 (かみよしび/かみよしにち) |
古代中国の占星術や日本の神道が由来とされ、「御神徳を授かることができる日」といわれる。1年の半分以上が神吉日にあたり、身近な吉日のひとつ。 |
日取りにもよりますが、神社の参拝は午前中〜午後2時までが良いでしょう。午前中の早い時間帯は参拝客が少なく、神様に願い事が届きやすいと考えられているからです。
お参りに適した服装
祈願成就や儀礼で社殿に入る際は、行事にふさわしい正装が基本です。男性の場合はスーツにネクタイ、女性の場合はスーツやフォーマルなワンピースなどを選ぶと良いでしょう。
そのような行事以外でも、神様への挨拶にふさわしい服装を心がけたいものです。派手な色柄やアクセサリーを避けて、露出を控えた落ち着いた服を選びましょう。また、体調に影響がなければ、境内では帽子やサングラスを取るのが望ましいです。
作法を守って、敬虔な気持ちで神社の参拝に行きましょう
神社の参拝にはたくさんの作法・マナーがあるため、慣れないうちはすべてを正しく行うのは難しいかもしれません。大切なのは、神様を敬う気持ちと、日頃の感謝を伝えることです。次の初詣には、ぜひ作法を思い出しながら、敬虔な気持ちで参拝してみてくださいね。