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父の日には「父の日参り」へ。父の日の起源や、お参りにおすすめの花・贈り物を紹介

父の日には「父の日参り」へ。父の日の起源や、お参りにおすすめの花・贈り物を紹介

父への感謝の気持ちを伝える父の日には、「父の日参り」をしましょう。父の日参りとは、亡き父親に感謝の気持ちを伝えるために行う供養のことです。この記事では、父の日の起源や父の日参りでお供えするものを解説。線香やろうそくなどを供える意味や、お供えの花の選び方を紹介します。

父の日参りとは

父の日参りとは

父の日参りとは、父の日に父親の墓を訪れたり、仏壇で手を合わせたりして、故人を偲ぶ供養のことです。普段とは異なる特別なお供え物を墓前や仏壇に供えることもあります。

年に一度の父の日は、日頃の感謝の気持ちを伝える良い機会とされています。父親が亡くなった後も、この機会を父の日参りとして継続することができ、亡き父親を偲んで家族が集まる機会にもなります。

父の日の起源

父の日の起源

父の日の起源はアメリカにあり、きっかけは母の日ができたことを知ったジョン・ブルース・ドット 夫人の働きかけです。

6人兄妹の末娘であるドット夫人は母親を早くに亡くし、大変な苦労の中で父親一人に育てられました。この苦労を背景に、父への感謝の気持ちを表したいと考えたドット夫人が、「父の日」の創設を提案したのです。

1916年のウィルソン大統領の演説により父の日が認知されるようになり、1972年にアメリカでは国民の祝日となりました。ドット夫人の父の誕生月が6月だったため、6月の第3日曜日が父の日として制定され、父親が存命の場合は赤いバラ、亡くなられている場合は白いバラをプレゼントするようになりました。

日本での父の日は戦後に普及し始めますが、一般的な行事として盛んになったのは1980年代です。1981年に「FDC 日本ファーザーズ・デイ委員会」が設立され、父への感謝の気持ちを「家族の愛情や尊敬」を表す黄色いリボンに託して贈ることを推奨しました。そのため、日本では父の日のイメージカラーが黄色となっています。

父の日参りでお供えするもの

父の日参りでも、普段のお墓参りと大きな違いはありません。仏教のお供え物は、「五供(ごく・ごくう)」と呼ばれる次の5種類が基本です。

「花」
「香」(線香など)
「灯明」(ろうそくなど)
「飲食」
「浄水」

ここでは、それぞれのお供えものの意味を紹介します。

花

仏壇に供える花を「仏花」、お墓に供える花を「墓花」と呼ぶことが多いです。何気なく花を供えますが、花を供えることには仏教的な意味合いがあります。

花が厳しい自然環境を耐えて美しく咲き続ける姿は、厳しい修行に耐えて悟りを開く仏教の教えと重なると考えられているからです。また、故人の冥福を祈り、弔うためでもあります。

お供えの花に菊がよく用いられる理由は、菊が邪気を払うと考えられているからです。また、長持ちして枯れにくく、種類が多いことも理由のひとつです。ほかにも、アイリスやスターチスなど、長持ちする花がお供えに適しています。

一方で、棘や毒を持ち、香りが強い花は避けたほうが良いとされていますが、基本的には父親の好きだった花を選ぶと良いでしょう。

線香

線香

お墓や仏壇に線香をあげる意味は3つあります。1つ目は故人の食事です。仏教では、人は亡くなると線香の香りを食するという考え方があり、これを「食香(じきこう)」といいます。四十九日の間、絶えることなく線香を焚き続けるのは、故人が線香の香りを食べながら旅をするからです。

2つ目は、故人とつながるためです。天に昇る線香の煙は、天上と現世をつなぐものとされています。線香を焚くことで、故人と心を通わせ、話しかけることができるといわれています。

3つ目はお清めです。線香をあげることで、自分自身やその場所を清める効果があるとされています。

また、線香は大きく分けると2種類あり、ひとつは「杉線香」と呼ばれるものです。煙の量が多く、香りも強いためお墓参りによく使われます。

もうひとつは「匂い線香」です。椨(タブ)の木の皮をもとに、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)などの香料を加えたもので、お寺や家庭でよく使われています。

最近は、ローズやラベンダー、柑橘系やりんご、コーヒーなどの香りの線香もあり、匂い線香は自宅だけでなくお墓にも使用できます。父親に思いを馳せながら、線香の香りで種類を選ぶのもおすすめです。

ろうそく

ろうそく

お参りでろうそくを灯すのは、不浄なものを祓い、周囲を清めるためです。仏教では昔から火は神聖なものと考えられており、ろうそくの火はお墓の周りを清めると同時に、煩悩の闇を取り除いて仏様の智慧を称える意味があります。

また、ろうそくの光はお参りに来た人の姿を照らし、ご先祖様に誰が来たのかを知らせる役割もあります。

このような意味があるため、ろうそくは手を合わせる前に灯し、お参りが終わったら火を消して持ち帰ります。ろうそくや線香の火は、息で吹き消さずに手で扇いで消すようにしましょう。仏教では、口から出る息は良くないものとされているためです。

さらに、ロウが垂れてお墓を汚さないように、小皿やキャンドルスタンドを用意しておくと良いでしょう。最近ではお酒や食べ物を模したユニークなキャンドルも豊富にあります。父親の好物を模したろうそくを灯して、父親への想いを巡らすのもおすすめです。

食べ物

食べ物

食べ物のお供えは、父親が好きだったお菓子や果物、飲み物を選び、お墓を汚さないよう、懐紙や半紙、ハンカチの上に置きます。故人がタバコやお酒を好んでいた場合は、一緒に供えても良いでしょう。お供えした食べ物は、お参りのあとに墓前でいただくか、持ち帰っていただきます。

仏教では、においや辛味が強い野菜を食べることが古くから禁じられているため、ニラやにんにく、ねぎやらっきょうなどはお供えにはふさわしくないとされています。

また、殺生をイメージする肉や魚もお供えにはふさわしくないとされているため、故人が好きだった場合は食品キャンドルで代用すると良いでしょう。

水

水鉢に水を張って供えることを「浄水」といいます。水は仏様の好物だといわれており、お参りする人の心身や場を清めるものとも考えられているのです。

また、お墓参りの際にお墓に水をかける行為にも意味があります。仏教では、死後に6つの世界を輪廻すると考えられています。その中には餓鬼界という水がない世界があるため、水をかけることでご先祖様を乾きから救うという意味があるのです。

さらに、お墓の周りにいる餓鬼は普段は水を飲めませんが、お墓にかけられた水は飲めるとされています。お墓に水をかける行為は、餓鬼にまで水を与えようとする仏様の慈悲の心の象徴とも言われています。ご先祖様や故人に飲んで欲しいという気持ちから、お墓にお茶やお酒をかける方もいますが、墓石にシミが残ってしまうこともあるため、水以外をかけるのは避けたほうが良いでしょう。

一方で、お墓に水をかけない考え方 もあります。これは、ご先祖様や故人に対して水をかける行為が失礼だと捉えるためです。大切なのは供養する気持ちですから、水をかける・かけないは自分の考えに基づいて判断しましょう。

父の日参りに供えたい花

父の日参りに供えたい花

母の日にはカーネーション、父の日にはバラが定番ですが、棘のあるバラはお供えには適さないとされています。そのため、墓前や仏前への贈り物としては避けたほうが良いでしょう。しかし、「お父さんが好きだった」という理由から家庭内で飾るのであれば問題ありません。

また、父の日参りに供える花は、父親への想いを表すことができればどのような花でも構いません。父親が好きだった花や、ユリ、カーネーション、トルコキキョウなどの上品な花がおすすめです。

「父の日参り」で亡き父を偲びましょう

「父の日参り」で亡き父を偲びましょう

一つひとつのお供え物を選ぶ瞬間も、亡き父を偲ぶ時間となります。お供えには仏教的な意味やルールがありますが、何よりも供養の気持ちが大切です。時間が経っても変わらない父への感謝の気持ちを、父の日参りで伝えてみてはいかがでしょうか?